休止期脱毛症とは?AGAとの違いやコロナとの関係 | AGA・抜け毛・薄毛治療のAGAメディカルケアクリニック【公式】

休止期脱毛症とは?AGAとの違いやコロナとの関係

更新日
休止期脱毛症とは?AGAとの違いやコロナとの関係
監修医師

前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

【経歴】

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、薄毛・AGA治療の2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
  4. 2020年に2院目となるAGAメディカルケアクリニック横浜院を開設
  5. 2023年に3院目となるAGAメディカルケアクリニック東京八重洲院を開設

【資格】

  1. 医師免許
  2. ⽇本医師会認定産業医
  3. 医学博士

【所属学会】

  1. 日本内科学会
  2. 日本美容皮膚科学会
  3. 日本臨床毛髪学会

【症例数】

  1. 3万人以上※
  2. ※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数
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前田 祐助

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近年、新型コロナウイルスの後遺症による「コロナ抜け毛」が増えており、症状などから休止期脱毛症であると考えられています。

「コロナに罹った後、抜け毛が増えた気がする」
「休止期脱毛症とAGAの違いは何?」

このような不安や疑問を持つ方も、増えたのではないでしょうか。

この記事では、休止期脱毛症の症状や原因について詳しく解説します。AGAとの違いやコロナウイルスとの関係についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

休止期脱毛症とは|毛髪の休止期を占める割合が大きくなり抜け毛が増える症状のこと

毛周期

休止期脱毛症とは、なんらかの原因で毛髪の多くが休止期になり、抜け毛が増える症状のことを言います。

頭頂部や後頭部から徐々に進行するAGAとは違い、側頭部も含む頭部全体から急激に脱毛するのが特徴です。

髪の毛には「成長期→退行期→休止期」のヘアサイクル(毛周期)があり、休止期に入った古い髪は下から生えてくる新しい髪によって、押し出されるように抜け落ちます。

一般的に、休止期の髪は髪全体の約10~20%ほどで保たれていますが、休止期脱毛症を発症するとこの割合が増加し、抜け毛が増えてしまうのです。

また、休止期脱毛症は大きく以下の3種類に分けられています。

  • 急性休止期脱毛症
  • 慢性びまん性休止期脱毛症
  • 慢性休止期脱毛症

それぞれ症状や原因、対処法が異なりますので、専門医の診察を受けることが大切です。

休止期脱毛症の原因

疑問

休止期脱毛症には、さまざまな原因があると言われています。代表的なものは、以下の6つです。

  1. 栄養不足
  2. 不規則な生活
  3. 極度のストレス
  4. 出産
  5. 内科的疾患
  6. 薬剤投与

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

原因①栄養不足

栄養不足が髪の成長を妨げる大きな原因のひとつであることは、言うまでもありません。

ジャンクフード中心の生活や、過度のダイエットなど食生活に問題がある場合は、これらを見直すことで、抜け毛が改善する可能性があります。

とくに、髪のもととなるタンパク質は、日頃から摂取量を気にするようにしましょう。

原因②不規則な生活

不規則な生活や睡眠不足は、ストレスの増加やホルモンバランスの乱れを引き起こし、休止期脱毛症の原因となることがあります。

また、過度の飲酒や喫煙も避けるべきです。深酒は睡眠の質を悪くしますし、タバコに含まれるニコチンには血管収縮作用があり、髪の成長を妨げてしまいます。

健康的な頭皮環境を保つためにも、生活リズムを整え、十分な睡眠をとることが大切です。睡眠不足や不眠にお悩みの方は、医師に相談することも検討してみましょう。

原因③極度のストレス

極度のストレスは休止期脱毛症に限らず円形脱毛症など、あらゆる脱毛症の引き金になると言われています。

脱毛によるストレスから、さらに脱毛を悪化させたり、他の脱毛を併発してしまう悪循環に陥ってしまうケースも少なくありません。

自分なりのストレス発散方法を見つけ、ストレスを解消する術を身につけることが大切です。

原因④出産

出産から2~3ヶ月後に起こる「産後脱毛」も休止期脱毛症の一種と言われています。

産後脱毛は妊娠中から産後にかけて、ホルモンバランスが急激に変化することが原因です。

妊娠中は女性ホルモンが多く分泌されて髪が成長しつづけますが、産後は女性ホルモンが一気に減少し、休止期の割合が増えて抜け毛が起こります。

産後の脱毛は多くの女性が経験することで、半年~1年ほどで自然に回復する場合がほとんどですが、もし長期間経っても抜け毛が気になる場合は、医師にご相談ください。

原因⑤内科的疾患

甲状腺疾患や膠原病などの内科的疾患は、慢性的な休止期脱毛症を伴うケースがあります。

ただし、休止期脱毛症が起きたからと言って、これらの病気が疑われるわけではないのでご注意ください。

また、糖尿病や貧血などで抜け毛が起こる場合もあります。

一般的に、内科的疾患による休止期脱毛症を治すには、原因となる疾患の治療が必要です。

原因⑥薬剤投与

服用している薬の副作用によって、休止期脱毛症が起こることがあります。

休止期脱毛症が起こりやすいと言われている薬剤は、以下の7つです。

  • ヘパリンとヘパリン類似物質
  • インタフェロンα
  • エトレチナート(乾癬の薬)
  • バルブロ酸(双極性障害の薬)
  • カルバナゼピン(てんかんの薬)
  • ワーファリン
  • シンバスタチン

上記以外にも、脱毛が起こる可能性のある薬は数多く存在します。

服用を中断するのが難しい薬も多いので、服用している薬に不安があったり、脱毛が気になる方は、かかりつけの医師にご相談ください。

休止期脱毛症と新型コロナウイルスの関係

マスク生活

新型コロナウイルス感染による後遺症や、そのストレスによって脱毛が起こることがあり、これらは「コロナ抜け毛」とも呼ばれています。

国立国際医療研究センターが実施したコロナ後遺症についての追跡調査によると、新型コロナ患者の24.1%(約4人に1人)が脱毛症を報告したそうです。

参考: Prolonged and Late-Onset Symptoms of Coronavirus Disease 2019

原因はいまだわかっていませんが、頭部全体に抜け毛が発生する症状や、女性の患者数も多いことから休止期脱毛症であると言われています

発熱などの症状による体への生理的ストレス、治療や自粛に伴う精神的ストレスなどが発症のきっかけになっている可能性は高そうです。

コロナ後にAGAを発症するケースもあり、症状によってはクリニックで治療できますので「コロナに罹ってから抜け毛が増えた…」と感じる方は一度、クリニックまで足を運んでみてください。

休止期脱毛症とAGAの違い

薄毛が気になる男性

休止期脱毛症とAGA(男性型脱毛症)は、原因や症状、治療法が異なります

休止期脱毛症AGA(男性型脱毛症)
原因栄養不足、ストレス、ホルモンの変化、内科的疾患などさまざま男性ホルモンの一種により、ヘアサイクルが乱れることにより起こる
脱毛の症状頭部全体が急激に脱毛する頭頂部や後頭部から徐々に脱毛が進行する
治療法確立されていない内服薬・外用薬・注入治療など

休止期脱毛症は側頭部も含めて頭部全体から脱毛するのが特徴です。ストレスや内科的疾患など、さまざまな原因が考えられ、有効な治療法はいまだ確立されていません。

一方でAGAは、頭頂部や後頭部から薄毛が徐々に進行するのが特徴です。

男性ホルモンの一種であるテストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)に変換されることが原因で、30代で12%、40代で32%と多くの男性に起こりうる薄毛症状です。

投薬治療や注入治療による治療が一般的です。進行型の脱毛症のため、基本的には治療をしなければ進行を続けます。

いずれの脱毛症も早期治療が大切です。併発する場合もあるため、薄毛が気になりだしたら早めに医師にご相談ください。

休止期脱毛症が回復するまでの期間

聴診器とカレンダー

急性休止期脱毛症の場合、脱毛から3ヶ月程度で回復し始めることが多いです。

ヘアサイクルから考えると、髪が成長して元の状態に戻るまでは半年から1年程度が目安になるでしょう。

ただし、内科的疾患による脱毛症や、薬剤性脱毛症の場合は、原因を排除しないと脱毛が続いてしまう可能性があります。

休止期脱毛症が長期間続く場合や不安がある場合は、1人で悩まず医師にご相談ください。

休止期脱毛症の治療法

薬

休止期脱毛症は原因がさまざまで、現時点では有効な治療法が確立されていません

自然に回復することも多いため、基本的には経過観察や、サポート的な治療のみ行うクリニックも多いようです。

たとえば、生活習慣の改善やストレス対策、食生活のアドバイスなどです。※クリニックによっては、ミノキシジル等を処方する場合もあります

しかし、最近ではコロナの後遺症による「コロナ抜け毛」が急増していることから、休止期脱毛症を対象にした発毛薬の治験が、大手製薬会社で開始されています。

参考:休止期脱毛症を対象としたミノキシジル5%配合外用剤の発毛効果に関する治験を開始

今後研究や治験が進んでいけば、有効な治療法や治療薬が見つかるかもしれません。

休止期脱毛症にまつわるよくある質問

診察

休止期脱毛症について、よくある質問をまとめました。

休止期脱毛症は皮膚科で治療できますか?

休止期脱毛症は、皮膚科で診療してもらうことはできますが、根本的な治療法はまだ確立されていません

自然に回復することも多いため、経過観察のみのクリニックも多く、サプリメントによる栄養補助など、サポート的な治療しか提供していない可能性があります。

内科的疾患による脱毛症や、服用している薬による薬剤性脱毛症の場合は、かかりつけ医にご相談ください。

休止期脱毛症に市販のミノキシジルは使えますか?

使用を継続することで、今ある毛を太くしたり、発毛を促進する効果は期待できます

ただし、休止期脱毛症に効果があるかどうかは不明で、現在大手メーカーが治験を行っているところです。

参考:休止期脱毛症を対象としたミノキシジル5%配合外用剤の発毛効果に関する治験を開始

ミノキシジルを使用する場合は医師や薬剤師に相談の上、用法・容量を守って正しくお使いください。

休止期脱毛症はいつまで続きますか?

出産や手術など、強いストレスによる急性休止期脱毛症の場合は、脱毛から3ヶ月ほどで回復し始めるケースが多いです。

元の状態に戻るまでは、およそ半年から1年ほどが目安になります。

ただし、内科的疾患や、薬剤が原因で起こる脱毛症の場合は、原因を排除しないと回復する可能性は低いです。

脱毛が気になる場合や、薬の服用を中断したい場合などはかかりつけ医にご相談ください。

休止期脱毛症は毛根に特徴がありますか?

休止期脱毛症では、毛根に特徴はありません。しいて言えば、長く硬い毛がそのまま抜けるのが特徴です。

AGAのように徐々に毛が細くなったり、柔らかくなったりする症状は見られません。

抜け毛が増えたと感じたらまずは医師にご相談を

腕を組む医者

コロナ禍で急増したと言われる休止期脱毛症は、AGAとは違い、原因がさまざまで治療法も確立されていないのが現状です。

ただし、半年から1年ほどで自然に回復する例も多く、あまり悲観したり不安に感じる必要はありません。

不安によるストレスで悪化したり、AGAや円形脱毛症など他の脱毛症が併発するケースもあります。

抜け毛にお悩みの際は1人で抱え込まず、医師までご相談ください。

前田 祐助

この記事の監修者
AGAメディカルケアクリニック 統括院長

経歴

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
前田 祐助

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