発毛剤ミノキシジル配合で薄毛を防ぐ 効果や使用の基本 | AGA・抜け毛・薄毛治療のAGAメディカルケアクリニック【公式】

発毛剤ミノキシジル配合で薄毛を防ぐ 効果や使用の基本

更新日
発毛剤ミノキシジル配合で薄毛を防ぐ 効果や使用の基本
前田 祐助
監修医師

前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

【経歴】

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、薄毛・AGA治療の2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
  4. 2020年に2院目となるAGAメディカルケアクリニック横浜院を開設
  5. 2023年に3院目となるAGAメディカルケアクリニック東京八重洲院を開設

【資格】

  1. 医師免許
  2. ⽇本医師会認定産業医
  3. 医学博士

【所属学会】

  1. 日本内科学会
  2. 日本美容皮膚科学会
  3. 日本臨床毛髪学会

【症例数】

  1. 3万人以上※
  2. ※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数

統括院長プロフィール詳細

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薄毛や壮年性脱毛症など髪の悩みに対して、多くの人が注目するのが「発毛剤ミノキシジル配合」の製品で、国内では第1類医薬品として認められ、頭皮に直接塗布することで毛髪の成長を促進するといわれています。

男性型脱毛症(AGA)や抜け毛を含む幅広い脱毛症状の改善に期待があり、医師や薬剤師への相談を通じて使用を始める人も少なくありません。

この成分が髪にどのように作用するのか、効果的な使い方や注意点まで詳しく解説します。

ミノキシジルはどのように毛髪へ作用するのか

はじめに、ミノキシジルとはどのような成分なのかと疑問に思う方は多いかもしれません。

頭皮に直接使用する外用薬や、男性の場合は内服薬というかたちで処方されることもあり、日本国内では壮年性脱毛症(男性型脱毛症)への発毛剤として認められています。

ミノキシジルとは何か

ミノキシジルはもともと血管を拡張する医薬品として開発された成分で、高血圧の治療薬として使用されていた際に、体毛が増える副作用が確認されたため、脱毛や薄毛対策として再注目されました。

国内では男性用で5%濃度、女性用で1%濃度の外用剤を中心に第1類医薬品として販売されています。

血管拡張作用によって頭皮の血流を良くし、毛包や毛母細胞へ栄養が届きやすくなり、毛髪の成長サイクルを整え、抜け毛の進行を抑えながら新しい髪の毛を育むという仕組みで発毛効果を発揮すると認められています。

国外では内服薬も流通していますが、副作用や安全性の観点から国内の一般市販は外用薬のみです。

ミノキシジルが認められた経緯

項目内容
開発当初高血圧向けの薬として誕生
副作用の発見服用患者の体毛が増えたことが再開発のきっかけ
承認された目的AGAなど壮年性脱毛症に対する発毛剤としての利用
国内での取り扱い第1類医薬品(薬剤師の対面確認が必要)
主な濃度男性5%、女性1%

日本国内では薬剤師による対面販売が義務付けられており、購入時に使用方法や副作用などの説明を受けることが必要です。

使用を開始する前に購入した製品の外箱や説明書をしっかり確認するのはもちろん、疑問点は医師や薬剤師に相談してください。

毛包と毛髪の成長に対する働きかけ

髪の毛は、毛包という組織で生産されます。頭皮の奥には毛母細胞があり、ここで細胞分裂が起こることで髪の毛は伸び続けます。

ミノキシジルは、毛包の周辺血管を拡張して血流を促進し、毛母細胞や毛乳頭細胞へ酸素や栄養を届けやすくすると考えられています。

ヘアサイクル(成長期→退行期→休止期)で言うと、成長期を延長させ、休止期からの移行を助けることが期待されています。

髪の成長期が長くなることで抜け毛の進行を食い止め、抜け毛の量を減らしながら新しい毛髪を多く生やすよう働きかけるというわけです。

壮年性脱毛症の原因としてはホルモン要因(ジヒドロテストステロンなど)も大きく影響しますが、ミノキシジルはホルモンを直接抑制するわけではなく、あくまで血行や毛包細胞の活性化を促す成分です。

髪の毛が増えるメカニズム

時期変化とミノキシジルの働き
成長期血管拡張による栄養供給量増大 → 毛が太く長くなる
退行期退行期への移行を遅らせる傾向がある
休止期休止期からの移行を促進 → 新しい毛髪の発生が増加

男性型脱毛症の主たる原因であるホルモン対策(フィナステリドやデュタステリドなど)と併用することで、薄毛改善効果をより高めるという報告も多く存在し、国内外の研究でもAGA治療において両者の併用が推奨されるケースが増えています。

単独使用でも効果は期待できますが、症状の進行度合いや原因によって治療効果には個人差があります。

薄毛・脱毛症の進行との関係

AGA(男性型脱毛症)をはじめとする脱毛症には「進行」という概念があり、放置すると年齢とともに後退した生え際や頭頂部がさらに広がっていく可能性があります。

ミノキシジルは、その進行を抑制しつつ発毛を促す剤として承認されているため、早めのケアに役立ち女性の、場合もFAGA(女性型脱毛症)と呼ばれる類似の現象が起こり、育毛剤や発毛剤の使用が勧められることがあります。

ただし、薄毛や抜け毛は遺伝や生活習慣など多くの要因が絡むため、単純にミノキシジルだけで全員が同じ結果を得られるわけではありません。

気を付けたい進行要因

  • AGAや壮年性脱毛症はホルモンバランスと深く関連する
  • 食生活や睡眠不足などの生活習慣により頭皮環境が悪化する
  • ストレスや喫煙習慣などが抜け毛を助長する可能性
  • 合わないシャンプーや過度なヘアケアで頭皮に刺激を与える

一度にまとめて解決するのは難しいですが、まずは血行促進を促すミノキシジルの使用と並行して、健康的な生活環境を意識することが大切です。

どのような人に向いているか

男性なら頭頂部や生え際が後退し始めた方、女性なら髪が全体的に細くなってきた方など、壮年性脱毛症の初期段階から中程度の薄毛の方によく選ばれる製品です。

毛髪が細くなり始めた段階で使用を開始すると、脱毛の進行を抑制するだけでなく毛髪を太く育てて薄毛の改善に役立つと期待されます。

該当しやすい症状

症状見られやすい特徴
AGA(男性型脱毛症)M字ハゲ、頭頂部ハゲ、髪のコシが弱い、抜け毛の増加
FAGA(女性型脱毛症)分け目が広がる、髪の毛が細くなる、ボリューム減少
壮年性脱毛症の予防遺伝的要因や加齢に伴う薄毛の進行抑制

誰もが利用できるわけではなく、20歳未満や高血圧・低血圧など血圧異常を抱える方、頭皮に炎症や発疹などがある方は事前に医師へ相談が推奨されています。心臓疾患や甲状腺機能障害をお持ちの方も念のため注意が必要です。

発毛剤ミノキシジルの効果をより引き出す方法

発毛剤を手に入れてすぐに塗布すれば髪の毛が増えるのかといえば、そう単純ではありません。効果を引き出すには使用方法や用法を守りつつ、頭皮環境を合わせて整えることが重要です。

1回の使用量と塗布回数

市販のミノキシジル外用薬(多くは5%濃度の男性用、1%濃度の女性用)では、1日あたり2回、1回につき約1mLを頭皮に塗布するのが一般的です。

朝と夜に分けて使用し、頭皮に十分行き渡るようにマッサージし、1回の使用量を増やしても効果が急激に高くなるわけではなく、かえって頭皮への刺激が強くなったり副作用が発生しやすくなったりする可能性があります。

正しい塗布の手順

  • 頭皮と髪の毛を清潔かつ乾いた状態にする
  • 付属のノズルやスポイトで1回あたり1mLを計量する
  • 気になる脱毛部位や薄毛部分を中心に、頭皮に直接垂らす
  • 指の腹で優しく広げながら、頭皮を軽く押すようにする
  • 塗り終わった後は手に付いた薬液をよく洗い流す

頭皮が濡れていると薬液が広範囲に流れてしまうため、できるだけ乾いた状態で行うと効率的です。

女性の場合と男性の場合の違い

男性型脱毛症(AGA)は男性ホルモンの働きが深く関連するため、フィナステリドなどホルモンを抑制する薬を併用するケースが多いです。

一方、女性はホルモンバランスが異なり、フィナステリドの内服は推奨されません。

ミノキシジル外用薬は女性でも使用できる市販製品が存在し、壮年性脱毛症やびまん性脱毛症への対応として使われますが、濃度は1%が基本であり、女性にとって5%は刺激が強すぎる場合があり避けたほうが望ましいです。

男性用と女性用の違い

項目男性用5%製品女性用1%製品
主な対象AGA、壮年性脱毛症などFAGA(女性型脱毛症)、壮年性脱毛症など
濃度5%が国内での一般的上限濃度1%が基本
販売形態ドラッグストアや通販サイトで購入可能同上
副作用リスクかゆみや赤みなどが出やすいことがある男性用に比べ低いが無いわけではない
妊娠中の使用控える必要がある控える必要がある

使用を始めた後、頭皮のかゆみや発疹がひどいなどの症状が出た場合は、無理に継続しないで医師または薬剤師へ相談してください。

女性の場合、妊娠や授乳中は使わないように注意書きがあるので製品の説明書や医師の助言をよく確認することが大切です。

発毛に時間がかかる理由

ミノキシジルを使用し始めてすぐに髪の毛が増える感覚を得るのは難しいです。毛髪が伸びて成長するサイクル自体が長く、頭皮に成分が行き渡ってから変化が見られるまでには少なくとも数ヵ月はかかります。

薄毛が気になり始めてから早期に行動を起こすほど、進行が軽度なうちに改善を図れる可能性が高まります。

発毛実感までの目安期間

期間変化の目安
1~2ヵ月初期脱毛のように抜け毛が増える場合がある
3~4ヵ月抜け毛が減少しはじめて髪が増えた感触が出る
6ヵ月髪にコシが出て太くなり、見た目に変化が表れやすい
12ヵ月以上十分に効果を確認しながら継続する

初期脱毛と呼ばれる症状は、ヘアサイクルが休止期から成長期に移行する過程で古い髪が抜け落ちる現象であり、発毛剤の効果が出始めているサインでもあります。

初期脱毛をネガティブに捉えて途中で使用を断念すると、薄毛の進行が止まらない状態に戻る危険が高まります。少なくとも6ヵ月以上は継続し、頭髪の変化を観察してください。

使い続けるうえでの注意点

ミノキシジル配合発毛剤は長期的な使用を前提とした製品で、途中でやめると再び抜け毛が増えて薄毛が進行する可能性があるので、髪の状態が改善しても油断しないことが大切です。

ドラッグストアで購入できる市販品の場合は継続費用も考慮し、定期的に購入できるかを検討したうえで始めるとよいでしょう。

継続使用時に注意したい点

  • 1日2回の塗布をできるだけ続ける
  • 使用量を増やしても効果が倍増するわけではない
  • 他の育毛剤や医薬品との併用を考えるときは医師に相談
  • 妊娠を検討している女性や妊娠中、授乳中の場合は中断を含め医師と話し合う
  • 長期間使用して異常があればすぐに専門家へ連絡

使用を継続すると人によってはかゆみや頭皮のかぶれが少しずつ増えることもあります。少なくとも副作用が続く場合は医師へ相談し、濃度を調整するか使用頻度を下げるなど適切な対処を検討してください。

ミノキシジル製品の種類と購入にまつわる情報

発毛剤ミノキシジル配合製品には、市販薬と医療機関での外用薬・処方薬などさまざまな選択肢があります。購入方法や価格、サポート体制にも違いがあり、どれを選ぶかによって治療の継続性や費用の負担具合が変わってきます。

国内で承認された主な製品

国内で一般的に広く認知されているのは、リアップシリーズ(大正製薬)やリグロEX5(ロート製薬)などの5%製品です。

女性向けには1%のリアップリジェンヌも存在します。いずれもドラッグストアや通販サイトで購入できますが、第1類医薬品であるため薬剤師との対面やオンライン確認を経てからの販売となります。

主な市販発毛剤の一覧

商品名濃度対象特徴
リアップX55%男性向け国内最初に承認された発毛剤。頭皮への塗布が簡単
リグロEX55%男性向けロート製薬が展開。通販サイトなどでも取り扱い
リアップリジェンヌ1%女性向け女性の壮年性脱毛症に対応。香りが穏やかな製品もある
ミノキシジル5%FCI5%男性向け富士化学工業が製造。セット販売もあり
スカルプDメディカルミノキ55%男性向け育毛剤で知られるブランドが展開する発毛剤

ドラッグストアや公式通販サイトでの販売価格はおおむね1ヵ月分あたり6,000円から8,000円程度が目安です。まとめ買いで割引がある商品もあるため、継続的に利用するのであれば購入プランを検討してください。

購入時に薬剤師との対話が必要な理由

発毛剤ミノキシジル配合の製品は、第1類医薬品として扱われていて、この分類では、消費者が安全かつ効果的に利用するために薬剤師の確認が必要です。

購入時にはかゆみやアレルギーの有無、過去の持病や現在の治療薬などを聞かれる場合があります。使用中に何らかの異常があったときも、薬剤師に相談してください。

薬剤師が確認する項目の例

  • 高血圧や心臓病、甲状腺機能障害の有無
  • 妊娠中・授乳中でないか
  • 頭皮に発疹や炎症がないか
  • 他の医薬品や外用剤を同時に使用していないか
  • 20歳未満かどうか

医療機関での外用薬・内服薬との違い

医療機関やAGA専門クリニックでは、市販品より高濃度のミノキシジルを配合した外用薬が処方されることがあります。

さらに、内服薬(ミノキシジルタブレット)を処方しているクリニックもありますが、国内では外用薬ほど一般的ではありません。内服薬は血圧や心臓への影響が大きくなる可能性があるため、専門の医師による管理が求められます。

外用薬と内服薬の比較

形態特徴副作用の可能性
外用薬頭皮への直接塗布、局所作用が中心かゆみ、発疹など皮膚症状が多い
内服薬全身へ成分が巡るため強力な発毛促進が期待動悸、むくみなど全身症状が増える

内服薬は処方の自由度が高く、濃度や1日の用量を個別に調整できますが、一般的に副作用リスクは外用薬より高いとされているので注意が必要です。内服を希望する場合、医師と十分に話し合ってから検討することをおすすめします。

価格面での比較と注意

市販品の場合は薬局や通販サイトなどで購入が可能ですが、医療機関で高濃度の外用薬を処方してもらうと価格はさらに高くなる傾向があります。

治療目的で通院し、検査や診療を受けながらミノキシジルを併用するとトータルの費用がかさむことも想定しておきましょう。保険が利かない場合が多い領域なので、経済的な負担を考えるときは無理せず持続可能な方法を選ぶことが大切です。

市販品・処方薬の費用感

種類1ヵ月分の目安費用特徴
市販品5%外用薬6,000~8,000円程度ドラッグストアで購入。自宅ケアに向く
クリニックの高濃度外用薬10,000円以上の場合も医師による管理下で使用。効果を実感しやすい可能性
内服薬10,000円以上強い発毛促進効果が報告されるが副作用に注意

いずれの方法にせよ、薄毛や脱毛の進行を予防しつつ改善へ導くには継続した使用が必要になります。1~2ヵ月でやめてしまうと、せっかく生えてきた毛髪が再び抜ける可能性もあるため、長い目での費用計画を立てることが大切です。

副作用や注意点を理解しながら安全に使う

発毛剤ミノキシジル配合の製品は、国内外の臨床研究でもその発毛効果が認められており、多くの人に選ばれています。ただし、あくまで医薬品である以上、副作用や使い方の注意を理解したうえで使用することが重要です。

起こりうる副作用と対策

ミノキシジルは血管拡張作用を持つため、頭皮に塗布するとかゆみや赤みなどの皮膚トラブルが起こる場合があります。稀に脱毛症以外の部位に薬液が付着すると、その部分の毛が増えたり濃くなったりすることもあります。

また、血管拡張による低血圧気味の症状や動悸などが起こる可能性も考えられますが、ごく少数です。

副作用を感じたときの対応

  • かゆみや発疹がひどい場合は使用を一旦やめる
  • 痛みやかぶれが長引くときは皮膚科や医師に相談
  • 動悸や頭痛などの全身症状が出た場合は至急受診する
  • 妊娠や授乳が判明したら直ちに使用停止を検討する

副作用を過度に恐れず、常に頭皮の状態を確認しながら使い続けることが大切です。髪の毛と同じように頭皮も個人差があり、同じ製品でも合う人と合わない人がいます。症状が軽い場合は保湿ケアなどを取り入れて様子を見る方法もあります。

使用を控えたほうがよいケース

誰にでも使えるわけではなく、医師や薬剤師が事前に確認するべき事項がいくつかあり、。高血圧や低血圧などの持病を持つ方、心臓や腎臓などの機能障害がある方は影響を受けやすい可能性があり、慎重な判断が必要です。

頭皮に傷や炎症がある場合も吸収率が変化して予期せぬ副作用が起こる可能性があります。

使用を避けることが多い状況

状況理由
20歳未満発育段階での安全性データが十分でない
妊娠中・授乳中胎児や乳児への影響が確実にはわかっていない
頭皮が炎症や発疹で荒れている薬液が染み込んで症状が悪化する可能性
大きな外科手術後・重い病中体力低下時に副作用リスクが高まる可能性

このような場合でも、髪の毛の悩みは深刻になりがちなので、無理に市販品を使用せず、医師の診察を受けて自分に合った治療プランを選ぶのがおすすめです。

正しい使い方を継続するためのポイント

効果と安全性の両立を考えるなら、製品の説明書をよく読み、決められた量を守り、症状や状態を適宜チェックすることが重要です。

特にかゆみやフケ、頭皮の赤みなど初期段階の皮膚トラブルを見逃すと症状がひどくなることがあるので、日々のケアで頭皮を丁寧に観察しましょう。

長く使うための工夫

  • 洗髪後の清潔な状態に塗布し、薬液が頭皮に残りやすいようにする
  • 朝晩の習慣に組み込み、時間を決めて塗布する
  • 頭皮マッサージや適度な運動で血流を促進する
  • 製品の使用感が合わない場合は他社製品も検討する
  • 強い刺激を感じるアルコール分の少ない製剤を探してみる

ミノキシジル5%配合の外用剤は男性型脱毛症に広く使われますが、1%製品であれば女性向けの育毛にも配合されていて、同じブランドから男性向けと女性向けが分かれて発売されている商品名もあります。

かゆみなど副作用が強く出た場合は、濃度を下げるか使用頻度を減らすなどの方法を検討できます。

AGA治療の一環としての発毛剤ミノキシジル

壮年性脱毛症やAGAの治療では、ミノキシジルと併用される薬剤としてフィナステリド(プロペシア)やデュタステリド(ザガーロ)などが挙げられ、男性ホルモンのDHT生成を抑制する薬であり、抜け毛の進行抑制に特化しています。

ミノキシジルが血行促進と毛母細胞の活性化を担うのに対し、フィナステリドやデュタステリドは原因物質そのものを抑えるアプローチなので、併用によってより高い効果が期待されます。

他の治療薬との併用メリット

  • 脱毛の原因を根本から抑制しつつ毛髪を増やす
  • 発毛にかかる時間の短縮が見込める
  • 継続的なケアによって再び薄毛が進行するリスクを抑えられる

ただし、フィナステリドやデュタステリドは女性への使用が認められておらず、特に妊娠可能な女性が誤って服用すると胎児に悪影響を及ぼす可能性があると報告されています。

使用方法を誤らないためにも、AGA治療を検討する場合は専門クリニックで診断を受けると安心です。

AGA治療の流れ(男性の場合)

ステップ内容
受診・診断頭皮や毛根、ホルモンバランスを検査
カウンセリング医師や看護師が治療方針を提案
内服薬の処方フィナステリドやデュタステリドなど
外用薬の処方ミノキシジル高濃度製剤など(希望に応じる)
定期通院・経過観察発毛の進行、血液検査など

ミノキシジルで毛髪を増やすために大切な日常生活

発毛剤を使用しているからといって、生活習慣が乱れていると効果をフルに発揮しにくいことが知られています。

脱毛症は遺伝要因と生活要因の両方が影響するため、バランスの良い食事や十分な睡眠を含む健康的な生活を意識すると髪の毛にも好影響が及びます。頭皮の皮脂環境を整えたい方は洗髪回数やシャンプー剤の選び方にも注意を払いましょう。

髪の毛や頭皮の健康を保つポイント

  • 栄養バランスの良い食事(タンパク質、ビタミン、ミネラルなど)
  • 十分な睡眠(髪の細胞分裂は夜間に活発になる)
  • ストレス発散(過剰なストレスは抜け毛を促す可能性)
  • 頭皮の清潔保持(適度な洗髪と刺激の少ないシャンプー)
  • 定期的な頭皮マッサージ(血行を促す)

長い時間をかけて育つ髪の毛だからこそ、1日や2日で激変することはまれで、継続的なセルフケアと発毛剤の両立により、頭皮と毛髪の状態を維持・改善していく道のりが現実的です。

よくある質問に対する回答

ミノキシジル配合発毛剤に関して、医療機関に寄せられる質問をまとめました。実際に使用を始める前や購入を検討する段階で知っておきたい情報です。

副作用が心配なのですが大丈夫ですか

個人差はありますが、かゆみや頭皮の赤みなど軽微な副作用で済む場合がほとんどです。万一強い痛みや動悸などが出た場合はすぐに使用を中止して受診してください。

過剰な心配を抱えるよりも、定期的に頭皮や体調を確認しながら使う意識が大切です。

使用するタイミングや期間はどれくらいですか

基本的には朝と夜の1日2回、1回1mL程度を頭皮に塗る方法が多いです。最低でも6ヵ月程度は継続し、12ヵ月を超えて変化を実感する人もいます。途中でやめると再び抜け毛が増える可能性があるため、長期の使用計画を立ててください。

ドラッグストアで購入できる市販品と処方薬はどちらがよいですか

軽度~中等度の薄毛なら市販品でも十分役立ちます。ただし、進行度が高い場合や内服薬と併用したい場合は、専門クリニックで処方される高濃度の製品を使用する選択肢があります。費用やサポート体制を比較して検討するとよいでしょう。

20歳未満でも使えますか

20歳未満の方は安全性のデータが十分にないため避けることが推奨されています。原因がAGA以外の脱毛症である可能性もあるので、若年性の抜け毛に悩むなら皮膚科や専門医に相談して診断を受けてください。

女性が5%製品を使っても大丈夫ですか

女性向けには1%製品が基本です。5%は濃度が高く、頭皮トラブルやかゆみなどの副作用リスクが上がるので避けたほうが無難です。どうしても高濃度の使用を検討したい場合は、医師の診療を受けながら慎重に進めてください。

まとめ

発毛剤ミノキシジル配合は、壮年性脱毛症(AGAやFAGAなど)の進行を抑制し、抜け毛を予防しながら毛髪を育てる有効成分として認められた医薬品です。

国内では第1類医薬品として市販され、薬剤師の確認を受けながら購入できます。男性は5%製品、女性は1%製品が中心であり、使用を開始してから数ヵ月~1年ほど時間をかけて髪の変化を観察していく必要があります。

薄毛の原因はホルモンや生活習慣など多岐にわたり、人によって効果の出方も異なり、副作用やかゆみなどのリスクはあるものの、用法を守りつつ継続すれば髪の毛が増えた・抜け毛が減ったと実感するケースが多いです。

より高い効果を狙うならAGA専門クリニックでの診療や併用薬の検討も選択肢となります。

参考文献

Messenger AG, Rundegren J. Minoxidil: mechanisms of action on hair growth. British journal of dermatology. 2004 Feb 1;150(2):186-94.

Suchonwanit P, Thammarucha S, Leerunyakul K. Minoxidil and its use in hair disorders: a review. Drug design, development and therapy. 2019 Aug 9:2777-86.

Otomo S. Hair growth effect of minoxidil. Nihon yakurigaku zasshi. Folia pharmacologica Japonica. 2002 Mar 1;119(3):167-74.

Price VH, Menefee E. Quantitative estimation of hair growth I. Androgenetic alopecia in women: effect of minoxidil. Journal of investigative dermatology. 1990 Dec 1;95(6):683-7.

Choi N, Shin S, Song SU, Sung JH. Minoxidil promotes hair growth through stimulation of growth factor release from adipose-derived stem cells. International journal of molecular sciences. 2018 Feb 28;19(3):691.

Gupta AK, Talukder M, Venkataraman M, Bamimore MA. Minoxidil: a comprehensive review. Journal of Dermatological Treatment. 2022 May 19;33(4):1896-906.

前田 祐助

この記事の監修者
AGAメディカルケアクリニック 統括院長

経歴

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
前田 祐助

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