

前田 祐助
AGAメディカルケアクリニック 統括院長
【経歴】
- 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
- 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
- 大手AGAクリニック(院長)を経て、薄毛・AGA治療の2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
- 2020年に2院目となるAGAメディカルケアクリニック横浜院を開設
- 2023年に3院目となるAGAメディカルケアクリニック東京八重洲院を開設
【資格】
- 医師免許
- ⽇本医師会認定産業医
- 医学博士
【所属学会】
- 日本内科学会
- 日本美容皮膚科学会
- 日本臨床毛髪学会
【症例数】
- 3万人以上※
- ※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数
AGA治療を始めたのに、かえって抜け毛がひどくなり「このまま薄毛が進行するのでは?」と強い不安を感じていませんか?
その脱毛は、AGA治療の効果が出始めたサインである「初期脱毛」の可能性が高いです。
この記事では、なぜ初期脱毛で一時的にひどい抜け毛が起こるのか、そのメカニズムを専門家が分かりやすく解説します。
さらに、初期脱毛がいつから始まりいつまで続くのか、期間の目安や注意すべき脱毛との見分け方、不安な時期を乗り切るための具体的な対策まで詳しくご紹介。
自己判断で治療を中断してしまう前に、まずは正しい知識を身につけ、安心して治療を継続するための第一歩としてお役立てください。
AGA治療初期のひどい脱毛は初期脱毛の可能性

AGA治療を開始したにもかかわらず、以前より抜け毛が増えて「かえって薄毛がひどくなった」と驚き、不安に感じていませんか?
その症状は、AGA治療が順調に進んでいる証拠である「初期脱毛」の可能性があります。
まずは、なぜ治療初期にひどい脱毛が起こるのか、そのメカニズムから正しく理解していきましょう。
初期脱毛とはAGA治療の効果が出始めたサイン
初期脱毛とは、AGA治療薬の使用を開始してから約10日~1か月後に見られる一時的な脱毛症状のことです。
治療によって乱れたヘアサイクル(毛周期)が正常な状態へリセットされる過程で起こる、いわば「好転反応」の一種と考えられています。
すべての治療者に起こるわけではありませんが、治療効果が出始めているポジティブなサインと捉えることができます。
この脱毛はあくまで一時的なものであり、通常は治療を継続することで自然に落ち着き、その後、太く健康な髪の毛が生え始めます。
なぜ初期脱毛でひどい抜け毛が起こるのか
では、なぜ治療の効果が出始めると、一時的に抜け毛が増えるのでしょうか。
これには、AGAによって乱れた「ヘアサイクル」が大きく関係しています。
乱れたヘアサイクルが正常化する過程
髪の毛には、「成長期(髪が太く長く成長する期間)」「退行期(成長が止まる期間)」「休止期(髪が抜け落ちる準備期間)」という一連のサイクルがあります。
AGAを発症すると、このヘアサイクルのうち「成長期」が極端に短くなり、髪の毛が十分に成長しないまま「休止期」に入ってしまいます。
その結果、細く短い、いわゆる「軟毛」が増え、薄毛が進行するのです。
AGA治療薬は、この乱れたヘアサイクルを正常に戻す働きがあります。
薬の効果によって毛母細胞が活性化されると、休止期に入っていた多くの毛根が一斉に新しい髪の毛を作り始めます。
この「ヘアサイクルのリセット」が、初期脱毛の主な原因です。
新しい髪の毛が古い髪の毛を押し出す
治療によってヘアサイクルが正常化に向かうと、毛根の奥では新しく健康な髪の毛が生まれ、成長を始めます。
この新しく力強い髪の毛が、すでに成長を終えて休止期に入っていた古い髪の毛を毛穴から押し出す形で、脱毛が起こります。
つまり、初期脱毛で抜けるのは、いずれ近いうちに自然と抜け落ちる運命にあった弱々しい髪の毛です。
新しい髪の毛が生えるための「場所を空ける」ための、自然で必要なプロセスなのです。
初期脱毛が起こる主な治療薬
初期脱毛は、主に発毛を促進する作用を持つ治療薬で起こりやすいとされています。
代表的なAGA治療薬と初期脱毛の関係を以下にまとめました。
| 治療薬の種類 | 代表的な成分名 | 初期脱毛との関連性 |
| 発毛を促進する薬 | ミノキシジル(外用薬・内服薬) | 毛母細胞を活性化し、成長期へ移行させるため初期脱毛が比較的起こりやすい。 |
| 抜け毛を抑制する薬 | フィナステリド、デュタステリド(内服薬) | ヘアサイクルの正常化過程で初期脱毛が起こることがある |
特にミノキシジルを使用した場合に初期脱毛を実感される方が多い傾向にありますが、フィナステリドやデュタステリドといった抜け毛抑制薬のみの治療でも、ヘアサイクルが改善される過程で同様の現象が起こる可能性は十分にあります。
AGAの初期脱毛はいつからいつまで続くのか

AGA治療を始めたにもかかわらず、抜け毛がひどくなると「本当に効果があるのか」「このまま続けても大丈夫なのか」と不安に感じてしまうのは当然のことです。
しかし、そのひどい脱毛は、治療が順調に進んでいる証である「初期脱毛」かもしれません。
ここでは、初期脱毛がいつから始まり、いつまで続くのか、その期間や量の目安について専門的な視点から詳しく解説します。
初期脱毛の期間には個人差がありますが、一般的な目安を知ることで、過度な心配をせずに治療を継続する一助となるでしょう。
初期脱毛が始まる時期の目安
初期脱毛が始まる時期は、AGA治療薬の使用を開始してから約2週間〜1か月後が一般的です。
治療薬の成分が血中を通じて頭皮の毛母細胞に作用し、乱れていたヘアサイクル(毛周期)を正常化させるまでに、ある程度の時間が必要なためです。
もちろん、これはあくまで目安であり、使用する治療薬の種類(ミノキシジルやフィナステリド、デュタステリドなど)や個人の体質、AGAの進行度によって開始時期は前後します。
早い方では10日ほどで始まるケースもあれば、1か月以上経ってから始まる方もいます。
初期脱毛が終わるまでの期間
多くの場合、初期脱毛は始まってから約1か月〜3か月程度で自然に落ち着きます。
長くても3か月を過ぎる頃には、抜け毛の量が徐々に減少し、治療前と同程度か、それ以下になるのが一般的です。
この期間は、古い髪の毛が新しい健康な髪の毛に生え変わるために必要な時間です。
もし、3か月以上経っても抜け毛が減る気配がない、あるいはさらに悪化するような場合は、初期脱毛以外の原因も考えられるため、一度処方を受けた医師に相談することをおすすめします。
初期脱毛で抜ける髪の毛の量
初期脱毛で抜ける髪の毛の量には大きな個人差がありますが、「普段の倍以上の抜け毛」を感じる方が多いようです。
具体的には、シャンプー時の排水溝に溜まる髪の毛や、朝起きた時の枕元の抜け毛が明らかに増えたと感じることがあります。
健康な人でも1日に50本〜100本程度の髪の毛は自然に抜けていますが、初期脱毛の期間中は一時的に1日に200本〜300本以上抜けることも珍しくありません。
抜ける量が多いと精神的なストレスを感じるかもしれませんが、これは新しい髪の毛が成長している証拠であると理解し、冷静に経過を見守ることが大切です。
抜ける毛は、もともと弱々しく、いずれは抜ける運命にあった髪の毛です。
初期脱毛に影響する要因
初期脱毛の期間や抜ける量には個人差がありますが、それにはいくつかの要因が関係しています。
・AGAの進行度:薄毛が進んでいるほど、乱れたヘアサイクルの髪が多く、初期脱毛で抜ける量が増えやすくなります。
・治療薬の種類や濃度:ミノキシジルは発毛を促す力が強く、初期脱毛を起こしやすい傾向があります。
内服薬か外用薬か、また外用薬の濃度によっても反応は異なります。
・体質や代謝の違い:薬の効き方や代謝の速さには個人差があり、初期脱毛の出方や期間にも違いが生じます。
これらの要因が複合的に絡み合うため、他の人と比べて抜け毛が多い、あるいは少ないといったことに一喜一憂する必要はありません。
初期脱毛が落ち着いた後の変化とは
つらい初期脱毛の期間を乗り越えると、髪の毛には嬉しい変化が現れ始めます。
まず、あれほど気になっていた抜け毛がピタッと落ち着き、治療を始める前よりも少なくなったと感じる方が多いです。
そして、最も重要な変化は、新しく生えてくる髪の毛の変化です。
初期脱毛によって押し出された弱々しい髪の毛に代わり、太く、コシのある健康的な髪の毛が成長を始めます。最初は産毛のような細い毛ですが、治療を継続することで徐々に長く、たくましく育っていきます。
髪全体のボリュームアップや見た目の変化をはっきりと実感できるようになるまでには、治療開始から最低でも6か月程度は必要です。初期脱毛は、その先の明るい未来に向けた第一歩と捉え、根気強く治療を続けていきましょう。
こんな症状は要注意!
初期脱毛ではない脱毛の可能性

AGA治療を始めてからの抜け毛の増加は、多くの場合「初期脱毛」であり、治療効果が現れている証拠です。
しかし、すべての脱毛が初期脱毛とは限りません。
中にはAGAの悪化や治療薬の副作用、あるいは別の脱毛症が原因である可能性も考えられます。
自己判断で治療を中断してしまう前に、ご自身の症状が初期脱毛によるものか、それとも注意すべきサインなのかを正しく見極めることが重要です。
ここでは、初期脱毛ではない脱毛の可能性について詳しく解説します。
AGAが悪化しているケース
AGA治療薬の効果には個人差があり、残念ながらすべての人に同じ効果が現れるわけではありません。
治療を開始して3か月から6か月以上経過しても抜け毛が減らない、あるいは以前よりも薄毛が進行しているように感じる場合は、AGAが悪化している可能性があります。
初期脱毛は通常1か月から3か月程度で落ち着くため、それ以降も脱毛が続く場合は注意が必要です。
治療薬が体質に合っていない、あるいは生活習慣の乱れなど他の要因がAGAの進行を加速させている可能性も考えられるため、一度治療方針について医師と相談することをおすすめします。
治療薬の副作用による脱毛
AGA治療薬の副作用として、脱毛が起こることは非常に稀ですが、可能性はゼロではありません。
特に、ミノキシジル外用薬を使用した場合、接触皮膚炎による頭皮の炎症(かゆみ、赤み、フケ、発疹など)が起こることがあります。
頭皮環境が悪化すると、健康な髪の毛の成長が妨げられ、結果として抜け毛が増加してしまうのです。
もし脱毛とともに頭皮に異常を感じる場合は、薬剤が肌に合っていない可能性があります。
また、内服薬(フィナステリドやデュタステリド)が体に合わない場合も、体調の変化が髪に影響を及ぼすことも考えられます。
異変を感じたら、すぐに処方を受けたクリニックに相談してください。
初期脱毛かどうかの見分け方
ご自身の脱毛が、治療効果のサインである「初期脱毛」なのか、それとも注意すべき「危険な脱毛」なのかを見分けることは、治療を安心して続ける上で非常に重要です。
以下の表を参考に、ご自身の症状を客観的にチェックしてみましょう。
| チェック項目 | 初期脱毛の可能性が高いケース | 注意が必要な脱毛のケース |
| 時期 | 治療開始後2週間~1か月半頃に始まる | 治療開始後3か月以上経ってから始まる、または悪化する |
| 期間 | 1か月~3か月程度で自然に落ち着く | 3か月以上続く、または一向に改善しない |
| 抜け毛の質 | 細く短い、弱々しい髪の毛が多い | 太く長い、健康そうな髪の毛も多く抜ける |
| 頭皮の状態 | 特に変化はなく、正常な状態 | 強いかゆみ、赤み、フケ、湿疹などの炎症が見られる |
| その他の症状 | 特にない | 体調不良や、処方薬の副作用として知られる症状がある |
この表はあくまで目安です。もしご自身の症状が「注意が必要な脱毛のケース」に一つでも当てはまる、あるいは判断に迷う場合は、自己判断せずに必ず医師の診察を受けてください。
他の脱毛症との違い
AGA治療中に起こる脱毛が、必ずしもAGAに関連するものとは限りません。
ストレスや他の疾患が原因で、別の脱毛症を併発している可能性も考慮する必要があります。
代表的なものとして「円形脱毛症」と「休止期脱毛症」が挙げられます。
円形脱毛症
円形脱毛症は、自己免疫疾患の一種と考えられており、年齢や性別を問わず発症します。
主な特徴は、コインのような円形または楕円形の脱毛斑が、前触れなく突然現れることです。
脱毛部分の境界がはっきりしているのが特徴で、AGAのように全体的に薄くなるのとは異なります。
AGA治療中に円形の脱毛斑を見つけた場合は、速やかに皮膚科またはAGA専門クリニックを受診しましょう。
休止期脱毛症
休止期脱毛症は、精神的・肉体的なストレスや、過度なダイエットによる栄養不足、甲状腺機能の異常、特定の薬剤の影響などが引き金となり、髪の毛が一斉に休止期に入ってしまうことで起こる脱毛症です。
頭部全体の髪が均等に抜ける「びまん性脱毛」が特徴で、特定の部位だけが薄くなるAGAとは脱毛のパターンが異なります。
AGA治療の開始自体が身体的な変化となり、一時的に休止期脱毛症のような症状を引き起こすことも稀にありますが、抜け毛が長期間続く場合は他の原因を特定するためにも医師の診察が不可欠です。
【重要】自己判断でAGA治療を中断しない

AGA治療の初期段階で見られるひどい脱毛は、精神的に大きな負担となることでしょう。
鏡を見るたびに増える抜け毛に、「このまま治療を続けても大丈夫なのだろうか」「かえって悪化しているのではないか」と不安に駆られ、治療の中断を考えてしまう方も少なくありません。
しかし、その自己判断が、将来得られるはずだった効果を台無しにしてしまう可能性があるのです。
ここでは、なぜ自己判断で治療を中断してはいけないのか、その理由を詳しく解説します。
初期脱毛の途中でやめるとどうなる?
結論から申し上げると、初期脱毛の段階でAGA治療を自己判断で中断することは、非常にもったいない選択です。
初期脱毛は治療効果が出始めた証であり、ヘアサイクルが正常化へと向かう過程で起こる現象です。
この大切な時期に治療をやめてしまうと、次のような事態を招く可能性があります。
まず、乱れたヘアサイクルが再び元の状態に戻ってしまいます。
せっかく新しい髪の毛が古い髪の毛を押し出す準備を始めていたにもかかわらず、治療薬の効果が途切れることで、そのサイクルが止まってしまうのです。
結果として、初期脱毛で抜けた髪の毛が十分に生え揃う前に、AGAの進行が再開してしまいます。
最悪の場合、治療を始める前よりも薄毛が進行したように感じられることもあります。
これは、弱々しい髪が抜けた後に、本来生えてくるはずだった健康な髪が育つ機会を失ってしまうためです。
治療にかけた時間と費用が無駄になるだけでなく、薄毛の状態が悪化するリスクさえあるのです。
治療を継続すべき理由
つらい初期脱毛の期間を乗り越え、治療を継続することには明確なメリットがあります。
AGAは進行性の脱毛症であり、何もしなければ薄毛は進み続けます。
治療の継続こそが、その進行を食い止め、発毛を促す唯一の方法と言えるでしょう。
治療を中断した場合と継続した場合の違いを比較してみましょう。
| 項目 | 中断した場合 | 継続した場合 |
| ヘアサイクルの状態 | 再び乱れ始め、成長期が短縮された元の状態に戻る。 | 正常化が進み、髪の毛が太く長く成長する期間が確保される。 |
| 髪の毛の状態 | 初期脱毛で抜けた後、新たに生える髪も細く弱いまま。全体のボリュームダウンが進行する可能性がある。 | 初期脱毛後、以前よりも強くコシのある健康な髪の毛が生えてくる。徐々に全体の密度が高まる。 |
| AGAの進行 | 治療薬による抑制効果がなくなり、AGAの進行が再開する。 | AGAの進行が抑制され、現状維持、または改善が期待できる。 |
このように、治療を継続することで、初期脱毛という一時的な現象の先に、髪質の改善や毛量の増加といった明るい未来が待っています。
このつらい期間は、より良い結果を得るための準備期間であると捉え、根気強く治療を続けることが何よりも重要です。
副作用が不安なときの対応法
「初期脱毛は理解できたけれど、他の副作用が心配で続けられない」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
AGA治療薬には、フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルなどがあり、それぞれに副作用のリスクが報告されています。
例えば、頭皮のかゆみやかぶれ、頭痛、めまい、性機能の低下などが挙げられます。
もし、初期脱毛とは明らかに異なる身体の不調を感じた場合は、決して自己判断で服用を中止しないでください。
最も大切なのは、速やかに治療薬を処方してもらった医師やクリニックに相談することです。
医師はあなたの症状を正確にヒアリングし、それが本当に薬の副作用によるものなのか、あるいは別の原因があるのかを専門的な知見から判断します。
副作用が確認された場合でも、治療の選択肢がなくなるわけではありません。
医師の判断により、薬の量を減らしたり、別の種類の治療薬に変更したり、外用薬と内服薬の組み合わせを調整したりと、さまざまな対策を講じることが可能です。
ご自身の体調の変化を正直に伝えることで、より安全で効果的な治療を継続するための最適な方法を一緒に見つけることができます。
不安を一人で抱え込まず、まずは専門家である医師に相談しましょう。
ひどい初期脱毛の期間を乗り切るための対策

AGA治療における初期脱毛は、効果が出始めている証拠とはいえ、鏡を見るたびに増える抜け毛に不安を感じるのは当然のことです。
このつらい期間を少しでも穏やかに、そして前向きに乗り切るためには、いくつかの対策を実践することが重要です。
ここでは、専門的な観点から、ひどい初期脱毛の期間を乗り切るための具体的な対策を解説します。
頭皮環境を整える生活習慣
AGA治療薬の効果を最大限に引き出し、健やかな髪の毛が育つ土台を作るためには、頭皮環境を整える生活習慣が不可欠です。
身体の内側からケアすることで、初期脱毛後の力強い発毛をサポートします。
バランスの取れた食事
髪の毛は、日々の食事から摂取する栄養素によって作られます。
特に、髪の主成分である「ケラチン」というタンパク質と、その合成を助けるビタミンやミネラルを意識的に摂取することが大切です。
特定の食品だけを食べるのではなく、バランスの良い食事を心がけましょう。
| 栄養素 | 髪への働き | 多く含まれる食品の例 |
| タンパク質 | 髪の主成分であるケラチンの材料となる。 | 肉類、魚介類、卵、大豆製品、乳製品 |
| 亜鉛 | タンパク質をケラチンへ再合成する際に不可欠なミネラル。 | 牡蠣、レバー、牛肉(赤身)、チーズ、納豆 |
| ビタミンB群(B2, B6, B7など) | 頭皮の新陳代謝を促し、皮脂の分泌をコントロールする。 | レバー、うなぎ、マグロ、カツオ、バナナ、ナッツ類 |
| ビタミンE | 血行を促進し、毛根へ栄養を届けるサポートをする。 | アーモンド、かぼちゃ、アボカド、植物油 |
反対に、脂質の多い食事や糖分の過剰摂取は、皮脂の過剰分泌を招き、頭皮環境を悪化させる可能性があるため注意が必要です。
質の高い睡眠
睡眠中には、髪の成長に欠かせない「成長ホルモン」が分泌されます。
特に、入眠後の最初の深いノンレム睡眠時に最も多く分泌されるため、睡眠の「量」だけでなく「質」を高めることが重要です。
質の高い睡眠を確保するために、以下の点を意識してみましょう。
- 就寝前のスマートフォンやPCの使用を控える(ブルーライトを避ける)
- ぬるめのお風呂にゆっくり浸かり、心身をリラックスさせる
- カフェインの摂取は就寝の3〜4時間前までにする
- 毎日なるべく同じ時間に就寝・起床し、生活リズムを整える
ストレスを溜めない工夫
過度なストレスは自律神経のバランスを乱し、血管を収縮させる原因となります。
血管が収縮すると、頭皮の血行が悪化し、毛根に十分な栄養が届きにくくなります。
初期脱毛による精神的なストレスも、この悪循環を助長しかねません。
以下のような自分に合った方法で、こまめにストレスを発散させることが大切です。
- 軽いウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を行う
- 趣味や好きなことに没頭する時間を作る
- ゆっくりと深呼吸をしてリラックスする
- 信頼できる友人や家族に話を聞いてもらう
正しいヘアケアを心がける
初期脱毛の期間は、頭皮も髪もデリケートな状態です。
外部からの刺激を極力減らし、優しくケアすることを心がけましょう。
頭皮マッサージのやりすぎはNG
頭皮の血行促進を目的としたマッサージは有効ですが、やりすぎは禁物です。
強く擦ったり、爪を立てたりすると、毛根や頭皮を傷つけ、かえって抜け毛を増やす原因になりかねません。
頭皮マッサージは、指の腹を使って、頭皮全体を優しく動かすように、心地よいと感じる強さで行いましょう。
洗浄力の強すぎるシャンプーは使わない
市販のシャンプーの中には、洗浄力が強く、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまうものがあります。
皮脂が奪われすぎると、頭皮が乾燥したり、逆に皮脂が過剰に分泌されたりして、頭皮環境の悪化につながります。
シャンプーは、アミノ酸系やベタイン系などのマイルドな洗浄成分を配合した、頭皮への刺激が少ない製品を選ぶのがおすすめです。
また、洗い方にも注意が必要です。
シャンプーを直接頭皮につけるのではなく、手のひらでよく泡立ててから、指の腹で優しくマッサージするように洗い、すすぎ残しがないよう十分に洗い流しましょう。
発毛をサポートする市販アイテムの活用法
AGA治療と並行して、市販の育毛剤(医薬部外品)やスカルプエッセンス(化粧品)を使用することも、頭皮環境を整える上で役立ちます。
これらのアイテムは、AGA治療薬のように直接的な発毛効果を持つものではありませんが、頭皮の保湿、血行促進、フケやかゆみの防止といった効果が期待できます。
ただし、AGA治療薬との併用については、自己判断で行わず、必ず事前に医師に相談してください。
特に、ミノキシジルを配合した外用薬(第一類医薬品)を使用している場合は、成分が重複する可能性もあるため注意が必要です。
経過を記録して変化を見える化する
初期脱毛による不安を和らげるために、非常に有効な方法が「経過の記録」です。
スマートフォンのカメラなどを使い、治療開始前から定期的に頭頂部や生え際、分け目などの写真を撮影しておきましょう。
同じ角度、同じ照明で撮影することで、客観的な変化を捉えやすくなります。
抜け毛の本数を毎日数えるのはかえってストレスになるためおすすめしませんが、写真で記録を残しておくことで、数か月後に見返した際に、初期脱毛を乗り越えて新しい髪が生え始めていることを実感できます。
この「見える化」は、治療継続のモチベーション維持にもつながり、医師に相談する際の貴重な資料にもなります。
どうしても不安な場合は医師に相談しよう

AGA治療における初期脱毛について理解しても、実際に大量の髪が抜け落ちる状況を目の当たりにすると、不安が募るのは当然のことです。
セルフケアや情報収集だけではどうしても心配が拭えない場合、最も確実な方法は治療を受けているクリニックの医師に相談することです。
自己判断で治療を中断してしまう前に、まずは専門家の診断を仰ぎましょう。
オンライン診療も活用できるAGAクリニック
「忙しくてクリニックに行く時間がない」「対面での相談は少し緊張する」という方には、オンライン診療の活用がおすすめです。
スマートフォンやパソコンを使い、自宅などプライベートな空間から医師の診察を受けることができます。
多くのAGA専門クリニックではオンライン診療に対応しており、ビデオ通話を通じて現在の頭皮の状態を診察してもらったり、不安な点を直接質問したりすることが可能です。
通院の手間や待ち時間がなく、交通費もかからないため、継続的な治療のサポートとして非常に便利な選択肢と言えるでしょう。
薬の処方もオンラインで完結し、自宅まで配送してくれるクリニックがほとんどです。
不安を感じた時にすぐに専門家の意見を聞ける環境は、治療を続ける上で大きな安心材料となります。
医師に伝えるべきポイント
診察の際に、ご自身の状況を正確に伝えることで、医師はより的確な判断を下すことができます。
相談する前には、以下のポイントを整理してメモなどにまとめておくと、スムーズにコミュニケーションが取れるでしょう。
特に、脱毛の量や体調の変化については、できるだけ具体的に伝えることが重要です。
| 項目 | 伝える内容の例 |
| 治療内容 | いつから治療を開始したか。服用している薬の名前(フィナステリド、デュタステリドなど)と用量、外用薬(ミノキシジルなど)の濃度と使用頻度。 |
| 脱毛の状況 | いつ頃から抜け毛が増え始めたか。1日あたりの抜け毛の本数(枕元、排水溝、ドライヤー時など)。特に脱毛が気になる部位(生え際、頭頂部など)。抜ける毛の太さや長さ。 |
| 副作用の有無 | 頭皮のかゆみ、赤み、かぶれ、できもの。頭痛、めまい、動悸。性欲減退や勃起不全(ED)など、治療開始後に感じた身体の変化。 |
| 生活習慣の変化 | 治療開始前後での生活習慣の変化(食生活、睡眠時間、ストレスの度合いなど)。 |
| 現在の不安や質問 | 「このまま治療を続けて良いか不安」「副作用が心配」「本当に効果が出ているのか知りたい」など、今一番気になっていることを正直に伝える。 |
これらの情報を基に、医師は現在の脱毛が正常な初期脱毛の範囲内なのか、あるいは別の要因が考えられるのかを判断し、今後の治療方針について適切なアドバイスをしてくれます。
ささいなことだと感じても、遠慮せずに相談することが、安心して治療を継続するための鍵となります。
まとめ

AGA治療の開始後に起こるひどい脱毛は、多くの場合「初期脱毛」と呼ばれる好転反応です。これは、ミノキシジルやフィナステリドといった治療薬の効果によって乱れたヘアサイクルが正常化する過程で、新しく健康な髪が古い弱い髪を押し出すために起こります。つまり、ひどい脱毛はAGAが悪化したのではなく、むしろ治療効果が出始めたポジティブなサインなのです。
初期脱毛は、一般的に治療開始から1か月前後で始まり、通常1〜3か月程度で自然に落ち着きます。
この期間に不安を感じて自己判断で治療を中断してしまうと、得られるはずだった効果が失われ、薄毛が再び進行する可能性があるため、治療の継続が非常に重要です。
まずは3か月を目安に治療を続けてみましょう。
もし脱毛期間が3か月以上にわたって続く場合や、頭皮の赤み・かゆみなど他の症状を伴う場合は、副作用や別の脱毛症の可能性も考えられます。
決して一人で悩まず、処方を受けたクリニックの医師に相談してください。
AGAメディカルケアクリニックでは、初期脱毛の期間や症状についても医師が丁寧にフォローし、オンライン診療にも対応しています。
治療を続ける中での不安や疑問がある方は、まずは無料カウンセリングで気軽に相談してみてください。





