

前田 祐助
AGAメディカルケアクリニック 統括院長
【経歴】
- 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
- 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
- 大手AGAクリニック(院長)を経て、薄毛・AGA治療の2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
- 2020年に2院目となるAGAメディカルケアクリニック横浜院を開設
- 2023年に3院目となるAGAメディカルケアクリニック東京八重洲院を開設
【資格】
- 医師免許
- ⽇本医師会認定産業医
- 医学博士
【所属学会】
- 日本内科学会
- 日本美容皮膚科学会
- 日本臨床毛髪学会
【症例数】
- 3万人以上※
- ※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数
男性型脱毛症(AGA)は抜け毛や薄毛の原因として多くの方が悩みを抱える症状です。
AGAと大きく関わる男性ホルモンにはテストステロンが存在します。
このテストステロンが変換されるジヒドロテストステロン(DHT)こそが毛の成長を阻害する主な要因と考えられています。
本記事ではホルモンの働きやAGAのメカニズム、クリニックでの治療方法、日常生活で気をつけたいことなど幅広い情報を解説します。
男性型脱毛症に悩む方が「どうして髪が抜けるのか」を知るきっかけになり、今後の改善や予防を進めるためのきっかけにしていただければ幸いです。
AGAと男性ホルモンの基礎
AGAは男性型脱毛症と呼ばれ、思春期以降の男性に多く発生します。
抜け毛が進行しやすい頭頂部や前頭部に特徴的な症状が出るため悩みを抱える人は少なくありません。
男性の体内ではさまざまなホルモンが分泌されますが、男性ホルモン(アンドロゲン)と呼ばれる物質の中でもテストステロンは中心的な働きを担います。
テストステロンは筋肉や骨の形成、性機能の維持などに重要な役割を持っています。
男性ホルモンの代表:テストステロン
男性らしさを維持するホルモンとして有名です。
筋肉量や体毛、性欲、精神的な活力にも関わる作用があります。
通常は体内できちんと調整されて健康を支えますが、ストレスや加齢などで量が減少するケースもあります。
テストステロンの生成と分泌
精巣(こうがん)を主とし、副腎皮質も一部生成に関わります。
脳下垂体の指令により分泌されて血液を介して体内を巡ります。
年齢や生活習慣によって変動し、健康診断などで計測できることもあります。
AGAと深く結びつく理由
テストステロン自体は必ずしも髪の毛を直接的に抜く原因ではありません。
むしろ体毛や筋肉などの成長を助ける存在ですが、5α-リダクターゼという酵素によってテストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。
そしてDHTが毛包に影響を与えるためにAGAが引き起こされます。
DHTと男性型脱毛症の関連
DHTは男性型脱毛症の原因とされます。
毛の成長を阻害するほか、毛包を萎縮させる作用を持ち、結果として抜け毛や薄毛を促進させます。
DHTが働きやすい前頭部や頭頂部で症状が進行しやすく、遺伝的な要因や生活習慣も複合的に影響を与えます。
AGAと男性ホルモンの相互関係
主な要素 | 特徴 | AGAとの関係性 | リスク |
---|---|---|---|
テストステロン | 男性的な身体・精神面を支える | DHTの材料となる | 減少すると活力や性欲が低下する |
DHT(ジヒドロテストステロン) | テストステロンが5α-リダクターゼで変換 | 毛包を萎縮させ、抜け毛を増やす | 多く分泌されると薄毛が進行しやすい |
5α-リダクターゼ | テストステロンをDHTに変換する酵素 | DHTの生成を促す | 活性が高いタイプだと薄毛が進行 |
AGAに伴う悩みが増える背景
- 頭頂部が薄くなる
- 前頭部や生え際の後退
- 抜け毛が増える
- 髪の毛が細く、短くなる
テストステロンとジヒドロテストステロン(DHT)の違い
テストステロンは「男性ホルモン」の中でも中心的な存在です。
一方でDHTは強力なアンドロゲン作用を持ち、毛の成長周期を狂わせるためにAGAを引き起こしやすい物質です。
それぞれの働きを正しく理解することで薄毛予防や改善方法を見出す助けになります。
テストステロンが担う役割
体の筋肉維持や骨格の成長、体毛の形成、さらには精神的な安定にも寄与します。
健康的な体づくりに必要なホルモンで、男性型脱毛症の直接的原因ではありません。
適切な生活習慣によって維持しやすく、正常な分泌量が保たれることが大切です。
DHTの強力な作用
5α-リダクターゼとの結合によってテストステロンが変換されるとDHTというより強力なホルモンが生成されます。
DHTは男性機能を助ける一方で髪の毛の成長期を短縮し、抜け毛の進行を引き起こしやすい厄介な存在です。
抜け毛との結びつき
DHTが頭皮の毛包受容体と結合すると毛母細胞の活動を弱めて髪が十分に成長できなくなります。
結果として脱毛が進みやすくなるのでDHTの抑制はAGAの治療や予防にとって重要な課題です。
体内でのバランス
体内でテストステロンとDHTは同時に存在し、両者のバランスが崩れるとホルモン関連のトラブルが起きやすいです。
男性機能を維持するテストステロンを必要以上に下げず、DHTだけを抑制する治療アプローチが男性型脱毛症には多くとられます。
テストステロンとDHTの特徴比較
項目 | テストステロン | DHT |
---|---|---|
生成場所 | 主に精巣と副腎皮質 | テストステロンを基に変換 |
強さ | 男性ホルモンとして中程度の作用 | テストステロンより強力なアンドロゲン |
主な作用 | 筋肉・骨格の維持、性機能のサポートなど | 毛母細胞抑制、体毛増加、性機能に関与 |
AGAへの影響 | DHTに変換されなければ大きな影響はない | 毛包萎縮を促し、AGAを進行させる可能性 |
DHTを増やす要因
- 5α-リダクターゼが活性化
- 遺伝的体質(父親や母方の祖父の薄毛傾向)
- 強いストレスや不規則な生活習慣
- 栄養バランスの乱れ
抜け毛が起こる原因とホルモンの働き
AGAに限らず、男性の抜け毛には多くの原因が存在します。
ホルモンバランスは主たる要因のひとつですが、遺伝やストレス、睡眠不足などが複合的に絡む場合が多いです。
自分の体質や生活習慣を知り、医師や専門のクリニックに相談することで適切な対処ができます。
遺伝的要因と男性型脱毛症
頭頂部や前頭部にある受容体がDHTに強く結合しやすい体質を受け継いでいるとAGAを発症しやすいです。
親族に男性型脱毛症の方がいる場合は自分自身も早めに抜け毛が増えるリスクがあります。
ストレスとホルモンバランスの乱れ
ストレスがたまると体内のホルモンバランスが乱れてテストステロンの分泌量にも影響が及びます。
さらにストレスホルモンが増加すると頭皮の血行が悪くなり、毛根への栄養供給が低下して薄毛が進む可能性があります。
食生活や栄養の影響
亜鉛やたんぱく質、ビタミン類が不足すると毛母細胞の活力が落ちやすくなります。外食や偏った食事が続くと、AGAの発生リスクを高める恐れがあります。髪の毛を成長させるための栄養を意識することが大切です。
男性ホルモンと老化現象
加齢によってテストステロンが減少してDHTとのバランスが崩れるケースがあります。
年齢による自然な変化とはいえ、抜け毛が目立ち始めたら専門の医師に相談してホルモン面を含めた健康診断を受けることがおすすめです。
抜け毛を進める要因
原因 | 具体的な影響 | AGAとの関連 | 改善に向けた対策例 |
---|---|---|---|
遺伝 | 毛包受容体がDHTと結合しやすい | 薄毛進行の速度が早まる | 早期の専門クリニック受診 |
ストレス | ホルモンバランスの乱れ | 脱毛を引き起こしやすい | 十分な休息・ストレス発散 |
栄養不足 | 毛母細胞への栄養が不足 | 髪の成長力を低下させる | 栄養バランスに配慮した食事 |
加齢 | テストステロン分泌量の減少 | DHT優位になりやすい | 適度な運動・健康管理 |
抜け毛を防ぐために気をつけたい生活習慣
- 過度の飲酒や喫煙の制限
- 質の高い睡眠を確保
- バランスの良い食事を心がける
- 無理のない範囲での適度な運動
AGAを改善する治療の方法
抜け毛や薄毛の原因がAGAである場合、ホルモン調整を中心とした治療が行われます。
代表的なものとして5α-リダクターゼ阻害薬の服用や育毛剤の使用が挙げられます。
さらに頭皮環境を整えるケアや発毛を促すための外用薬などを併用することで、より高い効果が期待できます。
5α-リダクターゼ阻害薬の特徴
フィナステリドやデュタステリドなどが該当し、テストステロンのDHTへの変換を阻害する作用を持ちます。
DHTを抑制することで抜け毛の進行を遅らせ、毛の成長をサポートします。
医療機関で処方される薬であり、医師の管理下で服用することが安全です。
外用薬と内服薬の併用
ミノキシジル外用薬などを内服薬と組み合わせる方法があります。
毛母細胞の活性化を促して血流を改善しながらDHTを抑えることで薄毛対策を進めます。
単独よりも併用したほうが発毛効果を高められる場合があります。
生活習慣の見直し
抜け毛が気になるとき、日常生活を整えることも大切です。
食習慣や睡眠時間の改善、ストレス管理などを徹底するとホルモンバランスが整いやすくなり、治療効果が高まりやすくなります。
専門の医師からも助言を受けるとよいでしょう。
サプリメントの活用
亜鉛やビタミン類が含まれたサプリメントを補助的に利用する方法もあります。
過剰摂取はリスクがあるため、医師や薬剤師に相談したうえで取り入れるのが望ましいです。
AGA治療薬とその作用
治療薬名 | 主な作用 | 期待できる効果 | リスク・副作用 |
---|---|---|---|
フィナステリド | 5α-リダクターゼ阻害 | DHTの生成抑制 | 性欲減退や勃起機能低下など |
デュタステリド | 5α-リダクターゼ阻害(タイプ1・2両方) | 幅広くDHT生成を抑える | 性機能低下の可能性 |
ミノキシジル | 血管拡張作用により毛母細胞を活性化 | 発毛促進・脱毛予防 | 頭皮のかゆみ、かぶれなど |
AGA治療で押さえておきたい注意点
- 医療機関での受診が最優先
- ホルモンに働きかける薬の副作用に留意
- 継続的な通院と投薬が必要
- 効果が出るまで数カ月かかることが多い
クリニックでの受診と治療の流れ
AGAの治療は専門のクリニックや病院で受けると、より的確なアドバイスが得られます。
血液検査や頭皮の状態チェックなどを経て医師が患者さん一人ひとりに合った治療薬を提案します。
男性ホルモンに直接働きかける薬であるため副作用の説明や経過観察が欠かせません。
初回カウンセリングの内容
AGA治療でははじめに本人の悩みや抜け毛の状態、家族歴などを詳しく聞き取ります。
さらにホルモンバランスを確認するための血液検査や頭皮の観察を行い、医師が総合的に診断します。
治療薬の処方
頭皮の状態や患者の希望に応じて5α-リダクターゼ阻害薬やミノキシジルなどが処方されます。
薬の種類や用量は個人の体質によって微調整されるため、自己判断で量を増減するのは避けることが重要です。
経過観察とフォローアップ
AGA治療は継続性が求められます。1~3カ月ごとに通院し、抜け毛の減少や発毛状況を確かめながら薬の処方を続けます。
血液検査や医師の判断をもとに薬の種類を変えたり、追加のケアを行ったりすることもあります。
費用や予約について
医療機関によって費用体系が異なるため、事前に料金一覧をチェックすると安心です。
完全予約制のクリニックも多いのでオンラインや電話で予約を取ってから来院するようにするとスムーズです。
受診から治療までのおおまかなフロー
ステップ | 具体的内容 | 目的 | ポイント |
---|---|---|---|
1. 問診・頭皮チェック | 抜け毛の状態・家族歴の確認 | AGAかどうかの判断 | 正直に悩みを医師に伝える |
2. 血液検査 | ホルモンバランスなどの測定 | テストステロン量や健康状態確認 | 生活習慣も合わせて申告する |
3. 治療薬処方 | 内服薬、外用薬の選定・説明 | 抜け毛抑制と発毛促進 | 服用方法を厳守する |
4. 経過観察 | 定期的な通院と状態チェック | 治療効果の確認・調整 | 継続治療が大切 |
AGA治療で受診するメリット
- 専門医師による正確な診断
- 個々の体質に合った治療計画
- 副作用リスクの管理がしやすい
- 長期的なフォローで安定した効果
テストステロンと生活習慣の関係
男性の健康においてテストステロンは欠かせない存在です。
薄毛との関係ではDHTへの変換が注目されやすいですが、テストステロン自体が低下しすぎても体力や性機能を損ない、生活の質に悪影響を及ぼす場合があります。
適度な数値を維持するように日々の生活を見直すことが大切です。
運動とテストステロン
筋力トレーニングはテストステロンの分泌を助けるといわれます。
過度な運動は逆効果になる可能性がありますが、適度な負荷で継続的に取り組むとホルモンバランスを整えやすくなります。
食事バランス
無理なダイエットや偏った食習慣はテストステロンを減らす要因になります。
たんぱく質、亜鉛、鉄分、ビタミン類などを意識して摂取して男性型脱毛症の予防にもつなげるのが望ましいです。
睡眠とストレス管理
就寝時間や起床時間が乱れたり、ストレスが過度にかかるとホルモンバランスが崩れやすくなります。
AGAを進行させるだけでなく疲労感や免疫力の低下につながる恐れもあります。
年齢とテストステロンの推移
中高年以降、男性ホルモンが低下する男性更年期が注目されています。
LOH症候群とも呼ばれ、脱毛や倦怠感、性欲減退などが現れるケースがあります。
テストステロン量を把握して早めのケアを行うことが予防に有効です。
テストステロンを維持するための具体的なポイント
- 週数回の無理のない筋トレやウォーキング
- 栄養バランスに気を配った食事
- 十分な睡眠時間の確保
- 仕事や人間関係でのストレスを溜めこまない
テストステロン値と年齢の推移
年齢帯 | テストステロン分泌の傾向 | 影響される要因 | 対処の考え方 |
---|---|---|---|
20代 | ピークに近い | 遺伝、生活習慣、運動習慣 | 基礎体力を維持しつつ生活習慣を整える |
30~40代 | 徐々に減少が始まる | 仕事・家庭のストレス増大 | ストレスケアや定期健康診断を重視 |
50~60代 | 顕著に落ちてくる | 加齢、生活習慣病、肥満など | 早期発見・早期治療で身体機能を維持 |
70代以降 | かなり低い値になる傾向 | 全身的な加齢、病気の有無 | 運動療法や食事療法で症状の軽減を図る |
ジヒドロテストステロン(DHT)を抑えるための工夫
AGAを抑えるには、5α-リダクターゼ阻害薬の服用以外にもさまざまな工夫があります。
根本的にDHTを作りにくくすること、頭皮環境を整えることがポイントになり、日常生活で気をつけられることも多く存在します。
ストレス解消
慢性的なストレス状態は男性ホルモンバランスを崩す要因です。
趣味や適度な運動、リラックス法を取り入れることで血行を改善してDHTが過剰に生成されにくくする取り組みが重要です。
食事での対策
大豆イソフラボンや亜鉛、ビタミンB群などホルモンバランスを整えるのに役立つ栄養素を意識的に摂取するとよいでしょう。
糖質や脂質の摂りすぎは皮脂の過剰分泌につながる場合があり、頭皮環境を悪化させやすいです。
頭皮マッサージ
頭皮を指の腹で優しくマッサージすると血行が促されて毛根に栄養が行きわたりやすくなります。
DHTを直接減らすわけではありませんが、頭皮ケアの一環として積極的に取り入れられています。
育毛剤やスカルプケア
市販の育毛剤やスカルプシャンプーの中にはDHTの産生を抑える働きを補助する成分を含むものがあります。
医師の診察と併行して使用すれば、より高い効果が見込める可能性があります。
DHT抑制につながる生活・食事対策
- 規則的な生活リズムを心がける
- 大豆食品(豆腐、納豆など)をメニューに取り入れる
- 頭皮への過剰な刺激(強いブラッシングなど)は避ける
- 定期的に専門医へ相談しホルモンバランスを確認する
DHTを減らすための有効成分と効果
成分名 | 主な効果 | 利点 | 留意点 |
---|---|---|---|
イソフラボン | エストロゲン様作用でホルモンバランス調整を助ける | ホルモンの過剰変換を抑える | 摂りすぎに注意 |
亜鉛 | 毛母細胞の活性化をサポート | ミネラル不足の補填 | 食事だけで不足しがちな場合あり |
ノコギリヤシ抽出物 | 5α-リダクターゼへの阻害がある可能性 | DHT生成を軽減すると考えられている | サプリメントでの摂取も検討 |
AGA治療薬の効果と副作用
AGAの症状を改善するために用いられる薬はDHTを抑えることを目的としています。
しかしホルモンに働きかける以上、副作用やリスクがゼロとは限りません。
安心して治療を続けるためにも処方薬の効果と副作用の特徴を把握しておくことが大切です。
フィナステリドの作用とリスク
5α-リダクターゼのタイプ2を阻害し、DHTの生成を抑えます。
抜け毛を抑制する効果が期待できますが、性欲低下や勃起機能への影響が報告されることがあります。
過度に不安になる必要はありませんが、気になる症状があれば医師に相談してください。
デュタステリドの特徴
フィナステリドより広範囲の5α-リダクターゼ(タイプ1と2)を阻害する薬です。
頭頂部や前頭部など広範囲で効果を期待できる反面、副作用の可能性がやや高まるといわれています。
メリット・デメリットを理解したうえで使用することが重要です。
ミノキシジルの副作用
直接ホルモンに働きかけるわけではなく、血流改善を通じて毛母細胞の成長を促します。
頭皮のかゆみや赤みなどの症状が出る場合がありますが、適切に使えば発毛促進効果が見込めます。
内服タイプはさらに副作用リスクが上がるため注意が必要です。
服用時の注意点
薬の効果はすぐには現れず、3カ月から6カ月程度は継続して経過を見る必要があります。
自己判断で中断すると抜け毛が再び進行するケースも多いため、医師の指示に従って使用を続けて定期的な診察を受けることが大切です。
主なAGA治療薬と副作用
薬剤名 | 主な副作用 | 作用機序 | 注意点 |
---|---|---|---|
フィナステリド | 性欲低下、勃起不全 | 5α-リダクターゼ(タイプ2)阻害 | 定期検査で早期発見可 |
デュタステリド | 性欲低下、勃起不全、乳房痛 | 5α-リダクターゼ(タイプ1・2)阻害 | 広範囲に作用 |
ミノキシジル外用 | 頭皮のかゆみ、かぶれ、赤み | 血管拡張、毛母細胞活性化 | 頭皮に合った濃度を選択 |
ミノキシジル内服 | 低血圧、多毛症、動悸 | 全身性の血管拡張 | 医師の厳重管理下で服用 |
副作用が起きたときの対処の仕方
- 直ちに服用や使用を中止せず、まずは医師に相談する
- 症状がひどい場合は薬の種類や量を見直す
- 定期的な診察で体調や血液検査を確認する
薄毛対策のカウンセリング
AGA治療を始める前に専門のカウンセリングを受ける方が増えています。
専門クリニックや病院であればカウンセラーや医師が個別の状況に合わせて生活習慣やメンタル面のケアを提案してくれます。
自分で抱え込むのではなく、周囲のサポートを得ることで治療をスムーズに進められます。
カウンセリングの主な流れ
頭皮の状態チェックや日頃のストレス状況、食事内容などを細かくヒアリングし、ホルモンバランスを乱す要因を洗い出します。
必要に応じて検査や医師の診察につなぎ、治療方針を立てます。
メンタル面へのアプローチ
薄毛や抜け毛の悩みは見た目に直結するため精神的な負担が大きくなりがちです。
メンタルが安定しないとホルモンバランスも乱れやすくなるため、専門家のサポートを受けることで治療の効果を高めやすくなります。
カウンセリングを活用するメリット
客観的に頭皮の状態を把握でき、必要な治療方法を見極めやすくなります。
自己流で試していた方法が不適切だったとわかるケースも少なくありません。
専門知識を持つスタッフや医師と情報を共有することで、より効率的な治療計画が立てられます。
クリニック選びのポイント
男性型脱毛症の治療を得意とするクリニックや病院は全国に多く存在します。
治療の実績や医師の経歴、料金体系、通いやすさなどを総合的に検討して自分に合ったクリニックを選ぶことが大切です。
カウンセリングを受ける際に意識したいこと
- これまでの薄毛対策や使ってきた薬について正直に伝える
- 食習慣や睡眠時間、ストレス状況を具体的に話す
- 治療にかかる費用や期間について遠慮なく質問する
- 気になる副作用やリスクを把握しておく
カウンセリングの主なチェック項目
チェック内容 | 目的 | 備考 |
---|---|---|
頭皮の状態 | 脂漏性皮膚炎の有無、髪の太さなど | AGA以外の脱毛症を除外 |
家族の薄毛歴 | 遺伝的要因の確認 | 男性型脱毛症のリスク判定 |
生活習慣 | 食事、睡眠、喫煙、飲酒の状況 | ホルモンバランスとの関連性 |
既往歴・服薬歴 | 過去に行った治療や副作用の有無 | 安全な治療計画立案のため |
AGA治療に役立つその他の情報
AGA治療は薬の処方だけで完結するわけではありません。
発毛を促すためには頭皮への直接的なアプローチや生活習慣の改善、ストレスケアなど多角的な取り組みが求められます。
日常の小さな習慣改変が大きな効果につながる可能性があります。
頭皮へのレーザー照射や注入療法
近年、頭皮に低出力レーザーを照射したり有効成分を直接注入したりする治療法があります。
症状によっては保険適用外となることが多いですが、特定のクリニックでは実績を積んでおり、効果を実感する人もいるようです。
育毛シャンプーや頭皮ケア製品
日常的なシャンプーを変えるだけでも頭皮環境が改善するケースがあります。
皮脂を過剰に洗い流しすぎない洗浄力のマイルドな製品や育毛成分が配合された製品を選ぶと、抜け毛対策の一助になることがあります。
コラムや情報サイトの活用
医師が監修した記事や専門家が執筆するコラムには研究成果や治療事例が紹介されることもあります。
正しい知識を得るために信頼できる情報ソースを選び、自己判断だけでなく必要に応じて医師の診察を受けると安心です。
AGAに関するよくある疑問
「テストステロンが多いと絶対ハゲるの?」「AGAは治療で完全に元に戻せるの?」など、多くの疑問が寄せられます。
医療機関やコラムを活用して情報を集めて誤解を解いていくことが大切です。
AGA治療関連の情報ソースを選ぶときの確認事項
- 医療機関や学会が運営しているメディアかどうか
- 医師など有資格者による監修記事かどうか
- 公開日が古すぎないか(治療薬の情報アップデートがあるため)
- 極端に効果をうたっている内容でないか
自己判断と医療機関での診断の違い
項目 | 自己判断 | 医療機関での診断 |
---|---|---|
診断方法 | ネット情報や周囲の意見を参考にする | 血液検査、頭皮検査、問診など科学的根拠を重視 |
薬の入手 | 個人輸入やドラッグストアなど | 医師の処方に基づき安全性を確保 |
リスク対処 | 副作用が出た場合の対応が難しい | 医師が随時副作用の有無を確認 |
治療期間 | 自己流で途中中断しがち | 定期的に経過観察し継続治療 |
専門クリニックの医師に相談する意義
男性型脱毛症は進行性の脱毛症であり、何もせず放置すると抜け毛が進んでしまうケースが多いです。
早めに専門クリニックで相談すればホルモン面のチェックや生活習慣アドバイス、必要な治療薬の処方などを受けられ、進行を抑えつつ発毛促進を期待できます。
医師の視点で見るAGA
専門の医師は頭皮だけでなく、ホルモン状態や全身の健康面からAGAを捉えます。
テストステロンやDHTの量を調べることで効果的な治療方針を立てやすくなり、副作用のリスク管理もしやすいです。
カウンセリングと治療の連動
医療機関ではカウンセリング担当者と医師が連携し、患者さんの生活スタイルやストレス度合いを把握して治療方針に反映させます。
薬物療法に加えてサプリメントや頭皮ケアなどを提案してくれるため、トータルサポートが受けられます。
長期的なフォローアップ
AGA治療は短期で大きな変化を求めるよりも長期的な視点で効果を見ていくことが基本です。
定期的に通院して状態をチェックして必要に応じて治療薬やケア方法を変えることで、抜け毛が増えにくい頭皮環境を維持しやすくなります。
治療を継続する意識
飲み忘れや塗り忘れが続くと治療効果が下がります。
医師と相談しながら適度な通院ペースを保ち、モチベーションを維持することが治療の成功に大きく関わります。
専門クリニックを利用する利点
- 医師によるホルモンバランスチェック
- 自身に合った治療プランで副作用リスクを低減
- 定期的なフォローアップで効果を確認
- 医療機関ならではの安心感
まとめ
AGAとテストステロンは切り離せない関係にあります。
テストステロンが5α-リダクターゼによってジヒドロテストステロン(DHT)に変換されることで抜け毛が進行する仕組みが分かっています。
一方でテストステロンを極端に減らしてしまうと男性が本来持つ健康や活力まで損なう可能性があります。
髪の毛の悩みを抱える方は専門のクリニックで医師やカウンセラーのアドバイスを受けながら、ホルモンバランスを含めた総合的な治療を検討するとよいでしょう。
すでにAGAの症状が進行していても治療薬や生活習慣の改善によって抜け毛の増加を抑えて発毛を促すことは充分に可能です。
自己流の対策のみではなく、医師監修の治療を受けることで心身ともに安心感を得ながら治療を継続できます。
男性型脱毛症は早期発見と早めのケアが大切です。
悩みが深くなる前にぜひ専門家へ相談し、髪と健康を守る一歩を踏み出してください。
以上
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