
「頭皮のつっぱりが気になる」
「フケやかゆみが止まらない」
これらの症状はどれも、頭皮が乾燥していることを示すサインです。
頭皮の乾燥を放っておくと、大量のフケや強いかゆみの原因となります。頭皮環境の悪化により抜け毛が増えることもあるので、乾燥に気づいたら早めの対策を行いましょう。
頭皮の乾燥でお悩みの方のため、この記事では頭皮が乾燥する原因と対処法をわかりやすく解説していきます。
前田 祐助
AGAメディカルケアクリニック 統括院長
【経歴】
- 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
- 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
- 大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設

頭皮の乾燥によって起こりうる症状

以下の症状は頭皮が乾燥した時に見られるものです。
- 頭皮がかゆい
- フケがでる
- 頭皮にかさぶたがある
頭皮の乾燥は季節的要因や体質、ヘアケアによって皮膚のバリア機能が低下している時に起こります。
乾燥を防ぐにはなぜバリア機能が低下しているのか、その原因を特定することからはじめていきましょう。
頭皮が乾燥する3つの原因

頭皮が乾燥する(=皮膚のバリア機能が低下する)原因には次のものがあります。
- シャンプー
- アトピー性皮膚炎
- 生活習慣の乱れ
ここからは3つの原因をより詳しく解説していきます。
原因①シャンプー
肌に合わないシャンプーは、頭皮の乾燥を悪化させる大きな原因の一つです。
洗い上がりがさっぱりしたシャンプーは、洗浄力が高く肌に必要な皮脂まで除去してしまいます。洗髪のたびに水分が奪われれば、肌のバリア機能は徐々に低下し頭皮も乾燥しやすくなります。
洗髪後に地肌がかゆくなったりピリピリしたりする場合、肌のうるおい成分が失われている可能性が考えられるでしょう。
また、洗髪後に髪を濡れたまま放置するのも頭皮の乾燥対策としてはNGです。
原因②アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、アレルギーや遺伝と関係の深い皮膚疾患です。
アトピーの場合ダニやハウスダスト、食品などがアレルギーの原因となり、かゆみや炎症が起こります。
バリア機能が正常に働いていれば、アレルゲンが皮膚に侵入するのを阻止できます。しかし、バリア機能が弱いアトピー体質の方はアレルゲンが侵入しやすく、肌の水分が逃げやすい状態です。
うるおい不足によって肌が炎症を起こすと、液が出るほどジクジクしたり乾燥によって肌がゴワつきやすくなってしまいます。
アトピーは生活習慣やストレス、季節の変わり目などに悪化することがわかっています。乾燥やかゆみを悪化させないためには、肌を清潔にしたり保湿を欠かさずに行うなどして日頃からしっかりと対策することが大切です。
原因③生活習慣の乱れ
栄養バランスの悪い食事や睡眠不足も、頭皮を乾燥させる原因の一つです。
食事で取り入れた栄養は血液によって全身を巡ります。頭皮へ運ばれた栄養は頭皮や毛髪を健やかに保つために使われますが、栄養が不足してはその目的は果たせません。
細胞を修復するために必要な睡眠は、質が低下すると成長ホルモンの分泌によくない影響を与えます。皮脂バランスが乱れることで頭皮環境は悪化し、結果的に乾燥やかゆみ、フケなどのトラブルが起きやすくなります。
このほか、過度の飲酒や喫煙、強いストレスなども乾燥の原因となるため、当てはまるものがある方は注意が必要です。
頭皮の乾燥を改善する3つの方法

頭皮の乾燥が気になる時は、次の3つの方法を試してみてください。
- シャンプーを変える
- 市販薬を使う
- 皮膚科を受診する
ここからはそれぞれの方法をより詳しく解説していきます。
方法①シャンプーを変える
洗髪後に地肌がかゆくなったりピリピリしたりする時は、シャンプーが肌に合っていない可能性が考えられます。
無理に使い続けると乾燥を悪化させる恐れがあるので、低刺激で肌への負担が少ないものに変えることをおすすめします。シャンプーを選ぶ際は、洗浄成分がアミノ酸系かどうかをチェックしてください。
アミノ酸系の洗浄成分一覧 |
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グルタミン酸・メチルアラニン・グリシン・メチルタウリン・サルコシン・アスパラギン酸など |
洗髪後はドライヤーですぐに乾かし、保湿剤でうるおいを与えることも大切です。
方法②市販薬を使う
頭皮の乾燥は市販薬でも改善できます。
乾燥予防のお薬はドラッグストアやネットで手軽に購入できます。ローションやクリーム、直塗りタイプなどがあり、クールなものからしみないものまで使用感もさまざまです。
また、有効成分が配合された医薬部外品(薬用)の育毛剤を普段使いするのもおすすめです。
方法③皮膚科を受診する
セルフケアや市販薬で改善できない頭皮の乾燥は、皮膚科を受診し適切な治療を受けてください。
というのも、保湿で改善しない頭皮の乾燥は何らかの皮膚疾患を発症している可能性があるからです。
頭皮が乾燥する代表的な皮膚疾患には、脂漏性皮膚炎や乾癬などがあります。これらの疾患には、強いかゆみや多量のフケが出るなどの特徴が認められます。
治っても再発を繰り返すような場合は、すみやかに医療機関にかかった方がいいでしょう。
頭皮の乾燥にまつわるよくある質問

最後は頭皮の乾燥について、患者様から多くいただくご質問にお答えしていきます。
頭皮の乾燥対策にローションやオイルは使えますか?
頭皮の乾燥が改善されるのであれば、ローションとオイルはどちらを使っても構いません。
軽くマッサージしながら塗布すると、頭皮の血行が改善されるのでおすすめです。
汗をかきやすい夏は頭皮の乾燥対策をしない方がいいですか?
頭皮の水分バランスを保つためには、季節を問わず乾燥対策を続けるのがベストです。
もし秋冬にお使いのアイテムでベタつきを感じるようなら、さっぱりタイプの保湿剤に変えるなど工夫をしてください。
更年期女性の頭皮の乾燥対策が知りたいです。
ホルモン分泌量が急激に減少する更年期は、頭皮の水分量を保つために保湿を毎日欠かさず行なってください。
また、女性ホルモンとよく似た構造をもつイソフラボンも更年期症状の軽減に有効です。納豆や豆腐、豆乳などの大豆製品も積極的に取り入れるといいでしょう。
頭皮の乾燥は適切なケアで改善できます

頭皮が乾燥すると、かゆみやフケ、かさぶたなどの二次トラブルが起きやすくなります。
放置すると抜け毛や薄毛の原因となることもあるので「たかが乾燥」と侮ってはいけません。
乾燥は季節的な要因のほかヘアケアや生活習慣なども影響するため、日頃から適切なケアでしっかりと対策していきましょう。