
「抜け毛が増えた」
「頭髪の一部分だけが薄くなる」
その薄毛の原因は、もしかするとAGA(男性型脱毛症)かもしれません。
AGAは、成人男性に見られる進行性の脱毛症です。
日本人男性の3人に1人がAGAと言われていますが、適切な治療を受ければ薄毛の進行を抑えるだけでなく、発毛させることもできます。
薄毛の悩みを改善するため、まずはAGAの原因や発症年齢など、AGAについての理解を深めていきましょう。
前田 祐助
AGAメディカルケアクリニック 統括院長
【経歴】
- 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
- 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
- 大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設

AGAとは|薄毛に悩む90%の男性が発症する男性型脱毛症

AGA(エージーエー)とは、Androgenetic Alopeciaの略語であり、男性型脱毛症のことを意味します。
思春期以降の男性に見られる薄毛症状で、生え際や頭頂部のどちらか一方(あるいは両方)が薄くなるのが特徴です。
AGAは遺伝や男性ホルモンが原因と考えられており、年齢を問わず誰でも発症する可能性があります。
AGAの原因

AGAの発症には、
- 男性ホルモンの影響
- 遺伝
この2つが深く関係しています。
ここからは、AGAの原因とメカニズムを詳しく解説していきます。
原因①男性ホルモンの影響

男性の体は、「テストステロン」という男性ホルモンの働きによって、骨や筋肉、血液など全身の健康を維持しています。
テストステロンは、血液を通して全身を巡るのですが、頭皮に存在する「5αリダクターゼ」という酵素と結びつくことで、より強力な男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」へ変換されます。
DHTが男性ホルモンレセプター(受容体)と結合すると、抜け毛や髪の毛の成長をストップさせる脱毛因子(TGF-β)が増加します。
この脱毛因子TGF-βが諸悪の根源となり、AGAによる薄毛を進行させてしまうのです。
原因②遺伝

薄毛の遺伝子は親から子へ受け継がれやすく、両親や祖父母が薄毛だと子が高い確率でAGAを発症することがわかっています。
遺伝によって引き継がれる薄毛情報は以下の2つです。
- 5αリダクターゼの活性度
- 男性ホルモンレセプターの感受性
5αリダクターゼは、AGA発症のきっかけとなる物質です。どんな人の身体にも存在するものですが、AGAを発症するかしないかは5αリダクターゼの活性度によって変わります。
さらに、男性ホルモンレセプターの感受性が強ければ強いほど、悪玉ホルモンDHTをキャッチしやすくなります。
薄毛の遺伝は、母方の祖父が薄毛だった場合に見られることが多いですが、家族の薄毛が必ずしも子に遺伝するわけではありませんが、遺伝の可能性を探るために薄毛治療のクリニックでは家族歴を確認することが多いです。
AGAの診断基準|3つの初期症状

AGAの診断基準となるのが、次の3つの初期症状です。
サイン①抜け毛が増える
AGAのもっとも一般的な初期症状は、抜け毛の増加です。
いつもより、枕に抜け毛がたくさんついていたり、シャンプー中に抜け毛が増えたと感じる時は、AGAを発症している可能性が考えられます。
健康な人の頭髪は、1日あたり50〜100本抜けると言われています。正常なヘアサイクルでは、抜ける毛だけでなく新しく生えてくる毛もありますから、1日100本ほどの抜け毛ならあまり気にする必要はありません。
ちなみに、秋は抜け毛が増える傾向にあり、人によって9〜12月頃まで抜け毛が続く人もいます。
しかし、秋の抜け毛は、夏の紫外線ダメージや夏バテ、毛髪全体の生え変わりなどによるものなので、AGAとは根本的な原因が異なります。
AGAの場合は髪や頭皮のダメージというよりも、ヘアサイクルそのものが乱れて起きるものなので、抜け毛の本数に対して新しい毛が追いつかなくなることが1番の問題です。
また、正常な抜け毛と異常な抜け毛には、
- 正常な抜け毛…太くて長さがあり、毛根が白い
- 異常な抜け毛…細くて短く、毛根が小さいor毛根がない
このような違いがあります。
サイン②生え際や頭頂部の髪が細くなる
生え際や頭頂部などの部分的な薄毛は、AGAかどうかを判断する上で非常に重要な基準となります。
AGAは薄毛の進み方がパターン化されており、その型に当てはまる場合はかなり高い確率でAGAと診断されます。
生え際の後退や頭頂部の薄毛など、特定の部分だけが薄くなると感じる方は、AGA治療の専門クリニックを受診することをおすすめします。
反対に、後頭部の脱毛は、円形脱毛症をはじめとするその他の脱毛症の可能性が考えられます。
サイン③髪のボリュームがなくなる
髪の毛が細くなり、髪全体のボリュームがなくなったと感じる時も、AGAを発症している可能性が考えられます。
AGAには、抜け毛の本数が増えるだけでなく、1本1本の毛が細くなるという初期症状があります。これは、ヘアサイクルの乱れによって、新しく生えた毛が太く成長する前に抜け落ちてしまうことが原因です。
実際に、AGAを発症している患者様の多くが髪のボリュームダウンを自覚されています。
髪にコシがなくなったかも?と感じる方も、AGAの予備軍であるかもしれません。
AGAの怖い特徴|進行性で放置しても治らない

AGAには、一般的な薄毛とは違う3つの特徴があります。
特徴①治療しないと進行し続ける
AGAは、進行性の脱毛症です。
一度発症すると、どこまでも薄毛が進行します。放置し続けた結果、生え際から頭頂部にかけて、ほぼ毛のない状態まで薄毛が進行するケースも少なくありません。
AGAは、年齢が高ければ高いほど、治療効果が出にくくなると言われていますが、発症した年齢よりも、AGAがどこまで進行しているかの方が重要です。
例えば、AGAが中レベルまで進行している50代の患者様と、大レベルまで進行している30代の患者様がいるとします。両者が同時に治療を始めると、実のところ、50代の方が治療効果を実感しやすいのです。
AGA治療を検討しているなら、できるだけ早く治療を開始することをおすすめします。
特徴②早い人は10代で発症する
男性は、年齢を重ねると誰でも薄毛になると思われがちですが、AGAの場合、発症するのに年齢はあまり関係ありません。
むしろ、発症する年齢が若ければ若いほど、進行のスピードも早いです。
「若いから大丈夫」と放置した結果、20代のうちに生え際がどんどん後退してしまった…というケースは少なくないのです。
特徴③タイプ別の進行のパターンがある
AGAは、薄毛の進み具合がパターン化されています。
- 生え際から薄くなるタイプ(M字タイプ)
- 頭頂部から薄くなるタイプ(O字タイプ)
- 生え際と頭頂部の薄毛が混合するタイプ(U字タイプ)
さらに詳しい分類は、薄毛の進行具合の指標である「ノーウッド・ハミルトンの分類」を参考にします。
ノーウッド・ハミルトンの分類によるAGAのレベルチェック
「ノーウッド・ハミルトンの分類」は、AGAの進行パターンを9つの型に分類したものです。
Ⅰ型 | AGAの初期レベル。生え際が少し後退しているが、他人からは気づかれにくい。 |
---|---|
Ⅱ型 | Ⅰ型よりも生え際の薄毛が進行している状態。 |
Ⅱ vertex型 | Ⅱ型の薄毛に加え、頭頂部がO型に薄くなっている状態。 |
Ⅲ型 | 生え際の薄毛がくっきりとM字になっている状態。髪全体のボリュームも少なくなってくる。 |
Ⅲ vertex型 | Ⅲ型の薄毛に加え、頭頂部がO型に薄くなっている状態。 |
Ⅳ型 | 生え際が後退し、頭頂部がO型に薄くなっている状態。 |
Ⅴ型 | 生え際が後退がより顕著な状態。あと少しで頭頂部とつながりそうな段階。 |
Ⅵ型 | 生え際が後退し、頭頂部とつながっている状態。 |
Ⅶ型 | Ⅵ型がさらに進行し、側頭部の薄毛も目立つ状態。 |
AGAの進行パターンは、上記のイラストを比較して見るとわかりやすく、どのレベルまで進行しているかを知る目安となります。
進行度がわかれば、どのような治療でどの程度の期間治療をすれば成果が出てくるかが大まかに予測できます。
生活習慣の乱れやストレスが頭皮環境を悪化させる

AGAとストレスが直接的に関係しているかどうかは、今のところはっきりとしたエビデンスはありません。
ただ、過度なストレスや生活習慣の乱れが血行不良を引き起こし、頭皮環境を悪化させる可能性は否定できません。
過度なストレスによってホルモンバランスが不安定になると、頭皮の皮脂量が増加します。
皮脂量の増加は、頭皮の状態を悪化させることにつながりますので、頭皮の健康を守るという意味では、ストレスの少ない規則正しい生活を送ることが大切です。
AGAの年代別発症率

若くてもAGAを発症する可能性があることをお伝えしましたが、実際にAGAにお悩みの方が、どの年代で発症したかをチェックしてみましょう。
年代 | 発症率 |
---|---|
20〜29歳 | 6% |
30〜39歳 | 12% |
40〜49歳 | 32% |
50〜59歳 | 44% |
60〜69歳 | 51% |
70〜79歳 | 61% |
参考
Takashima T et al.In: Orfanos CE et al, eds. Hair Research
Springer Berlin, Heidelberg New York: 1981: 287-293
AGAは放置するとどんどん進行が進む
上記のデータからわかる通り、AGAは年齢とともに発症率が高くなります。
とはいえ、20代でもAGAになる可能性があることを考えれば、若いからといって安心できるものではありません。事実、AGAはここ数年で低年齢化しているとも言われています。
AGAは、放置すると薄毛がどんどん進行します。
AGAの進行スピードには個人差があり、10年以上かけて徐々に進行する方もいれば、3年ほどで急速に進行する方もいます。
ただ、一度発症してしまうと、適切な治療なくして薄毛が改善されることはまずないと言えるでしょう。
AGA対策には早めのケアが必要
例えば、AGA初期であればヘアサイクルを改善する治療薬の服用だけですみますが、進行すると発毛を促進する治療薬も服用する必要があります。
治療費用も治療期間も、初期の段階で対処する方が圧倒的に治療を安く短期間に抑えることができます。
ちなみに、AGAそのものを改善するには、専門のクリニックでの診断と治療が必要不可欠です。
クリニックでは、マイクロスコープを用いた検査や医師による診察が行なわれます。さらに血液検査を行うことでAGA治療薬の副作用等もチェックしていく必要があります。
AGAの進行ペースや治療内容は、患者様によって1人1人異なります。
悩んでいる間にもAGAは確実に進んでいくので、薄毛が気になり始めたら、まずは専門クリニックを受診してください。
AGAは治療できる|病院での治療方法は主に4つ

AGAは、早いタイミングで治療を始めると効果を実感しやすいです。
主な治療方法としては、
- 内服薬
- 外用薬
- 注入薬
- 植毛
この4つの方法があります。
具体的な治療内容は、以下で詳しく説明していきます。
治療方法①内服薬
AGAの治療方法の中で、もっともポピュラーなのが内服薬による治療です。
AGA治療に使われる内服薬は、大きく分けると
- 薄毛の進行を予防するもの
- 発毛を促進するもの
この2つの種類に分類されます。
よく知られるAGA治療薬の種類は以下の通りです。
効果 | 薬の種類 |
---|---|
薄毛の進行を予防 | ・プロペシア(成分名:フィナステリド) ・ザガーロ(成分名:デュタステリド) |
発毛作用 | ・ミノキシジル ・アロビックスなど |
これらの薬はどれもAGA治療に優れた効果を発揮します。
とくにフィナステリド・デュタステリド・ミノキシジル外用薬による治療は、日本皮膚科学会のガイドラインでもっとも高い推奨度Aと評価されています。
治療方法②外用薬
外用薬は、薄毛が気になる部分に直接塗布できるのが大きな特徴で、ミノキシジルという成分がよく知られています。
発毛効果のあるミノキシジル外用薬は、日本皮膚科学会のAGA診療ガイドラインにおいて、最高Aランクに推奨されています。
治療方法③注入薬(メソセラピー・HARG療法)
HARG療法とメソセラピーには、以下のようなメリット・デメリットがあります。
メソセラピー | HARG療法 | |
---|---|---|
注入する薬液 | ミノキシジル・成長因子・銅ペプチド等の発毛因子をブレンドした薬液 | HARGカクテル※ |
注入方法 | ・注射 ・針付きのローラー(ダーマローラー法) ・炭酸ガス ・レーザー照射 | 注射 |
メリット | ・注入方法によって痛みの少ない治療が受けられる | ・女性も受けられる |
デメリット | ・注射による注入は痛みを伴う | ・治療費が高い ・痛みや赤みを伴う |
HARG療法は、頭皮や毛根を再生させる効果のある薬液を直接頭皮に注入する治療法です。
薬剤の作用によって毛母細胞が活性化され、ヘアサイクルが平常に戻ることで、太くてコシのある健康的な毛髪へ生まれ変わります。
HARG療法の費用相場は、1回あたり10〜15万円と非常に高額です。効果を持続させるには3〜4週間に一度のペースで治療を継続しなければならず、費用面がネックとなり長く続けられないという患者様も多いようです。
一方のメソセラピーは、1回あたりの治療費が4〜6万円とHARG療法ほど高額ではありません。薬液の成分や注入方法はクリニックによって異なり、HARG療法に比べて痛みが少ない点はメソセラピーの大きなメリットと言えるでしょう。
気になる発毛効果は、AGAの進行具合や体質によってメソセラピーでも十分な効果を実感できるケースが多いです。
HARG療法より安いからといって効果が劣るわけではないのでご安心ください。
治療方法④植毛
薄毛が進行してしまった部分に、自毛や人工毛を植え付ける治療法です。
日本では、比較的副作用の少ない自毛植毛が主流で、後頭部など、AGAの影響を受けにくい部分の毛を移植するのが一般的です。
ちなみに、日本皮膚科学会のガイドラインでは、人工毛植毛は副作用のリスクが高く、推奨度は最低ランクのDとされています。
自毛植毛の場合、一度移植が完了すると、抜け落ちても再び毛が生えてくるのが最大のメリットです。定期的な通院は必要なく、メンテナンスもほとんど必要ありません。
ただし、移植するのに十分な毛量が必要なことや、治療費が300万円を超えるケースが多い点をデメリットととらえる方もいます。
海外の安いクリニックで治療を受けて、理想のイメージとかけ離れた仕上がりになってしまった…という方は少なくないようです。
また、ヘアサイクルが乱れたままでは、植毛を受けても再びAGAが進行することがあります。そのため、植毛を受けても内服薬での治療は必要となります。
AGA治療の費用相場|月額15,000〜30,000円

AGAは、どの治療法を選ぶかによって治療にかかる費用が大きく異なりますが、相場は月額15,000〜30,000円ほどと言われています。
AGA治療自体が自由診療のため、保険は適用にならず、治療費は全額自己負担となります。
また、クリニックによって診察料や検査料が異なるため、同じ薬でも治療費が異なるというケースも考えられるでしょう。
AGAは、定期的な通院と長期にわたる治療が必要です。
支払い面で無理なく続けられ、かつ親身になって診察してくれるクリニックを見つけることが大切です。
AGA治療で副作用があるって本当?
AGA治療薬の中には、性欲減退や勃起不全など、男性にとって気になる副作用が報告されているものがあります。
副作用が起きる可能性がある薬を服用することは、誰でも不安を感じるものです。しかし、副作用が絶対に起きないと保証された薬はありません。
そもそも、AGA治療薬で重い副作用が起こる確率は0.1〜0.2%未満と非常に低く、仮に何らかの副作用が出たとしても、それ以外の薬で治療を継続するという選択肢があります。
AGA治療薬の口コミの中に「副作用があった」という意見もあるのですが、これは「副作用が起きるかもしれない」という不安から起こるプラセボ効果の可能性も考えられます。
また、専門クリニックでは体質や持病に合わせた薬の処方ができるので、副作用のリスクを最小限に抑え、より効果的な治療を進めることが可能です。
副作用については、治療方針が決まり次第医師から詳しい説明がありますので、不安なことは都度確認するといいでしょう。
AGA治療はいつから始めるべきか?AGA治療の効果と期間

AGAは、治療を始める時期が早ければ早いほど、効果を感じられるのも早いです。
ここからは、具体的な治療の開始時期や、効果が出るまでにかかる時間を解説していきます。
治療効果を実感し始める期間は3ヶ月から
AGA治療は、治療をスタートしてから3〜6ヶ月ほどで効果を実感できます。
フィナステリドやデュタステリドの添付文書には「効果が確認できるまで通常6ヵ月の連日投与が必要」と記載があります。
引用:フィナステリド添付文書
効果の出方には個人差があり、少数ではありますが、効果を実感できるまでに1年近くかかったという患者様もいらっしゃいます。
一方で、多くの方は治療開始の3ヶ月頃から効果を実感できるようです。
時間がかかると感じられる方は多いのですが、焦らずじっくり治療をすることが、薄毛改善の一番の近道でしょう。
AGA治療で効果が出ないのはどんな時?
AGA治療は、効果を実感できるまでにある程度の時間がかかるため、本当に効果があるのか不安な気持ちを抱えている方は多いでしょう。
AGA治療で効果が出ないケースには、以下の要因が考えられます。
- 薬の飲み忘れが多い
- 薬が合っていない
- 個人輸入の薬を服用している
- 不規則な生活or不摂生な生活をしている
- AGA以外の病気
AGA治療薬の多くは、1日1回服用するものが多いのですが、飲み忘れが多いとどうしても効果は薄れてしまいます。
また、薬が合わない場合や、徐々に効果が薄れていくケースも考えられます。
上記の場合、飲み忘れないように注意することや、医師への相談で改善が見られることも多いですが、やっかいなのが個人輸入の薬を服用している場合です。
個人輸入の薬は、クリニックの処方薬よりも安く入手できることが多いのですが、中には偽物が混ざっていたり、副作用が強く出る恐れのあるものがあります。ED薬で有名なバイアグラでは個人輸入で流通している40%以上が偽物であったとも報告されています。
これでは、薄毛を改善するどころか身体の不調を招くこととなり、非常に危険です。個人輸入の薬には、大きなリスクがあることを覚えていてください。
もう1つ、不規則な生活をしている方も注意が必要です。
AGA治療を続けるのはとても大切なことですが、一方で偏った食生活や睡眠不足、過度のストレスがあると、思うような効果を実感できない可能性があります。
不規則な生活とAGAは、直接的な因果関係はないものの、頭皮環境に悪い影響を与える可能性は否定できません。
現在AGA治療中で、思うような効果を実感できないとお考えの方は、上記に当てはまるものがないかをチェックしてみることをおすすめします。
参照元:医薬品等を海外から購入しようとされる方へ – リスクが潜む個人輸入
AGA治療は一生やめられない?
AGAは、薬の服用を中断すると再び薄毛になる可能性が極めて高いです。
ただし、一度AGA治療の効果が出れば、薬の種類を変えたり、服用量を減らすことで効果を維持することは可能です。
植毛については、一度の治療で10〜20年は効果が持続すると言われています。治療が一度で済むなら、高額な治療費を払ってでも植毛したいという方もいるでしょう。
植毛は、ヘアサイクルが乱れたままだと手術後もAGAが進行します。この場合、フィナステリドやデュタステリドなどでAGA治療を続けなければなりません。
一生やめられないというわけではありませんが、効果を持続させるには、できるだけ長く治療を継続することが大切です。
AGA治療は、きちんとした発毛効果が実感できれば、患者様の負担が少ない治療内容に変更することができます。
将来的な治療方針については、患者様が納得できるよう全力でサポートいたしますので、不安なことはいつでもご相談ください。
AGAにまつわるよくある質問

AGAについて、患者様から多く寄せられる質問をまとめてみました。
AGAと薄毛の違いは何?
いくつかの薄毛の種類の一つにAGAがあります。
AGAは、遺伝やホルモンバランスが原因で発症する進行性の脱毛症です。
放置すると進行しますが、適切な治療によって進行を食い止めたり、毛量の増加が期待できます。
これに対して薄毛は、「毛髪が薄くなってしまった状態」のことを意味します。
AGAを発症した頭皮を薄毛と表現することもありますし、AGA以外の病気が原因で毛量が減ってしまった頭皮も薄毛と表現できます。
「薄毛」という言葉自体には広い意味があり、その原因の一つにAGAがあると理解するといいでしょう。
食事内容でAGAが悪化することはある?
食事内容がAGAの進行に直接的な影響を及ぼすかどうか、今のところはっきりとしたエビデンスはありません。
ただ、偏った食生活が頭皮環境を悪化させるのは間違いなく、皮脂量の増加や血行不良によって頭皮トラブルが起こることがあります。
AGAは、内服薬や外用薬による治療がもっとも効果的ですが、頭皮の健康を維持するためには、日頃の食生活にも注意したいところです。
自宅でできる薄毛改善法は効果があるか?
自宅でできる薄毛ケアとしては、
- 禁煙
- 過度の飲酒を控える
- 生活習慣の見直し
- ストレス解消
- 頭皮マッサージ
などがあります。
これらが、AGAの直接的な治療につながるわけではありませんが、トラブルの起きにくい頭皮環境を作るという意味では、ぜひ意識してほしいものばかりです。
また、市販のシャンプーや育毛剤など、薄毛予防のためのアイテムはどうか?というご質問もいただきますが、これに関しては、肌に合うものならお使いいただいて構いません。
ただ、市販の商品はあくまで「育毛」のためのもので、クリニックの処方薬のような発毛効果を期待するのは難しいでしょう。
AGA治療は何歳から受けられるか?
当院では、18歳以上の方であればAGAの診察を受けていただくことが可能です。
年齢制限を定めている理由としては、AGA治療薬には、男性ホルモンを抑制したり、血管を拡張する働きががあるためです。
薬の種類によって、18歳から処方できるものもありますが、プロペシアなどの治療薬は20歳未満の方は慎重に投与しなければなりません。
以上の理由から、当院ではAGA治療の診察は18歳以上であることを条件としています。
20歳未満の方は、保護者様の同伴もお願いしております。
年齢が高いとAGA治療の効果は出にくいか?
AGA治療の効果は、代謝が活発な若い方の方が効果が出やすいと言われています。
ただ、年齢が高いからといって効果が出にくいとは言い切れません。
AGA治療の効果は、年齢はもちろんですが、発症してから治療を開始するまでの時間が短い方が実感しやすいです。
初期の場合、抜け毛を予防する薬だけで間に合うケースも多いのですが、薄毛が広範囲にわたると予防と発毛の薬を併用しなければいけないこともあります。
また、薄毛の範囲が広ければ、発毛までに時間もかかります。
以上のことから、薄毛が気になり始めたら、できるだけ早く治療を開始されることをおすすめします。
女性でもAGAになるの?
AGAは、女性でも発症することがあります。
女性のAGAは、正確にはFAGA(女性男性型脱毛症)、もしくは女性型脱毛症(Female Pattern Hair Loss)といい、男性と同じく毛髪の薄毛が進行していく状態を意味します。
女性と男性のAGAは、その原因や進行パターンが以下のように異なります。
女性のAGA | 男性のAGA | |
---|---|---|
主な原因 | ・ホルモンバランス ・遺伝・加齢によるヘアサイクルの乱れ ・過度なダイエット ・カラーリングやパーマ ・ストレスなど | ・ホルモンバランス ・遺伝 |
薄毛の進行パターン | 3つの型に分類される。1本1本が細くなったり、頭頂部の抜け毛が顕著である。 | 9つの型に分類される。生え際が後退したり、頭頂部の薄毛が広範囲に広がる。人によって生え際や頭頂部がツルツルになることもある。 |
男性の場合、男性ホルモンレセプターの感度や、脱毛因子の産生につながる5αリダクターゼの活性度が、AGA発症の大きな鍵となります。
一方女性は、出産や更年期によるホルモンバランスの変化でFAGAを発症するケースが多いようです。
他にも、ヘアサイクルの乱れや誤ったヘアケア、ストレスなど、さまざまな要因がFAGAを引き起こす原因となります。
FAGAは、AGAと同様に内服薬や外用薬を用いた治療を行ないますが、男性のAGAとは異なる薬を処方されることが多いです。
具体的には、薄毛の進行を予防する効果のあるプロペシアは、女性が服用することが禁止されています。これは、厚生労働省のホームページにも警告文があり、服用する以外にも、皮膚に触れることのないよう注意喚起もされています。
AGAは完治するの?
AGAは、治療なくして薄毛の進行を止めることは難しいです。
「薬をやめても薄毛にならない」状態を完治と捉えるならば、完治を目指すことは難しいでしょう。
一方で、治療によって薄毛に悩む前の毛量を取り戻すことは十分に可能です。投薬治療を続ける必要はありますが、減薬によって患者様の負担を軽減することはできます。
どの状態をゴールとするかは患者様によって異なりますので、当院では一人ひとりのご希望に合わせて最善の治療法をご提案させていただきます。
AGAは怖くない!薄毛治療で悩みのないヘアスタイルを手に入れましょう

AGAは、一度発症すると、適切な治療なくして改善することはありません。
若くして発症する方は多いですし、短期間でみるみる薄毛が進行する方もいます。
「AGAかも?」と思った方は、1人で悩まずにまずは専門のクリニックへ相談してください。
AGAを正しく理解した上で、理想のヘアスタイルを実現できるよう治療を進めていきましょう。