「フィナステリドにはどんな効果があるの?」
「副作用が少ないって本当?」
AGA治療に興味がある方なら、フィナステリドという薬の名前を誰しも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
フィナステリドでの治療を検討している方のため、この記事では
について詳しく解説していきます。
目次
フィナステリドは、世界中で利用されているAGA治療薬「プロペシア」のジェネリック医薬品です。
もとは前立腺肥大症の治療薬として開発された薬ですが、服用者に毛髪増加の症状が見られたことから、のちにAGA治療薬として利用されるようになりました。
2020年現在、日本でフィナステリドを製造・販売している製薬会社は全部で10社あります。
フィナステリドとプロペシアは混同されやすいので、2つの違いを以下にまとめてみました。
商品名 | 区分 | 主成分 |
---|---|---|
フィナステリド錠「◯◯※」 | ジェネリック医薬品 | フィナステリド |
プロペシア | 先発薬 | フィナステリド |
※◯◯には製造元の会社名。ジェネリック医薬品の名称は成分名+会社名で表記することが定められています。
新薬の開発には長い時間と莫大な費用がかかるため、特許権を20年と定め、この間は薬の独占販売が認められます。特許期間が終了すると、新薬と同じ有効成分・効能・用法用量のジェネリック医薬品の販売が可能となります。
これによって、さまざまな製薬会社がジェネリック医薬品の開発・販売をはじめるのです。
まとめると、
ということです。
フィナステリドは、AGA発症にかかわる5αリダクターゼという酵素の働きを阻害する薬です。
5αリダクターゼとは、消化や吸収、排泄など体内で起こる化学変化にかかわる還元酵素の一つです。AGA発症においては、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、より強力な男性ホルモンDHTに変換される際に必要とされます。
DHTは、抜け毛の直接的な原因となる悪玉のホルモンです。頭皮に存在するホルモン受容体と結合すると、髪が抜けるように指令を出すTGF-βという脱毛因子を生成します。
この脱毛因子の働きによってヘアサイクルが乱れ、薄毛が進行していくのがAGA発症のメカニズムです。
フィナステリドが5αリダクターゼを阻害できれば、DHTやTGF-βといった薄毛の原因物質が増えることはありません。「5αリダクターゼを制するものはAGAを制す」と言われることがあるほど、AGA治療では5αリダクターゼの阻害が重要であると考えられているのです。
ちなみに、5αリダクターゼには
があり、フィナステリドはⅡ型のみに作用します。
2020.10.26
5αリダクターゼとAGA発症の原因|抑制方法・Ⅰ型・Ⅱ型の見分け方はある?
フィナステリドは、医師の処方のもとクリニックで購入するのが一般的です。
ここからは具体的な購入方法と費用相場について詳しく解説していきます。
フィナステリドを処方してもらうためには、まずAGA治療専門のクリニックや薄毛の治療ができる皮膚科を受診し、AGAと診断される必要があります。
フィナステリドはもともと、前立腺肥大症の治療薬として開発された薬ですが、前立腺肥大症とAGAとでは用量が異なります。
そのため、「フィナステリド錠」と名前のつく薬がAGA以外の治療のために処方されることはありません。
AGA治療薬の中にはネットで手軽に購入できるものもあるようですが、フィナステリドを通販で購入することはできません。
これは、フィナステリドが医療用医薬品に指定されているためで、医師の診察なしに薬を入手することはできないのです。
AGA治療薬の通販サイトではプロペシアのジェネリック薬が販売されていますが、こちらは海外で製造されたものであり、日本製のフィナステリドではありません。
フィナステリドの1ヶ月あたりの費用相場は、3,000〜8,000円です。
AGA治療自体が自由診療なので、クリニックやメーカーによって価格に開きがあります。
2020.11.14
【医師監修】AGA治療薬の個人輸入は危険?海外産のプロペシアやミノキシジルの種類と注意点
安全性が高いことで知られるフィナステリドですが、副作用のリスクはゼロではありません。
ここでは、フィナステリドの服用で起こりうる以下2つの副作用について解説していきます。
フィナステリドを服用すると、まれに性欲減退や勃起機能不全といった男性機能の低下が見られます。
副作用のお話をすると薬に対して不安を感じる方も多いのですが、フィナステリドで性欲減退が見られる確率は1%未満と非常に低い数字です。
薬の臨床実験では、プラセボ(偽薬)でもほぼ同じ割合で性欲減退の副作用が見られたという報告があります。これは、副作用に対する不安や思い込みによって生じたものと考えられるでしょう。
フィナステリド服用中の子作りも問題ありませんので、安心して服用してください。
フィナステリドで肝機能障害が起こる可能性も極めて低いのですが、肝臓に持病がある方は注意が必要です。
これは、薬が分解される時に肝臓に負担がかかることが大きな理由です。肝機能に何らかの障害をお持ちの方は、そうでない方に比べて肝臓への負担が大きくなると考えられています。
クリニックとしても、肝臓に持病がある方へのフィナステリド投与は慎重に行なう必要があるため、受診の際は持病について必ずご申告ください。
フィナステリドの用法用量は1日1回1錠です。
服用時間に決まりはありませんが、飲み忘れを防ぐために毎日同じ時間に服用する習慣をつけるのがいいでしょう。
もし飲み忘れても2日分をまとめて服用する必要はありません。飲み忘れに気づいたタイミングから用法用量を守って服用を再開してください。
フィナステリドは、お酒を飲んだ後でも問題なく服用できます。ただし、過剰な飲酒は頭皮環境を悪化させる原因となるため、育毛の観点からお酒の飲みすぎには注意が必要です。
フィナステリドの効果は、男性型脱毛症のみに作用するものなので、女性が服用することはできません。
フィナステリドで女性の薄毛が改善することはないですし、ホルモンバランスの変化によって健康被害が生じる可能性も考えられます。
とくに、妊娠中または妊娠の可能性がある女性は、フィナステリド服用によって胎児の生殖機能に悪影響を与える恐れもあります
また、フィナステリドは皮膚からも吸収されるため、女性がうっかり薬に触れることのないよう男性側の配慮も必要です。
ここからは、フィナステリドについて多く寄せられる質問についてお答えしていきます。
フィナステリドとデュタステリドの具体的な違いは次のとおりです。
先発薬の名称 | 有効成分の名称 | 効果 | |
---|---|---|---|
フィナステリド | プロペシア | フィナステリド | Ⅱ型の5αリダクターゼを阻害 |
デュタステリド | ザガーロ | デュタステリド | Ⅰ・Ⅱ型の5αリダクターゼを阻害 |
フィナステリドとデュタステリドは、どちらも5αリダクターゼを阻害することで薄毛を予防する成分です。
フィナステリドは、前頭部や頭頂部に存在するⅡ型の5αリダクターゼのみに作用しますが、デュタステリドは全身に広く存在するⅠ型にも働きかけるのが大きな特徴です。Ⅰ型とⅡ型両方に作用するとあって、デュタステリドの方が強力な効果が期待できると考えられます。
ジェネリック薬としてのフィナステリド錠は、2020年現在で10社の製薬会社から販売されています。対してデュタステリドは、2020年10月にジェネリック薬の販売がはじまったばかりです。
併用できます。
ミノキシジルは、血行促進や髪の成長因子の産生を促すことで発毛させる、いわば「攻め」タイプの薬です。5αリダクターゼの阻害によって薄毛を予防する「守り」タイプのフィナステリドとは、そもそもの働きが異なるため併用が可能です。
ちなみに、フィナステリドとデュタステリドはAGAに対し同じアプローチをするため、この2つを併用することはできません。
フィナステリドとノコギリヤシには、医薬品かそうでないかという決定的な違いがあります。
フィナステリドは、医師の処方がなければ購入することができない医薬品です。安全性の高い薬ですが、まれに副作用が起こることから、用法用量を守って正しく服用する必要があります。
対して、ノコギリヤシは市販のサプリメントにも配合される育毛成分の一つです。過剰に摂取しなければ重篤な副作用が起きることはなく、医師の処方もいりません。
フィナステリドは、AGA発症のきっかけとなる5αリダクターゼを阻害し、薄毛の進行を予防する薬です。
安全性が高く、いくつかあるAGA治療薬の中でも比較的安価で購入できるので、気になる方は専門クリニックへ問い合わせしてみるといいでしょう。
当院では、一人ひとりに合った最善の治療法をご提案しています。「恥ずかしい」「クリニックに行く時間がない」という方は、ぜひ当院のLINEによる簡易診察をご利用ください。
早めの対処で薄毛の悩みを一緒に解消していきましょう。