はげはいつから進行する？AGAや薄毛に悩む方へ年齢別対策を紹介

日常生活のなかで抜け毛が増えたり、髪が薄くなってきたりすると「いつからはげが始まるのだろう」と不安になる方は多いです。

特に男性型脱毛症（AGA）は年齢に関係なく20代など若い時期からでも発症します。早めに対策を取るほど改善しやすい傾向があるため、薄毛の兆候や原因を知ることが大切です。

この記事では、はげが始まりやすい年齢やAGAの症状、治療や日頃のケアなどを幅広く紹介します。育毛や予防を考える方の参考になれば幸いです。

はげが始まる年齢や進行度合いの目安

はげ（薄毛）を意識し始める時期や進行には個人差がありますが、男性の多くは20代後半から30代以降にかけて抜け毛が増えるといわれています。

日常で感じる髪の変化を見逃さないことが重要です。

自覚症状が出る時期は人それぞれ

自分で「髪が薄くなった」と自覚する年齢やタイミングは多岐にわたります。

周りから指摘される場合もありますが、以下のようなきっかけを通して自覚するかたが多いです。

• シャンプー時に抜け毛が増えている
• 鏡を見たときに生え際が後退していると感じる
• ドライヤーの際に頭頂部の地肌が透けて見える
• 朝起きたとき枕に抜け毛が多く付着している

髪質や頭皮環境の変化はゆっくり進行する場合が多いため、「この年齢になったから必ずはげる」と断定できるものではありません。

ただし、「なんとなく髪が薄くなったかも」という段階で対策を始めると、薄毛の進行を抑える可能性が高くなります。

AGA（男性型脱毛症）は20代からでも進行する

男性に多いはげの代表的な原因がAGAです。AGAは男性ホルモン（テストステロン）由来のジヒドロテストステロン（DHT）の働きによって毛髪の成長サイクルが乱れ、薄毛が進行する脱毛症を指します。

発症の年齢に明確な決まりはなく、若い方でも以下のような生活環境や遺伝的要因で起こりやすいです。

• ストレスの多い生活
• 栄養バランスの乱れ（偏食、過度なダイエットなど）
• 睡眠不足や運動不足
• 家族に薄毛の人がいる（遺伝）

20代であっても髪が細くなり、頭皮が透けて見え始める方は少なくありません。

女性の薄毛にも注意

「はげ」というと男性のイメージが強いですが、女性の場合でもFAGA（女性男性型脱毛症）などが生じます。

女性ホルモンの変動や年齢を重ねる過程で髪のボリュームが減少することもあるため、「男性だけの悩みではない」という点にも注目が必要です。

加齢による変化との違いを見極める

加齢に伴って髪が細くなってくるのは自然な現象といわれますが、AGAなどの症状が加わると進行が加速する可能性があります。

以下の目安を参考に、加齢による一般的な髪質変化と進行性の薄毛を区別してみてください。

はげやすさの目安

加齢だけでは説明できないほど急激な抜け毛や髪質の変化がある場合はAGAなどの薄毛治療を検討してみましょう。

AGAのメカニズムと遺伝要因について

はげを気にする方にとってAGA（男性型脱毛症）は欠かせないキーワードです。

特に遺伝が関係していることが多く、家系的に薄毛の方が多い場合は早めのケアが必要になります。

AGAの発症プロセス

AGAは男性ホルモン（テストステロン）と還元酵素が結合して生成されるDHT（ジヒドロテストステロン）が毛母細胞の働きを阻害することで起こります。

通常、髪の成長期は2～6年程度続きますが、DHTが増えると成長期が短縮されて髪が十分に育たないうちに抜けてしまいます。

AGA発症の要因

母方の遺伝が特に影響する説

AGAの遺伝は母方の家系から受け継ぐX染色体が大きく関係するといわれることがあります。

父親よりも母方の祖父やおじの髪質をチェックすることで自分のリスクを知りやすい場合があります。

しかしこれはあくまで一説であり、遺伝に関する研究は進んでいますが、はっきりしない部分もあるのが現状です。

家族に薄毛の人が多い場合の対策

遺伝的に薄毛の傾向が強い場合は早期に以下のような対策を行うのが有効といわれています。

• AGAを専門とするクリニックでカウンセリングを受ける
• 脱毛症について詳しい医師に相談し、検査を行う
• 食生活や睡眠などの生活習慣を改善する
• 育毛剤やAGA治療薬の使用を検討する

遺伝の影響がある場合でも適切な治療を受ければ改善の期待はあります。

女性の家系から影響を受けることもある

男性だけでなく母方の女性が薄毛に悩んでいる場合、女性型脱毛症（FAGA）も家系的にリスクが高まる可能性があります。

兄弟姉妹や親族で同様の悩みを抱えている方がいる場合は男性も女性も頭皮ケアやAGA治療を意識してみてください。

薄毛・抜け毛を引き起こす主な生活習慣と頭皮環境

遺伝や加齢以外にも生活習慣や頭皮環境の乱れがはげを招きやすくする要因です。

ストレスや食事、睡眠など日常の些細な行動が髪に影響を与えます。

食生活の乱れや栄養不足

髪の毛はケラチンというタンパク質が主成分で、成長には栄養バランスが大切です。

極端なダイエットや偏食によって栄養が不足すると髪の成長サイクルが乱れやすくなります。

薄毛リスクが高まる食習慣

• 炭水化物や脂質に偏った食事
• 野菜や果物をほとんど食べない
• アルコールの大量摂取
• 食事の時間が不規則

髪や頭皮に必要な栄養を補給するために良質なタンパク質やビタミン、ミネラルをバランスよく摂取する意識が重要です。

睡眠不足や運動不足

睡眠が足りないと成長ホルモンの分泌が減少し、髪の成長が滞りやすくなります。

運動不足の場合も血行不良を招き、頭皮まで栄養が届きにくくなる可能性があります。

睡眠不足・運動不足がもたらす弊害

夜更かしを避けて十分な睡眠を確保し、適度な運動を習慣化すると頭皮の血流が改善しやすくなります。

ストレスや喫煙・飲酒

ストレスが溜まると男性ホルモンの分泌バランスが乱れてAGAが進行しやすい状態になります。

喫煙も血管を収縮させ、血行が悪くなる原因です。過度の飲酒は肝機能に負担をかけ、栄養の吸収や代謝に悪影響を及ぼします。

• ストレスを溜めやすい
• 毎日多量に飲酒する
• ヘビースモーカーである

上記に心当たりがある方は髪の悩みを深刻化しないためにも早めの生活習慣の見直しが必要です。

不適切なヘアケアや頭皮ケア

頭皮が皮脂や汚れで詰まったまま放置すると毛穴に炎症が起きて抜け毛が増えやすくなります。

洗浄力が強すぎるシャンプーを使ったり力任せに洗ったりすると頭皮を傷めてしまいます。

シャンプーと頭皮環境の関係

頭皮環境が乱れると育毛力が落ちるため、毎日のヘアケアで適切なシャンプー選びや正しい洗い方を意識しましょう。

薄毛や抜け毛の初期症状を見分けるポイント

はげや抜け毛が気になるなら早期発見と対策がカギです。

初期症状の段階でクリニックを受診すると進行を抑えやすく、毛髪の改善が見込めます。

抜け毛の増加や髪の質の変化

朝起きて枕に付いている抜け毛やシャンプー時の抜け毛の量が増えたと感じる方は要注意です。

特に以前より細い髪が増えたり短い毛が抜けたりする場合、成長期が十分に保たれていない可能性があります。

生え際や頭頂部の後退

生え際が徐々にM字型に後退するケースや頭頂部（つむじ）のあたりが薄くなって地肌が見えやすくなるケースは、AGAの初期症状の典型です。

また、おでこが広くなったと感じるときは前頭部からの脱毛進行を疑うことがあります。

生え際・頭頂部の後退で気づきやすいサイン

頭皮のかゆみやフケ

頭皮にかゆみや赤みがある、フケが大量に出るなど頭皮トラブルが起きると毛根へのダメージが大きくなります。

脱毛症と直接は関係しない場合もありますが、頭皮環境が悪化すると薄毛のリスクが高まります。

抜け毛の形状や根元

抜け毛の根元を見て、毛根が小さい・細い・短いなどの場合はヘアサイクルが短縮されている可能性があります。

また、白い塊（マトリックス）が見られず、毛根がやせ細っていると髪がしっかり成長できていないかもしれません。

クリニックで行われる主な薄毛治療と対策

AGAや薄毛の診断を受けた場合、医療機関ではさまざまな治療法や対策法が存在します。

症状の進行度や原因に合わせて治療プランを組み立てると効果が期待できます。

内服薬や外用薬による治療

医療機関で処方される代表的なAGA治療薬にはフィナステリドやデュタステリド、外用薬のミノキシジルなどがあります。

ホルモンを抑制したり頭皮の血流を改善したりすることで抜け毛を減らす効果が期待されます。ｔ

AGA治療で用いられる薬と特徴

医師の指示に従って服用や外用を継続することが大切です。副作用が出た場合はすぐに担当医に相談してください。

サプリメントや育毛剤の活用

医師の処方薬とあわせて育毛剤やサプリメントを使うケースもあります。

亜鉛やビタミンなど髪に必要な栄養素を補いながら頭皮環境を整える効果に期待が持てます。

ただし、あくまで補助的な役割なので、AGAが進行している場合は専門クリニックの診療を優先して検討しましょう。

頭皮ケアやメソセラピー

専門クリニックでは頭皮の血行促進や毛母細胞の活性化を図るために注入治療（メソセラピー）を行う場合があります。

頭皮に薬液を直接届けることで効率的に毛根にアプローチする手法です。

施術内容や回数、費用などはクリニックによって異なるため診察時に確認することをおすすめします。

費用や通院回数

AGA治療の費用は薬剤の種類やメソセラピーの有無、クリニックの方針などで大きく変わります。

また、治療効果を実感するには少なくとも数カ月以上の継続が必要です。

治療効果が現れやすい時期や通院ペースについては医師と相談しながら進めていきます。

AGA治療を続けるうえでの目安

個人差はありますが、一般的に半年～1年程度継続すると治療の効果を実感しやすいといわれています。

日常生活で取り入れたい頭皮ケア・生活改善のアプローチ

病院での治療とあわせて日常生活の中で行うケアも大切です。乱れた生活習慣はAGAを進行させる大きな要因となります。

バランスの良い食事と栄養補給

髪の成長に重要な栄養素としてタンパク質・鉄分・亜鉛・ビタミンB群などが挙げられます。

肉・魚・野菜・果物・大豆製品などをバランス良く食べる習慣が求められます。

十分な睡眠とストレス軽減

睡眠をしっかり取ると成長ホルモンが分泌されやすくなり、髪の成長をサポートできます。

また、ストレスは自律神経やホルモンバランスの乱れにつながるため、趣味や運動などでうまく発散しましょう。

睡眠を増やしストレスを抑える工夫

• 就寝前のスマートフォン使用を控えて睡眠の質を高める
• ウォーキングや軽いジョギングで身体を動かす
• 深呼吸やストレッチで心身をリラックスさせる
• 趣味や気の合う仲間とのコミュニケーションを増やす

これらを積み重ねるとホルモンバランスや血行が整いやすくなります。

正しいシャンプーやヘアドライ

頭皮を清潔に保つためにシリコン系シャンプーよりも頭皮への刺激が少ないタイプを選ぶケースがあります。

洗う際は指の腹でマッサージするように行い、すすぎ残しがないよう注意してください。

ドライヤーは髪から少し離し、根本を中心に乾かすと髪と頭皮を傷めにくいです。

頭皮マッサージやスカルプブラシの活用

頭皮マッサージを行うと血流が促進されて髪の成長に良い影響が期待できます。

専用のスカルプブラシを使うと指先では落としきれない汚れを落としやすく、頭皮を程よく刺激できます。

ただし力を入れすぎると頭皮を傷つけるリスクがあるため優しく行うことを心がけてください。

受診のタイミングとクリニック選びのポイント

「抜け毛が増えたかな？」と感じ始めた段階で医師に相談するのが理想です。

はげがいつから始まっているかわからない場合でもクリニックでは頭皮や髪の状態を専門的に診断してくれます。

早期受診のメリット

薄毛治療は早めに始めるほど改善しやすい傾向があり、AGAの進行を抑えやすくなります。

生え際や頭頂部に変化が出る前でも不安があれば一度受診するのがおすすめです。

悩みを一人で抱えて進行を見過ごしてしまうよりも、早期に手を打つ方が発毛の可能性を高められます。

受診のきっかけになりやすい例

クリニック選びのポイント

• AGA治療に力を入れているクリニックかどうか
• 通いやすい立地や診療時間、診察費用
• 医師やスタッフの対応や説明が丁寧かどうか
• 継続治療が必要になるため、サポート体制が整っているか

これらを総合的にチェックし、無理なく続けられる治療プランを提案してくれる医療機関を選ぶと安心です。

オンライン診療の活用

近年ではオンライン診療を実施しているクリニックも増えています。遠方に住んでいる、忙しくて通院できない方でも医師の診察を受けやすく、AGA治療薬を自宅に届けてもらうことが可能です。

直接来院できない状況でも相談をしやすい選択肢として利用する方が増えています。

セカンドオピニオンも検討を

治療方針や薬の副作用などに不安がある場合は、ほかの医療機関でセカンドオピニオンを聞くのも一手です。

信頼できる医師に相談し、患者さん自身が納得のいく治療法を選ぶことが重要です。

はげいつから始まる？まとめと再確認

はげが始まる時期や原因は人によって異なり、生活習慣や遺伝などさまざまな要素が絡み合います。

しかし、抜け毛や髪質の変化を早めに認識できれば適切なケアやAGA治療で進行を抑え、髪の状態を改善することが期待できます。

早めのケアや治療が大切な理由

• 抜け毛の初期段階ほど治療効果が高まりやすい
• 生活習慣の見直しで頭皮環境が良くなれば髪の回復力が高まる
• 遺伝や加齢のリスクを抱えていても対策次第で進行を遅らせることができる
• クリニックで専門の医師の診断を受けると原因が特定しやすい

AGA治療を始めるか迷っている方への示唆

• 抜け毛や薄毛が気になるなら年齢を問わずクリニックに相談する
• 自己判断だけで市販の育毛剤を使うのではなく、医師の診断や処方薬を活用する
• 生活習慣やヘアケアを見直し、改善できるところから始める

髪は見た目の印象だけでなく、自分自身の自信や生活の質にも大きく関係します。

抜け毛を気にして生活や仕事に支障が出る前に、一度専門家へ相談してみるのも一つの方法です。

この記事の終わりに

はげは「いつから始まるのか」と明確に断定できない一方、AGAなどの原因が絡むと若い年代からでも進行することがあります。

もし「薄毛や抜け毛が増えた」と感じたら早期発見・早期治療が改善への近道です。

クリニックではAGA治療だけでなく、頭皮ケアや生活改善に関するアドバイスも受けられます。

生活習慣を整えてストレスを上手にコントロールしながら髪と頭皮を労わってください。

自分に合ったアプローチを見つけることで髪の不安を軽減し、健やかな髪を維持できる可能性が高まります。

以上

参考文献

GAN, Yuyang, et al. A clinical trial of treating androgenic alopecia with mesenchymal stem cell suspension derived from autologous hair follicle. Plastic and reconstructive surgery, 2024, 154.3: 444e-450e.

DENG, Zhili, et al. Androgen receptor–mediated paracrine signaling induces regression of blood vessels in the dermal papilla in androgenetic alopecia. Journal of Investigative Dermatology, 2022, 142.8: 2088-2099. e9.

NESTOR, Mark S., et al. Treatment options for androgenetic alopecia: Efficacy, side effects, compliance, financial considerations, and ethics. Journal of cosmetic dermatology, 2021, 20.12: 3759-3781.

CAI, Yizuo, et al. Cell-free fat extract restores hair loss: a novel therapeutic strategy for androgenetic alopecia. Stem Cell Research & Therapy, 2023, 14.1: 219.

KIM, Ju Hee, et al. Development of finasteride polymer microspheres for systemic application in androgenic alopecia. International Journal of Molecular Medicine, 2019, 43.6: 2409-2419.

TAKEDA, A., et al. CG210 enables finasteride 1mg users to further improve hair pattern: a randomized, double-blind, placebo-controlled pilot study. Hair Ther Transplant, 2013, 3.107: 2167-0951.100010.