子供でも円形脱毛症になるのはなぜ？ストレスとの関係やどのくらいで治るのか徹底解説

「子どもが円形脱毛症になったけどどのくらいで治る？」「早く治す方法はあるの？」と気になっているあなた！

結論、円形脱毛症の患者の約4分の1は15歳以下の子供で、最も多いといわれている単発型は半年から1年ほどで治る傾向にあります。

しかし、全頭型や汎発型の円形脱毛症は長期間症状が固定することが多く、自然治癒は難しいとされています。

本記事では、子供が円形脱毛症になる理由から早く治す方法まで詳しく解説。ぜひ、参考にしてください。

参考：脱毛症外来 | 東京医科大学 皮膚科学分野

子供もかかる円形脱毛症とは｜抜毛症との違いも解説

円形脱毛症とは、円形または楕円形に突然髪の毛が抜け始める病気のこと。

多くの場合、なんの前触れもなく脱毛し始めます。

しかし、円形脱毛症の患者の約4分の1には、爪の小さな凹み・溝の変化などが見られると言われているため、爪の変化から気づくことがあります。

円形脱毛症には、単発型・多発型・蛇行型・全頭型・急速進行型の5つの種類があります。

小さめの脱毛斑が1つあるような「単発型」が約6〜7割を占め、その中の約80%は1年以内に自然治癒する場合が多いといわれています。

一方で、脱毛部位の範囲が全頭に及ぶような「全頭型」や、髪の毛だけでなくまつ毛や眉毛など体内の毛も抜け落ちるような「汎発型」があります。

「全頭型」や「全頭型」などに発症してしまうと、悪化する可能性が高く10年以上病気と付き合わなければならない場合もあります。

違和感を感じたら早めにクリニックを受診して、専門医に相談するようにしてください。

子供の円形脱毛症と抜毛症の違い

円形脱毛症は、突然毛が抜けてしまう病気のこと。

一方、抜毛症は、自分で毛を抜いてしまう病気のことを指します。

円形脱毛症の場合は、基本的に円形で頭皮をさわるとツルツルしていることが多いです。

しかし、抜毛症の場合は、自分で毛を抜いているため、周囲に切れ毛が多く、頭皮をさわるとザラザラしているのが特徴です。

円形脱毛症と抜毛症は全く違う病気のため、区別が必要です。

なぜ子供でも円形脱毛症になるの？原因はストレスだけではない

円形脱毛症の原因は、自己免疫疾患・アトピー素因・ストレス・遺伝などさまざまな説が考えられています。

その中でも、一番有力とされているのが「自己免疫疾患」です。

自己免疫疾患とは

自己免疫疾患とは、外部から体内に入ってきた異物を攻撃して排除する「免疫機能」になにかしらの異常が生じて、自分の体を異物と認識して攻撃してしまう病気のこと。

円形脱毛症は、リンパ球が毛根を異物と認識して攻撃してしまい発症すると考えられています。

しかし、なにかしらの異常がなぜ起こるのかは解明されていません。

円形脱毛症とストレスの関係

円形脱毛症と聞くと、真っ先に思いつく原因がストレスでしょう。

長年、ストレスが円形脱毛症の直接的な原因であると広く信じられてきましたが、実のところ、円形脱毛症とストレスの関連性が明確に立証されたわけではないのです。

実際、過去の調査で31名の円形脱毛症患者を精神科的に面接したところ、約74%の人々が以前に精神疾患の診断を受けたことがありました。

しかし、その中でも抗うつ状態と脱毛のパターンの間に明確な関連性は見られなかったのです。

参考：円形脱毛症患者における精神疾患の生涯有病率

子供の円形脱毛症はどのくらいで治る？

円形脱毛症は、「時間が経てば自然と治る」と考えている人もいるのではないでしょうか。

しかし、クリニックなどで治療を受けずに、ネットの情報だけで対処しようとすると、症状が悪化してしまう場合があります。

円形脱毛症の種類によって完治までの時間は異なりますが、一番軽い「単発型」は半年から1年ほどで治ることが多いといわれています。

しかし、冒頭で説明したような多発型・蛇行型・全頭型は治りづらく、10年以上の治療を必要とする場合もあります。

自己判断で放置せずに、早めにクリニックを受診して治療に専念しましょう。

円形脱毛症を早く治す方法｜子供ができる治療法を紹介

ここでは、子供でもできる治療法と、今すぐ実施できる対処法について紹介します。

早期治療

まずは、クリニックを受診して、専門医と相談しながら早期の治療を行いましょう。

円形脱毛症には、さまざまな治療法がありますが、子供にも推奨できる治療法は以下の3つです。

①ステロイド外用療法

ステロイド外用療法は、炎症を抑える効果の期待できるステロイドを脱毛した部分に塗って治していく治療法のこと。

症状の軽い「単発型」や脱毛斑の少ない「多発型」に行われることが多いです。

ステロイドの内服や局所注射もありますが、子供には刺激が強すぎるため、外用療法のみ適用されます。

また、副作用として、吹き出物や皮膚の菲薄化が見られる場合があります。

②ミノキシジル注射

ミノキシジル注射とは、発毛効果の期待できるミノキシジルを頭皮に直接注入する治療法のこと。

ミノキシジルを注射することによって、血管が拡張して血行が良くなり、毛乳頭に栄養が届きやすくなります。

その結果、髪の毛を太く、強くする効果が期待できます。

また、副作用として、倦怠感や動悸、むくみが見られる場合があります。

③局所免疫療法

局所免疫療法とは、脱毛斑にかゆみやかぶれを引き起こして、免疫反応を抑える治療法のこと。

年齢問わず誰でも受けられるのが特徴です。

感作させる治療法のため、毎回副作用としてかぶれが見られます。

かゆみが強く出てしまう場合もあるので、専門医と相談しましょう。

紫外線療法

紫外線療法とは、脱毛斑に紫外線を照射して、免疫反応を抑える治療法のこと。

さまざまな種類がありますが、子供に対しては、ナローバンド療法かエキシマレーザー療法が適用されます。

他の治療法と比べると、副作用が見られづらいのが特徴です。

生活習慣の見直し

円形脱毛症を早く改善するためには、生活習慣の見直しも大切です。特に、以下の2つには気をつけて生活しましょう。

睡眠は6時間以上

毎日、6時間以上の睡眠をとるようにしましょう。

睡眠時間が少ないと、頭皮の新陳代謝が乱れて、成長ホルモンが分泌されづらくなります。

成長ホルモンが分泌されないと、かゆみやフケなどの頭皮トラブルに繋がるので、あまり夜更かしせずに、早めの睡眠を心がけてください。

食事でビタミンB群をとる

毎日の食事で、ビタミンB群を積極的にとるようにしましょう。

ビタミンB群は、血行を改善して、頭皮や髪の毛に多くの栄養を与える効果が期待できます。

ビタミンB群は、バナナやささみ、たらこ、舞茸などからとることができます。

かつら・ウィッグを使う

円形脱毛症が治るまでは、かつらやウィッグを使うのも一つの手です。

円形脱毛症を発症したことによって、まわりからからかわれたり、いじめられたりして、ストレスを抱える場合もあります。

ストレスは、円形脱毛症の直接的な原因であるとはいえないものの、円形脱毛症の完治を妨げる原因になりうるので、必要に応じて隠す手段も視野に入れましょう。

子供の円形脱毛症にお悩みならクリニックへご相談を

子供でも円形脱毛症にかかる可能性は大いにあります。最も多い「単発型」でも治るまでに半年から1年ほどかかるといわれているので、気長に治療を続けることが大切です。

皮膚科などのクリニックで、円形脱毛症にお悩みの子供でも受けられる治療を提供しています。

子供の円形脱毛症にお悩みの人は、お早めにご相談してみると良いでしょう。