10円ハゲの原因とは？早く治す方法やしてはいけないことを解説

「一か所だけハゲている……」「10円ハゲってどうしたら治るの？」と悩んでいませんか？隠したりごまかしたりするのも一苦労で、人目が気になり外出が億劫で引きこもりがちになってしまう方もいらっしゃいます。

10円ハゲという言葉はよく耳にしますが、具体的な原因や治療方法を知らないという方は少なくないでしょう。

この記事では10円ハゲの原因や治療方法・注意点まで詳しく紹介しています。適切な症状改善の方法が見つけられますので、ぜひ参考にしてください。

10円ハゲとは「円形脱毛症」による症状

円形脱毛症という言葉は聞きなじみがある方も多いでしょう。実は10円ハゲと円形脱毛症の症状は同じです。下記では円形脱毛症について具体的に解説しています。ほか脱毛症との違いについても紹介していますので、チェックしてみてくださいね。

円形脱毛症とは

円形脱毛症とは頭髪の一部が円形状に抜け落ちる病気です。先天性の異常によるものではなく、何らかの原因がきっかけで突然発症します。

髪の毛が長く隠せる位置ならまだしも、周りの目につきやすい位置に発症した場合は、外出が億劫になってしまうこともあるでしょう。自然治癒を望める場合もありますが、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら患部が肥大していくケースもあります。

小さい子どもや女性も発症するケースがある

円形脱毛症は成人男性に限らず、小さい子どもや女性も発症するケースがあります。

子どもの場合は自分で気づかず、親が発見するというケースが多いでしょう。見た目に影響してしまうことから、登校拒否や引きこもりなど普段通りの日常が奪われてしまうことも少なくありません。

性別や年齢に限らず、円形脱毛症は早期発見と適切な処置が重要です。気になる症状が見られた際は、早めに専門のクリニックを受診されることをおすすめします。

他の脱毛症との違い

円形脱毛症以外にも、AGAやびまん症といった、ほかの脱毛症があります。症状の違いは以下の通りです。

	原因	症状	範囲
円形脱毛症	原因は1つではなく明確でない	頭髪の一部分が抜け落ちる	・単発型（頭皮の一部分）・多発型（複数個所にできる）
AGA	・遺伝・ストレス・生活習慣など	・抜け毛や薄毛・髪が抜け落ち生えてこない	額やつむじなどから徐々に
びまん症	・頭皮の血行不良・栄養不足など	・抜け毛や薄毛・髪のボリュームがなくなる	頭髪全体的

円形脱毛症は単発型の場合は他の脱毛症と比べると、範囲が狭く症状の改善も期待しやすい病気です。治療が遅れたり、または自己判断で誤った治療を行うと症状が悪化したりして、患部が広がるケースもあるので注意しましょう。

いずれも、医師に相談し適切な治療を行うことが大切です。

10円ハゲのタイプ

10円ハゲのタイプは二種類あり、一箇所のみの単発型と複数箇所にできる多発型に分かれます。いずれも脱毛の範囲が少なければ軽症と判断されますが、範囲が25％を超えると重症です。それぞれのタイプの特徴について詳しく見ていきましょう。

単発型

円形や楕円形に脱毛している箇所が一箇所の場合、単発型円形脱毛症に分類されます。円形脱毛症の中では最も軽症であり、患者さんの約8割は発症から1年以内で治るといわれています。

自然治癒が望めるケースもありますが、症状が進行し多発型へ移行するケースもあるため、注意して見ていきましょう。

多発型

多発型円形脱毛症は名前の通り、円形や楕円形の脱毛箇所が複数あることを指します。再発を繰り返しやすく、脱毛箇所がつながり範囲が広くなってしまうなど、注意と治療が必要な症状です。

多発型は、元々単発型であったケースが多いため、単発型の時点であまく見ず、一度専門クリニックを受診されることをおすすめします。

10円ハゲになる原因

10円ハゲになる原因は主に下記の4点が考えられます。

• 自己免疫疾患
• アトピー素因
• 遺伝
• 精神的ストレス

10円ハゲは大人だけでなく子どもも発症する可能性のある症状です。それぞれの原因がどのように関係しているのか、詳しく解説していきます。

自己免疫疾患

自己免疫疾患とは、通常自分の身体を守るために働く免疫が、無害である自身の身体の一部を異物とみなして攻撃してしまう病気です。円形脱毛症の場合は、毛包（髪の毛を生成する器官）を異物と勘違いし、攻撃することで起こります。

自己免疫疾患が原因となっている場合は、発毛剤や育毛剤を使用してもあまり効果が期待できません。かかりつけの医師に相談し、病気の症状改善ができれば、自然と円形脱毛症の症状も抑えられるでしょう。

ストレスや生活習慣の乱れで引き起こされている可能性もあるため、十分な睡眠や食事の栄養バランスを整えることも大切です。

アトピー素因

円形脱毛症の患者のうち約40％はアトピー素因を持っているといわれるほど、実はアトピーと脱毛症は深く関係しています。アトピー性疾患とは主に下記の通りです。

• アトピー性皮膚炎
• 気管支炎
• アレルギー性鼻炎

アトピー性疾患はアレルギーと関係が深く、鼻・喉・目などに症状が出ます。顔や頭皮、また腕・脚の汗がたまりやすい部分に湿疹ができ、強い痒みを伴うケースも多い病気です。

乳児から子どもにかけて発症するケースも多いため、症状の一つとして子どもでも円形脱毛症を引き起こします。アトピー性素因による脱毛症の場合も、まずは原因となっている病気の症状改善が重要となってきます。

遺伝

円形脱毛症がAGA（男性型脱毛症）によるものである場合は遺伝の可能性が高い傾向にあります。特に男性ホルモンの情報（X染色体）は母方から引き継がれるため、母方の祖父や曾祖父がAGAの場合は、約75％と高い確率で症状を遺伝することが分かっています。

ただし、AGAの可能性が高いと必ず円形脱毛症を引き起こすというわけではありません。AGAは進行スピードや症状も人それぞれであることが特徴です。日々の生活習慣などが影響するケースもあるため、規則正しい生活を心がけることで予防につながります。

精神的ストレス

精神的ストレスを受けると、心拍や体温を上げる働きがある交感神経が活発化されます。緊張するとドキドキして落ち着かなくなる感覚も交感神経の影響です。日常誰にでも起こりうることで、通常害はありません。

しかしこの状態が長く続くと、血管の収縮が起こり毛根部へ栄養が届きにくくなるため、脱毛が引き起こされる恐れがあります。また、精神的ストレスは自己免疫疾患や内分泌異常など、その他の病気を引き起こす原因の一つにもなるため注意してください。

10円ハゲを早く治すためには

10円ハゲができてしまった場合は「一刻も早く治したい」と、考える方が多いでしょう。

10円ハゲを治すためには下記の三つがとても重要です。

• 規則正しい生活を送ること
• 頭皮をかきむしらないこと
• 自己判断で医薬品を使わないこと

10円ハゲは症状に合わせて適切な処置を行うことが大切です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

規則正しい生活を送ること

10円ハゲを早く治したいなら、まずは生活習慣を見直し規則正しい生活を心がけましょう。食事面では、健やかな髪の毛をつくるために必要な栄養素をバランスよく取り入れることが重要です。

また、さまざまな病気を引き起こす原因の一つであるストレス緩和に努めることが大切です。ストレスの蓄積は睡眠不足も大きく関係していると考えられます。

• 決まった時間に就寝・起床する
• 朝食をとる
• 日を浴びる
• 適度な運動

上記は睡眠の質を高めるためにとても重要です。特にリラックスしているときに働く副交感神経は、成長ホルモンの分泌に関係しています。

睡眠時間にバラつきがあると成長ホルモンの分泌量が少なくなり、健やかな髪の毛を生成するときの妨げとなるため、気をつけましょう。

頭皮をかきむしらないこと

10円ハゲができると、その部分がどうしても気になってしまうことはよくあります。それゆえ、感覚が過敏になり痒みを伴うこともあります。しかし患部をかきむしる行為は、絶対NGです。

頭皮をかきむしると毛根部が傷つき、ヘアサイクルが乱れ発毛・育毛に支障をきたします。症状が悪化する恐れもあるため、なるべく患部には触らないように心がけましょう。

乾燥が気になる場合は。保護クリームなどを塗布するのもおすすめです。塗りすぎは頭皮を詰まらせるため、逆効果となるので注意してください。

自己判断で医薬品を使わないこと

最近ではドラッグストアなどでも発毛・育毛効果のある医薬品や頭皮ケア商品が多数取り扱われています。医師に処方してもらう必要がない商品もあるため簡単に入手できますが、自己判断での医薬品の使用はおすすめしません。

なぜなら、円形脱毛症が引き起こる原因は一つではなく、原因に合わせて適切な治療を行うことが重要だからです。使用しても症状改善が見込めないだけでなく、肌に合わず頭皮環境を悪化させてしまう恐れもあるため注意してください。

医薬品を使用する際は、医師の指示に従うようにしましょう。

10円ハゲの主な治療方法

10円ハゲの治療にはさまざまな方法が用いられています。どのような治療が症状改善につながるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。下記では6種類の治療方法について詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

局所免疫療法

局所免疫療法とは、SADBEという物質を用いて人工的に皮膚の炎症を起こし、発毛を促す治療です。

脱毛している部分には、T細胞と呼ばれる免疫細胞が集まっており、それらが毛をつくる役目を持つ毛母細胞を攻撃するため、毛が生えにくくなると考えられています。そのT細胞を、わざと皮膚に炎症を起こすことで移動させ、毛根部への攻撃を止めさせ発毛を促す効果があるといわれています。

円形脱毛症診療法ガイドラインでの推奨度はBを誇っていますが、保険適応とならないため治療費は全額自己負担です。

参照元：日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2017 年版（日本皮膚科学会ガイドライン）

ステロイドによる治療

ステロイドは手荒れなどの薬にも用いられることがあるため、聞いたり実際に使ったりしたことがある方も多いでしょう。

ステロイド治療は炎症や免疫機能を抑える効果が期待でき、円形脱毛症の治療方法の中でも特に発毛効果が大きいといわれています。別の治療方法を用いて効果が得られなかった場合に、ステロイド治療に切り替えることも少なくありません。

このように高い効果が期待できる反面、副作用があるのもステロイドの特徴です。副作用にも個人差はありますが、このことを考慮して一般的に子どもの脱毛症の治療には用いられません。

内服薬

10円ハゲの治療に用いられることが多い内服薬は下記の通りです。

• ステロイド内服
• 抗アレルギー薬

ステロイド内服は前述した通り、炎症や免疫機能を抑制する効果が期待できます。高い効果が実証されていますが、副作用があることから子どもには用いられていません。

抗アレルギー薬は花粉症や蕁麻疹・アレルギー性鼻炎の症状を緩和するイメージが強いかもしれませんが、円形脱毛症の治療に用いられることも少なくありません。

円形脱毛症の患者はアトピー性素因を持っている方が多くいます。そのため、抗アレルギー薬を用いることで、脱毛範囲の縮小効果が期待できるとされています。

冷却治療

冷却治療は液体窒素やドライアイスを脱毛部分にあてて、誤作動を起こした免疫細胞を抑制する方法で、局所免疫療法と似ています。患部にあてる、または塗布する際に多少の痛みを伴うことがありますが、簡易的で副作用もなく、費用も抑えられる治療方法です。

紫外線療法

紫外線療法も基本的に子どもには用いられず、成人の患者に対して行います。名前の通り紫外線をあてる治療法で、多発型や患部が広範囲になる全頭型にも効果が期待できると実証されています。

ただし、何回か通院する必要があるため、手間と感じる方もいるかもしれません。治療後に肌が炎症を起こし水ぶくれになるなど副作用の例もあるため、肌が弱い方はあらかじめ医師に相談されることをおすすめします。

ウィッグの着用

円形脱毛症の治療はたとえ効果があるものだとしても、髪の毛が生えてくるまでの間はとてもつらい時間でしょう。そのようなときはウィッグを着用し、患部を隠すのもおすすめの手段です。

単発型で範囲が狭く「ウィッグまでは……」と感じる方には、ヘアパッチなどシールタイプの商品もおすすめです。近年のヘアパッチは人工毛を用いられていることが多く、仕上がりもナチュラルなものになっています。

店頭まで行かずに、ネットで完結できるお店もあるため他人の目を気にせずに購入することも可能です。

10円ハゲが気になったら医師に相談を

10円ハゲは円形脱毛症と同じであり、単発型と脱毛箇所が複数ある多発型に分かれます。

AGAによる遺伝だけでなく、ストレスや乱れた生活習慣が原因となる場合もあり、女性や子どもでも引き起こす可能性がある症状です。

早期治療を行うことで、十分に症状改善を図れることがほとんどです。しかし、自己判断での薬剤の使用は症状を悪化させる恐れもあります。気になる症状を見つけた際は早めに医師に相談するようにしましょう。