プロペシアによる肝臓への副作用は?気になる肝機能障害の症状とは | AGA・抜け毛・薄毛治療のAGAメディカルケアクリニック【公式】

プロペシアによる肝臓への副作用は?気になる肝機能障害の症状とは

更新日
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監修医師

前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

【経歴】

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、薄毛・AGA治療の2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
  4. 2020年に2院目となるAGAメディカルケアクリニック横浜院を開設
  5. 2023年に3院目となるAGAメディカルケアクリニック東京八重洲院を開設

【資格】

  1. 医師免許
  2. ⽇本医師会認定産業医
  3. 医学博士

【所属学会】

  1. 日本内科学会
  2. 日本美容皮膚科学会
  3. 日本臨床毛髪学会

【症例数】

  1. 3万人以上※
  2. ※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数
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前田 祐助

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プロペシアは男性型脱毛症の治療薬として広く用いられていますが、副作用として肝臓への影響が報告されています。

肝臓は体内の解毒や代謝において重要な役割を担っており、薬の服用が負担をかけるケースもあるため気をつけなければなりません。

プロペシアの肝臓への影響とは?知っておくべきリスク

プロペシアは肝臓への影響が問題となりやすい男性型脱毛症治療薬です。長期使用や肝疾患の既往歴のある方では、特に肝機能障害につながるリスクが高まります。

プロペシアの成分が肝臓に及ぼす影響

プロペシアの主成分「フィナステリド」は肝臓で代謝される薬剤です。そのため、肝臓への一定の負担があります。

フィナステリドは5α-還元酵素阻害薬に分類され、この酵素のはたらきを抑制する作用によって男性型脱毛症の進行を抑えます。

成分名作用機序
フィナステリド5α-還元酵素阻害

代謝過程で肝臓に負担がかかる可能性があるため、肝機能が低下している方や肝疾患の既往歴がある方は特に注意します。

肝臓への負担が高まる仕組み

肝臓は体内に入った薬物を解毒し、排出する重要な役割を担っています。プロペシアの成分であるフィナステリドも肝臓で代謝されます。

代謝過程で肝臓の細胞に負担がかかるケースがあり、特に長期間にわたって服用を続けると負担が蓄積される可能性があります。

肝臓の役割プロペシアとの関係
薬物代謝フィナステリドの分解
解毒作用代謝産物の処理

肝臓への負担が高まると肝機能障害のリスクが上昇します。肝機能障害は初期段階では自覚症状がない場合が多いため、定期的な検査が重要です。

副作用のリスクとその頻度

プロペシアによる肝機能障害の副作用は比較的稀であると報告されていますが、リスクがまったくないわけではありません。一般的に、プロペシアによる肝機能障害の発生頻度は1%未満とされています。

ただし、個人の体質や既往歴によって、このリスクは変動します。

主な肝機能障害の症状は、黄疸や倦怠感、食欲不振や吐き気などです。これらの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。

特定の体質に影響が強く現れる場合

プロペシアによる肝機能障害のリスクは、特定の体質や条件下で高まります。

リスク因子影響
肝疾患の既往歴肝機能障害のリスク上昇
アルコール多飲肝臓への負担増加
他の肝毒性薬物の併用相乗効果による肝障害リスク

肝疾患の既往歴がある方やアルコールを日常的に多量に摂取する方は、プロペシアの服用に際して特に慎重な対応が求められます。

薬の長期使用がもたらす影響とは

プロペシアは効果を維持するために長期間の服用が必要な薬剤ですので、長期使用による肝臓への影響について理解しておく必要があります。

長期使用による主な影響としては、肝酵素値の上昇、慢性的な肝機能低下、肝細胞の変性や壊死が考えられます。

個人差が大きく、すべての人に現れるわけではありませんが、長期使用者は定期的な肝機能検査が推奨されます。

肝機能障害の症状とそのサイン

肝臓は体内の毒素を処理する要となる器官であり、その働きが低下すると多様な症状が表れます。

初期の兆候から深刻な状態まで、肝機能障害のサインを把握しておき、プロペシアによる肝機能障害に備えておきましょう。

肝機能障害の初期症状に注意

肝機能障害の初期段階では、顕著な症状が現れないケースがあります。そのため、体調の微妙な変化を見逃さない工夫が大切です。

持続的な疲労感や倦怠感は、肝機能障害の可能性を示唆します。これらの症状は日常生活でも生じますが、十分な休養を取っても改善しない場合は警戒が必要です。

食欲減退や吐き気も、肝機能障害の初期症状として出現します。消化器系の不調は様々な要因が考えられますが、長引く場合は肝臓の問題を疑います。

初期症状特徴
疲労感休養しても改善しない
食欲減退継続的な食欲低下
吐き気食事と無関係に発生

これらの症状は単独で現れるときもありますが、複数同時に出現する例もあります。

黄疸や倦怠感が示すサイン

肝機能障害が進行すると、より明確な症状が表れます。特に注意を要するのが黄疸です。

肝機能障害を強く示唆する黄疸は、皮膚や眼球の白い部分が黄色く変色する症状です。本来肝臓で処理されるビリルビンという物質が血中に蓄積するために起こります。

倦怠感も肝機能障害の重要なサインです。初期症状としても現れますが、症状が進むと全身の倦怠感がより強くなります。

進行した症状特徴
黄疸皮膚や眼球の黄変
強い倦怠感日常生活に影響

これらの症状が現れた際には、肝機能障害が相当進行している可能性があります。

肝臓が原因の皮膚の異常

肝機能障害は、皮膚にも様々な異常を引き起こします。これらの皮膚症状は、肝臓の状態を外部から観察できる重要な指標となります。

掻痒感(かゆみ)は、肝機能障害に伴う代表的な皮膚症状です。全身にわたる強いかゆみが特徴で、特に夜間に悪化する場合があります。本来肝臓で処理される胆汁酸が皮膚に蓄積して生じます。

皮膚の乾燥や荒れも、肝機能障害のサインとなります。肝臓は体内の栄養バランスを調整する役割も担っているため、機能が低下すると皮膚の健康にも影響します。

  • 掻痒感(全身のかゆみ)
  • 皮膚の乾燥
  • 皮膚の荒れ

クモ状血管腫と呼ばれる皮膚の異常も肝機能障害を示しています。小さな赤い斑点が蜘蛛の巣状に広がる症状で、主に上半身に現れやすく、肝臓の状態を反映しています。

症状が重篤化する前に確認すべきポイント

肝機能障害の症状が重篤化する前に、いくつかの重要なポイントを確認することが大切です。

まず、日常的な体調の変化に注意を払うようにします。前述の初期症状や皮膚の異常などが現れた場合、自己判断を避けて医療機関を受診します。

確認ポイント対応
体調の変化医療機関を受診
服薬状況医師に相談
生活習慣見直しと改善

副作用の可能性がある場合は、医師の判断で投薬の調整や中止を行います。

プロペシア使用中の肝機能検査の重要性について

プロペシアを安全に使用するためには、定期的な肝機能検査が大切です。

肝機能検査の必要性や検査を受ける頻度

プロペシア服用時は、薬剤性肝障害を早期発見するために定期的な肝機能検査が欠かせません。

検査頻度は個人の状態により異なりますが、一般的には月1回から半年に1回の検査が推奨されます。

期間検査頻度
開始~3ヶ月月1回
3ヶ月~1年3ヶ月に1回
1年以降半年に1回

ただし、既往歴や併用薬によっては、より頻繁な検査を行います。

定期検査による早期発見のメリット

定期的な肝機能検査のメリットの中でも重要なのは、肝機能障害を早期に発見して迅速に対応できる点です。

早期発見の主なメリットは以下の通りです。

  • 重症化を防止できる
  • 治療の選択肢が増える
  • 回復期間が短縮される
  • 肝臓への長期的影響を最小限に抑えられる

加えて、定期検査により肝機能の経時的変化を追跡できるため、わずかな異常も見逃さず正しいタイミングで対処できます。

健康な肝臓のチェックポイント

肝機能検査では、AST (GOT)やALT (GPT)などの複数の項目を確認します。

検査項目基準値
AST (GOT)10-40 IU/L
ALT (GPT)5-45 IU/L
γ-GTP男性: 80 IU/L以下、女性: 30 IU/L以下

検査の値が基準範囲を超えている場合は要注意です。検査の値だけではなく、皮膚や白目の黄染(黄疸)、腹部の膨満感や痛み、極度の疲労感や倦怠感、食欲不振などの症状にも注意を払います。

異常が見つかった場合の対応

肝機能検査で異常が判明したときは医師と相談し、一人ひとりに合った対応を決定します。

対応方法は異常の程度や原因によって異なりますが、一般的には以下のような方法が考えられます。

異常の程度対応方法
軽度経過観察、生活習慣の改善
中等度投薬量の調整、一時的な休薬
重度投薬の中止、代替治療の検討

軽度の異常では、生活習慣の改善が効果的です。

一方、中等度から重度の異常が見られた場合、プロペシアの投薬量を調整したり一時的に休薬したりします。

専門医へ相談するタイミング

プロペシア服用中は定期的に主治医と相談するのが基本です。

ただ、黄疸や腹痛が現れたとき、長期服用による影響について不安があるときなどには、速やかに専門医への相談を検討します。

  • 肝機能検査の結果が基準値を大きく逸脱した場合
  • 黄疸や腹痛など、肝機能障害を示唆する症状が現れた場合
  • 他の薬剤との相互作用が懸念される場合
  • 長期服用による影響について不安がある場合

症状が軽微な段階で医師に相談できれば重症化を防ぎ、より効果的な対処が可能になります。

状況に応じた服用計画を立てるために、プロペシアの服用を開始する前にも肝機能に関する既往歴や現在の健康状態について専門医に相談するようにしましょう。

関連文献

ASFOUR, Leila; CRANWELL, William; SINCLAIR, Rodney. Male androgenetic alopecia. Endotext [Internet], 2023.

NESTOR, Mark S., et al. Treatment options for androgenetic alopecia: Efficacy, side effects, compliance, financial considerations, and ethics. Journal of cosmetic dermatology, 2021, 20.12: 3759-3781.

VAROTHAI, Supenya; BERGFELD, Wilma F. Androgenetic alopecia: an evidence-based treatment update. American journal of clinical dermatology, 2014, 15: 217-230.

MOTOFEI, Ion G., et al. Finasteride and androgenic alopecia; from therapeutic options to medical implications. Journal of Dermatological Treatment, 2020.

LEE, Sung Won, et al. A systematic review of topical finasteride in the treatment of androgenetic alopecia in men and women. Journal of drugs in dermatology: JDD, 2018, 17.4: 457.

LOLLI, Francesca, et al. Androgenetic alopecia: a review. Endocrine, 2017, 57: 9-17.

前田 祐助

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  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
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