育毛剤の逆効果 毛を守るための正しい使い方 | AGA・抜け毛・薄毛治療のAGAメディカルケアクリニック【公式】

育毛剤の逆効果 毛を守るための正しい使い方

更新日
育毛剤の逆効果 毛を守るための正しい使い方
前田 祐助
監修医師

前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

【経歴】

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、薄毛・AGA治療の2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
  4. 2020年に2院目となるAGAメディカルケアクリニック横浜院を開設
  5. 2023年に3院目となるAGAメディカルケアクリニック東京八重洲院を開設

【資格】

  1. 医師免許
  2. ⽇本医師会認定産業医
  3. 医学博士

【所属学会】

  1. 日本内科学会
  2. 日本美容皮膚科学会
  3. 日本臨床毛髪学会

【症例数】

  1. 3万人以上※
  2. ※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数

統括院長プロフィール詳細

続きを読む


育毛剤を使うと髪を育てやすくなると思いがちですが、使い方を間違えると逆効果になる可能性があります。

薄毛や抜け毛を何とかしたいと考える人ほど、過剰に使ったり複数の製品を併用したりして頭皮トラブルを起こすケースも見られます。大切なのは、正しい使用方法や頭皮環境の整え方を理解することです。

この記事では、育毛剤が逆効果になる原因や注意点、AGA治療との関係、さらに頭皮を守りながら髪の成長を促進するコツを詳しく解説します。

育毛剤が逆効果になる主な理由

育毛剤は、頭皮の環境を整えたり髪の毛を育てる力を促進したりする目的で使われますが、間違った使い方や自分に合わない製品選びのせいで、むしろ抜け毛や薄毛の進行を助長する可能性があります。

育毛剤の作用メカニズムと注意点

育毛剤は、医薬部外品や医薬品として販売されているケースが多いです。

医薬部外品の場合は、頭皮ケアや血行促進、皮脂の分泌コントロールなどを目的とした成分が含まれ、抜け毛を予防したり髪の毛の成長をサポートしたりする効果が期待できます。

一方、医薬品に分類される育毛剤は、有効成分がより高濃度で配合されているため、AGA治療薬にも近い働きを見せますが、濃度が高いぶん副作用リスクもあります。

医師や薬剤師の説明を聞かずに自己判断で使い続けると、頭皮トラブルやかゆみ、アレルギーなどを起こしやすくなり、かえって髪に悪い影響を与えてしまうことがあります。

用法・用量を守らない過剰使用

育毛剤を多く使ったほうが効果が出るだろうと考えて、用量以上にスプレーしたり塗布したりする人もいますが、過剰に使用すると、頭皮が過度に乾燥したりアルコール成分による刺激が強まったりして、炎症や赤みを起こす可能性があります。

また、一日に何度も使うことで頭皮がベタつきやすくなり、毛穴が詰まって逆効果になることもあるため、製品に記載されている正しい使用方法を守ることが大切です。

頭皮が不潔な状態のまま使う

髪の毛や頭皮が汚れているときに育毛剤を使うと、有効成分が浸透しにくくなります。皮脂や汚れが多いまま育毛剤を塗布しても、毛穴の詰まりが改善しないままで、抜け毛を防げないだけでなくかゆみや炎症が悪化するケースも見受けられます。

シャンプー後の清潔な状態で使うのが望ましいですが、シャンプーの方法が合っていないと別のトラブルを起こす可能性があるため、適切な洗髪と乾燥の手順を覚えましょう。

自分に合わない成分や刺激が強い配合

育毛剤によっては、アルコール成分や血行促進作用の強い成分が含まれている場合があり、頭皮が敏感な人やアレルギー体質の人は、そうした成分が刺激となって皮膚トラブルを引き起こし、結局は抜け毛を増やす要因になりかねません。

選ぶ際には成分表示を確認するだけでなく、パッチテストを行うなど慎重に検討することが重要です。

頭皮が不潔な状態で使う際に起こりやすいトラブル

トラブル原因影響
毛穴のつまり皮脂や汚れが残ったまま育毛剤を塗布有効成分が浸透せず抜け毛リスクが増す
炎症やかゆみ細菌の繁殖やシャンプー残りかきむしることで頭皮を傷つける
アルコール刺激による乾燥重複した刺激成分の作用かさぶたや赤みの原因となる

複数の育毛剤を同時に使う

いろいろな育毛剤を一度に使ったほうが髪に良いと考えて、併用する人もいますが、成分の重複やアルコール度数の上昇によって、頭皮が刺激を受けすぎて逆効果になる恐れがあります。

また、どの育毛剤が合っているか分からなくなるため、副作用が起きたときに原因を特定しづらくなることもデメリットです。必要以上に複数製品を使うより、まずは1種類から試して経過を観察すると良いでしょう。

育毛剤が逆効果にならないための正しい使い方

育毛剤を効果的に使うためには、使用の前後で頭皮を整えたり、適切な量や回数を守ったりするだけでなく、髪と頭皮の環境を総合的に考えることが必要です。

使用前に頭皮を清潔に整える

育毛剤の浸透を高めるには、頭皮の汚れや皮脂を過剰に残さないことが大切で、シャンプーはゴシゴシと力任せに行うのではなく、指の腹を使って丁寧にマッサージしながら汚れを落とすのがコツです。

乾燥が気になる場合はぬるめのお湯で洗うなど、必要に応じて温度も調整します。

洗い流しが不十分だとシャンプー剤が頭皮に残り、かゆみや炎症を助長するので、すすぎの時間を十分に取って、頭皮を清潔に保つことを心がけてください。

適切な量と回数を守る

育毛剤に明記されている回数や使用量を超えると、頭皮の負担が大きくなったり、逆効果につながったりし、朝晩に1回ずつなど、指定の回数があればそれを守るとともに、一度の使用量も測りましょう。

使いすぎは髪にプラスになるどころか、頭皮の乾燥や炎症などのトラブルリスクが増えるので注意が必要です。

塗布後の乾燥と頭皮マッサージ

育毛剤を塗布した後は、自然に乾かすかドライヤーを使うにしても過度に熱を与えないことが大切です。

髪が濡れたまま長時間放置すると、雑菌が増えやすく頭皮環境が乱れる可能性がある一方、温度の高すぎるドライヤーは頭皮を乾燥させる原因になります。

時間に余裕がある場合は、頭皮マッサージを行って血行を促進しても良いでしょう。指の腹でやさしく押しながら、頭皮全体をほぐすイメージで行うと髪の成長を助ける効果が期待できます。

自分の頭皮タイプに合った製品を選ぶ

頭皮が脂っぽいタイプ、乾燥しやすいタイプ、敏感肌タイプなど、人によって頭皮環境は異なり、自分の頭皮に合わない育毛剤を使うと、逆効果になりやすいです。

製品に含まれる成分をよく確認し、自分がアレルギー反応を起こしやすい成分が含まれていないかどうかもチェックしておきましょう。

また、脂漏性皮膚炎などの頭皮疾患が疑われる場合は、医師に相談してから製品を選んでください。

育毛剤の使用を始める前に確認したいポイント

項目内容
頭皮の状態脂性・乾燥・フケなどのトラブルの有無
抜け毛が増えるタイミング季節の変化やストレスなどの要因
アレルギー歴成分に対するアレルギーの経験
既往症や服用中の薬特定の病気や薬との相性によるリスク
クリニックでの相談AGAなどの治療が必要かどうかの専門的アドバイス

頭皮環境が悪化すると薄毛が進みやすい

育毛剤の使い方だけでなく、頭皮環境そのものが悪い状態だと、髪は十分に育ちません。頭皮に余分な皮脂がたまり、毛穴が詰まってしまうと抜け毛を増やす原因になります。

また、血流が低下すれば髪の成長に必要な栄養が行き渡らず、毛が細くなったり抜けやすくなったりするのです。

頭皮の皮脂や汚れによる影響

皮脂は頭皮を守るために必要なものですが、過剰に分泌されると毛穴に詰まって抜け毛の原因になり、逆効果です。

毎日髪を洗っているのに頭皮がベタつく場合は、洗浄力の強すぎるシャンプーが合わない可能性があり、逆に洗浄力が弱すぎて、皮脂や汚れが落ちきっていない場合もあります。

自分の頭皮タイプに合わせたシャンプー選びと、適度な頻度の洗髪が大切です。また、寝不足や偏った食事などの生活習慣の乱れが、皮脂分泌量の増加やホルモンバランスの乱れを招くこともあるため注意しましょう。

血行不良がもたらすリスク

髪の毛の成長は、毛根の毛母細胞に栄養が行き渡ることで進行し、血行が悪くなると、栄養素を運ぶ血液の流れが滞り、髪の成長が妨げられてしまいます。

頭皮が硬くなっていると感じる人は血行不良の可能性があり、育毛剤の力を十分に引き出せない場合も考えられます。

AGAが疑われる場合の注意点

男性に多いAGA(男性型脱毛症)は、ホルモンや遺伝的要因などによって髪の成長サイクルが乱れ、前頭部や頭頂部の髪が細くなりやすいのが特徴です。

育毛剤を使っても症状が進むことがありますが、これはAGAが原因の場合、育毛剤だけでは不十分なことが多いためです。

早い段階でクリニックを受診し、医師の診断を受けると、自分に合った治療薬やケア方法を提案してもらいやすくなります。AGA治療では内服薬や外用薬が使われることがあり、育毛剤を併用するなら医師と相談するのが安全です。

トラブルを未然に防ぐ日常の工夫

頭皮環境を守るには、生活習慣の改善が欠かせません。

育毛剤の効果を高める取り組み

  • バランスの良い食事をとる
  • 十分な睡眠時間を確保する
  • ストレスをため込まず、適度に発散する
  • 運動などで血行を促進する
  • 帽子や紫外線対策などで頭皮をダメージから守る

頭皮環境をチェックする視点

観点ポイント
見た目頭皮の赤みやフケ、脂っぽさがあるか
触った感触弾力がなく硬い、またはベタつきが強い
抜け毛の状態細い抜け毛が増えていないか、毛根に皮脂がついていないか
かゆみの有無かきむしりによる傷や炎症がないか

育毛剤の成分で気をつけたいこと

育毛剤にはさまざまな成分が含まれ、血行促進成分や抗炎症成分、保湿成分など、目的に応じて成分が変わるため、自分の頭皮や髪の状態に合ったものを選ぶことが大切です。

しかし、人によっては成分が強すぎる、あるいはアレルギーを起こしやすいなどのケースがあり、そうした場合には逆効果となるリスクがあります。

血行促進成分の過剰刺激

ミノキシジルなどの血行促進成分は、発毛剤や育毛剤に配合されることがありますが、効果が期待できる一方、頭皮にとって刺激が強すぎる場合、かゆみや赤み、むくみといった副作用が起こる可能性があります。

最初は低濃度の製品から試してみるか、クリニックで処方される製品を選ぶなどの工夫をすると良いでしょう。

アルコール成分による乾燥や炎症

育毛剤には、成分を頭皮に浸透させるためにアルコールが含まれる場合が多いです。アルコールは揮発性があるため、頭皮を冷やしてスッキリさせるメリットもあるものの、乾燥や刺激による炎症を起こすデメリットもあります。

頭皮が敏感な人はアルコール度数の高い育毛剤を大量に使うと、皮膚がかぶれたりフケやかゆみが増したりするリスクが高くなるので注意が必要です。

保湿成分や抗炎症成分とのバランス

頭皮の乾燥を防ぐために保湿成分や抗炎症成分が配合されている育毛剤もあり、頭皮トラブルの抑止に役立つ反面、過剰に使ってしまうとベタつきや毛穴の詰まりを招く可能性があります。

頭皮の状態が脂っぽいのに保湿成分が多い製品を選ぶと、逆に洗い流しが難しくなり抜け毛が増える原因になることもあります。

成分表から読み解くポイント

育毛剤を選ぶ際には、成分表を確認してどのような薬効成分が含まれているかチェックすると、逆効果を回避しやすくなります。

  • 血行促進成分の濃度(ミノキシジル○%など)
  • アルコールや防腐剤の有無や量
  • 保湿成分(ヒアルロン酸など)と頭皮の相性
  • 抗炎症成分(グリチルリチン酸など)の種類

主な育毛剤成分の特徴

成分名目的注意点
ミノキシジル血行拡張・発毛促進副作用(かゆみ、むくみ)に注意
センブリエキス血行促進刺激は比較的少ないが個人差あり
グリチルリチン酸抗炎症肌に合わないと炎症が悪化する場合あり
ピディオキシジルなど保湿、頭皮環境改善ベタつきやすい人は使い方を要調整
アルコール浸透補助乾燥や刺激性が高まることがある

副作用や頭皮トラブルが見られたらどうするか

育毛剤を使用していて、かゆみや赤み、抜け毛の増加など明らかに逆効果と思われる症状が出た場合には、すぐに使用を中断して頭皮を休ませることが大切です。

さらに症状が酷いときは、皮膚科やAGAクリニックなど医療機関を受診して専門家の意見を聞いてください。

症状が軽い場合の対処

軽いかゆみや赤みがある場合は、育毛剤の使用回数や量を一時的に減らして様子を見る方法があり、同時に、シャンプーやヘアケア製品を見直すなど、頭皮への刺激を総合的に減らす工夫も有効です。

また、一度に複数の育毛剤や発毛剤を使っていた場合は、製品を絞りこんで原因を特定しやすくしましょう。

症状が重い場合の受診

頭皮の炎症が広がって痛みがある、抜け毛が急増してしまった、というような重い症状が出た場合には、医師の診察が必要です。アレルギーが関係している可能性もあるため、放置するとさらに悪化するリスクがあります。

AGAが強く疑われる場合には、クリニックで治療薬の処方を受けるか、育毛剤や発毛剤の使用方法を再検討することが大切です。

抜け毛が増えたときのポイント

育毛剤を使い始めると、一時的に抜け毛が増える初期脱毛のような症状が出る場合があります。

これは頭皮のサイクルが変化している過程で起こるともいわれていますが、初期脱毛なのか副作用による脱毛なのか判断が難しいときは専門家に相談するのが安心です。

副作用を疑う症状

症状可能性
頭皮の強いかゆみアレルギー反応、過剰なアルコール刺激など
赤みや湿疹皮膚炎や接触性皮膚炎
髪全体の抜け毛増初期脱毛または成分が合わないことによる脱毛
むくみや動悸ミノキシジルなどの血行拡張成分が体質に合わない可能性

AGA治療との違いと併用の考え方

育毛剤は、薄毛の予防や進行を緩やかにすることが期待されるものの、AGA(男性型脱毛症)が進んでいる段階では十分な効果を得られない場合があります。

AGA治療では内服薬や外用薬を使うため、育毛剤だけでは難しいケースも少なくありません。

AGA治療薬と育毛剤の役割

AGA治療薬として代表的なものは、フィナステリドやデュタステリドなどの内服薬と、ミノキシジル外用薬で、男性ホルモンの働きを抑えたり、血行を強力に促進したりすることで発毛を促す役割を担います。

育毛剤は、これらの治療薬ほど直接的な作用ではありませんが、頭皮環境を整えることで抜け毛を防いだり髪の成長をサポートしたりし、治療薬と併用する場合は、医師に相談したうえで安全性を確認しましょう。

クリニックで相談するメリット

AGAが疑われる場合、自分で育毛剤を使用するだけでは改善が難しいケースが多いです。専門のクリニックなら、頭皮や髪の毛の状態を詳しく診断し、必要に応じて血液検査やホルモン検査などを行い、治療法を提案してくれます。

また、副作用の管理や進行度合いのチェックを定期的に行うことで、頭皮へのダメージを最小限に抑えながら発毛や育毛を目指しやすくなります。

併用の際に気をつけたい点

AGAの治療薬と育毛剤を併用することで、より多角的なアプローチが可能になりますが、使用方法を間違えると頭皮への負担が大きくなります。

かゆみや炎症などの副作用が強まるリスクもあります。担当医師と相談しながら使用時間や量を調整するのが理想です。

AGA治療と育毛剤

項目AGA治療薬育毛剤
主な成分フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルなどセンブリエキス、グリチルリチン酸など
医師の関与処方箋が必要な場合が多い市販製品や医薬部外品は自己判断で購入可能
効果の現れ方発毛促進と抜け毛抑制が強い傾向頭皮環境の改善や抜け毛予防が中心
副作用のリスク性機能への影響やむくみなどかゆみや炎症など
費用クリニックや薬局で異なる市販品は比較的幅広い価格帯

間違ったケアで起こりやすい逆効果の例

育毛剤だけではなく、薄毛対策としてのヘアケアや生活習慣の選択を間違えると、かえって髪や頭皮に負担がかかってしまいます。逆効果になる例をいくつか見ておきましょう。

シャンプーのやりすぎ

清潔を保とうと1日に何度もシャンプーすると、必要な皮脂まで洗い流してしまい、頭皮が乾燥しすぎます。すると頭皮は防御反応として皮脂を過剰に分泌し、ベタつきや匂い、毛穴の詰まりを起こすことがあります。

また、洗いすぎにより頭皮のバリア機能が損なわれ、シャンプーの成分や育毛剤の成分で炎症を起こすリスクも高まります。

栄養バランスの偏りと過剰摂取

亜鉛やビタミン類など、髪に良いとされる栄養素を過剰に摂取する人がいますが、サプリメントや健康食品の過剰摂取は逆効果になり、体内のバランスを崩して頭皮や髪の健康を損なう可能性があります。

プロテインの摂取も適量なら良いですが、過剰摂取で肝臓や腎臓に負担がかかり、髪の成長に必要な栄養が不足する場合もあるため注意してください。

過度なヘアスタイリング

整髪料を多量に使うと、頭皮にまで付着して毛穴を塞ぐことがあり、さらに毎日のアイロンやドライヤーの高温で髪と頭皮を痛めると、育毛剤の効果を得にくくなる可能性があります。

髪を固めるスプレーやジェルは必要最低限に留め、寝る前にはしっかり洗い流すことが大切です。

強いマッサージによる頭皮の傷

頭皮マッサージは血行促進に有効ですが、力を入れすぎると頭皮を傷つけ、炎症やフケを招くリスクがあるので、育毛剤を塗布する前後のマッサージは優しく行うとともに、爪を立てないよう気をつけてください。

間違ったケア

ケア方法逆効果の理由主なトラブル
1日2回以上のシャンプー必要な皮脂まで奪い乾燥→皮脂過剰分泌頭皮のベタつき、かゆみ
サプリの大量摂取栄養バランス崩れで体調不良、髪にも悪影響肝臓負担、薄毛進行
整髪料の使いすぎ毛穴が詰まって有効成分が浸透しにくい抜け毛増加、炎症
強い頭皮マッサージ物理的ダメージで炎症が広がるかさぶた、出血

生活習慣を整えることで育毛剤の効果を高める

薄毛対策として育毛剤を使用するだけでなく、日常生活から頭皮と髪に良い習慣を取り入れると効果を感じやすくなります。頭皮の血行を促進したり、ホルモンバランスを整えたりするために、以下のようなポイントを意識してみましょう。

睡眠とストレス管理

睡眠不足や強いストレスは、ホルモンバランスや血行に悪影響を与え、髪の毛の成長期を短くして抜け毛を増やす原因になることもあるため、できるだけ規則正しい睡眠リズムを心がけることが大切です。

ストレスの緩和には軽い運動や趣味を見つけるなど、気分転換の手段を活用します。

食事のバランスと水分補給

髪の毛を作る成分としてタンパク質やミネラル、ビタミンなどが大切で、肉や魚、大豆製品などをバランス良く摂取し、緑黄色野菜や海藻類も加えて栄養バランスを保ちましょう。

過度なダイエットやファストフードの多用は栄養不足につながり、髪の成長を阻害します。

また、体内の水分不足は血液の粘度を高めて血行不良を招き、薄毛を悪化させる可能性があるため、適度な水分摂取を意識することが重要です。

  • 動物性・植物性のタンパク質をバランスよく摂る
  • ビタミンB群、亜鉛、鉄分などミネラルを含む食材を意識する
  • 午後~夜にかけて水分補給を怠らない
  • 糖質や脂質の摂りすぎに注意する

適度な運動で血行を促進する

ウォーキングや軽いジョギング、筋トレなど適度な運動を取り入れると、全身の血行が良くなり頭皮にも栄養が届きやすくなります。過度な運動は逆効果になりうるため、無理のない範囲で継続することが大切です。

紫外線対策と頭皮の保護

紫外線は頭皮にダメージを与え、炎症や乾燥を起こす要因になるので、夏場は帽子を活用したり、直射日光を避けたりして頭皮を保護することを心がけましょう。紫外線を過剰に浴びると、育毛剤の効果を実感しにくくなるリスクも高まります。

生活習慣の見直しに役立つチェック項目

項目内容
就寝時間午後11時~午前2時に髪の成長ホルモンが分泌されやすい
食事バランスタンパク質・ビタミン・ミネラルを多く含む食事
運動習慣週に2回以上の軽い運動で血行を促す
紫外線対策帽子や日傘を利用し頭皮を守る
ストレス解消の方法趣味やリラクゼーションで精神的負荷を軽減

育毛剤をやめるタイミングや乗り換え方法

育毛剤を使っていても思ったほど効果を感じなかったり、頭皮トラブルが起こったりする場合、使うのをやめるべきか迷うかもしれません。

安易にやめるのも注意が必要ですが、トラブルを放置するのも良くありません。正しい判断と乗り換えの方法を考えましょう。

効果を実感するまでの目安期間

髪の毛はヘアサイクルという周期で成長するため、育毛剤を使い始めてすぐに効果が出るわけではなく、個人差はありますが、少なくとも3~6カ月程度は続けて様子を見るのが一般的です。

1~2週間で判断してしまうと、本来の効果を見落としてしまう可能性があります。

トラブルが続くなら使用を中止

頭皮のかゆみや赤み、抜け毛の急増などが数週間たっても改善しない場合は、育毛剤が合わないか、使い方が間違っているケースが考えられます。

一度使用を中止して頭皮を落ち着かせ、それでも症状が治まらなければ医師に相談するのが望ましいです。

製品の乗り換えやAGA治療への切り替え

育毛剤を変えるときは、今使っている製品をいきなり捨てて新しいものに切り替えるのではなく、症状や効果を考慮しながら段階的に変更すると頭皮への負担を減らせます。

AGAが疑われる場合や、育毛剤では歯が立たないほど薄毛が進行している場合は、早めにクリニックで治療薬の使用も検討してください。

育毛剤の使用をやめる前にチェックしたいこと

  • 最低3カ月以上継続したか
  • 頭皮トラブルが長引いていないか
  • 複数の育毛剤を同時に使っていないか
  • シャンプーやヘアケアとの相性はどうか
  • AGA治療の必要性はないか

まとめ

育毛剤が逆効果になる原因は、使用方法の誤りや頭皮環境の乱れ、成分の過剰な刺激、AGAなどの要因が複雑に絡み合っていることが多いです。

髪を育てたいからといって、無闇に何種類もの育毛剤を使ったり、適量を超えて頭皮に塗布したりすると、かえって薄毛や抜け毛を促進させる結果につながります。

大切なのは、育毛剤の正しい使い方と、頭皮環境を総合的に整えるケアを並行することで、シャンプーの見直しや生活習慣の改善、栄養摂取といった地道な対策を続けながら、自分の頭皮タイプや髪の状態に合った製品を使いましょう。

AGAが疑われる場合や、副作用が不安な方はクリニックに足を運んで専門家の意見を取り入れると、より安全かつ効果的に薄毛対策を進められます。

参考文献

Semalty M, Semalty A, Joshi GP, Rawat MS. Hair growth and rejuvenation: an overview. Journal of dermatological treatment. 2011 Jun 1;22(3):123-32.

Rossi A, Cantisani C, Melis L, Iorio A, Scali E, Calvieri S. Minoxidil use in dermatology, side effects and recent patents. Recent patents on inflammation & allergy drug discovery. 2012 May 1;6(2):130-6.

Nestor MS, Ablon G, Gade A, Han H, Fischer DL. Treatment options for androgenetic alopecia: Efficacy, side effects, compliance, financial considerations, and ethics. Journal of cosmetic dermatology. 2021 Dec;20(12):3759-81.

Lacouture M, Sibaud V. Toxic side effects of targeted therapies and immunotherapies affecting the skin, oral mucosa, hair, and nails. American journal of clinical dermatology. 2018 Nov;19(Suppl 1):31-9.

Patel S, Sharma V, S. Chauhan N, Thakur M, Dixit VK. Hair growth: focus on herbal therapeutic agent. Current drug discovery technologies. 2015 Mar 1;12(1):21-42.

Jain PK, Das DE, Das C. Prospect of herbs as hair growth potential. Innovare Journals of Medical Sciences. 2017;5(1):25-33.

前田 祐助

この記事の監修者
AGAメディカルケアクリニック 統括院長

経歴

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
前田 祐助

詳しくはこちら