髪が抜ける病気一覧|内臓やストレス、女性特有の疾患と治療法 | AGAメディカルケアクリニック【公式】

髪が抜ける病気一覧|内臓やストレス、女性特有の疾患と治療法

公開日
2022-04-27
更新日
AGAメディカルケアクリニック 院長監修コラム

患者様から「ある時を境に髪が抜けるようになった(抜け毛が増えた)」とご相談をいただくことがあります。

心当たりがない上に原因がわからないままだと、このまま薄毛が進行するのでは?と不安を感じますよね。

そこで今回は、抜け毛の症状が認められる病気を一覧にまとめました。

おもな原因や治療法、抜け毛症状のある内臓疾患なども解説するので、髪が抜ける原因をお調べの方はぜひ参考にしてください。

前田 祐助

AGAメディカルケアクリニック 統括院長

【経歴】

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
前田 祐助

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髪が抜ける(脱毛)症状のある病気一覧

抜け毛が付いたくし

髪が抜ける症状のある病気には次の種類があります。

  1. AGA(男性型脱毛症)
  2. 円形脱毛症
  3. ひこう性脱毛症
  4. びまん性脱毛症
  5. 産後(分娩後)脱毛症
  6. 脂漏性脱毛症
  7. 牽引性脱毛症
  8. 甲状腺の疾患
  9. 膠原病
  10. 梅毒
  11. 鉄欠乏性貧血
  12. 薬剤性脱毛症

具体的な原因と治療法を見ていきましょう。

1.AGA(男性型脱毛症)

原因遺伝・男性ホルモン
発症年齢20代〜
性別男性
治療法内服薬・外用薬・注入治療・植毛など

AGAは、成人以降であれば年齢を問わず誰でも発症する男性特有の脱毛症です。

おもな特徴は次の通りです。

  • 抜け毛の本数が異常に増える
  • 力を入れずともポロポロと髪が抜ける
  • 生え際や頭頂部の薄毛が目立つ
  • 抜け毛が細く短い

AGA患者様の頭部画像。生え際や頭頂部の薄毛が顕著です。

AGAの発症には男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)が関与し、家族が薄毛だと高確率で遺伝すると言われています。

セルフケアのみで改善するのは難しいですが、適切な治療を受けることで予防と発毛が可能です。飲み薬や塗り薬による治療の場合、早い方だと3ヶ月頃から効果を実感できます。

女性にもAGAはある?

AGA(男性型脱毛症)に対し、女性特有の薄毛をFAGA(またはFPHL)と言います。

FAGAやFPHLの原因として考えられるものには、ホルモンバランスや過度なダイエットなどが挙げられます。1本1本が細くなり、髪全体のボリュームが少なくなるのが特徴です。

生え際が剃り込みのように後退したり、分け目が広がったりするとFAGAやFPHLが疑われます。

2.円形脱毛症

原因免疫機能の異常・ストレス・遺伝・アトピー・ホルモンバランスの変化など
発症年齢幼児〜高齢者
性別男女
治療法内服薬・外用薬・ステロイド注射・液体窒素療法・紫外線治療・局所免疫療法など

円形脱毛症は、頭皮の一部が円形または楕円形に抜け落ちる脱毛症です。

円形脱毛症

円形脱毛症にはさまざまな種類があり、脱毛斑の種類や広がり方によって以下のように分類されます。

  • 単発型…脱毛斑が1ヶ所のみに発生する(もっとも多いタイプ)
  • 多発型…脱毛斑が2ヶ所以上に発生する発生する
  • 蛇行型…後頭部から側頭部の生え際に沿って脱毛する
  • 全頭型…頭部全体の毛髪が脱毛する
  • 汎発型…髪だけでなく眉毛やまつ毛、体毛なども脱毛する

脱毛斑の数が多い、または広範囲に広がっている場合は治療が長期化する可能性があります。また、再発を繰り返しやすいのも円形脱毛症の特徴です。

10代で髪が抜けるのはなぜ?

若い世代で髪が抜ける原因には、ストレスや生活習慣、過度なヘアケアなどが考えられます。

髪は日々の食事から取り入れる栄養をもとに成長するため、偏りのある食生活は育毛の妨げとなります。睡眠不足やストレスは血液循環を悪化させるため、頭皮に十分な栄養が行き渡らなくなるのです。

また、ヘアカラーやパーマを頻繁に繰り返すことも頭皮に大きな負担をかける行為です。薄毛にはさまざまな種類があり、年齢にかかわらず抜け毛が増えるケースも多いので「若いから大丈夫」と油断はできません。

3.粃糠(ひこう)性脱毛症

原因毛穴の炎症
発症年齢年齢を問わず起こりうる
性別男女
治療法内服薬・外用薬など

粃糠性脱毛症とは、毛穴につまったフケが炎症を起こし、頭皮環境の悪化によって抜け毛が増える脱毛症のことです。

フケが出る原因には、

  • 肌に合わないヘアケア用品(シャンプーや整髪料など)
  • ストレス
  • ホルモンバランス
  • アレルギー

などがあります。

重症化すると、頭皮の赤みや強いかゆみなどといった症状が現れることもあります。粃糠性脱毛症は、ステロイドや抗真菌薬、ビタミン剤などで治療をするのが一般的です。

4.びまん性脱毛症

原因加齢・ホルモンバランスの変化・ストレス・過度なダイエットなど
発症年齢40〜50代に多い
性別女性に多い
治療法内服薬・外用薬など

中年期の女性に多く見られるびまん性脱毛症は、分け目の広がりや頭皮が透けて見えるのが特徴です。

髪全体のボリュームが減り、1本1本が細くやわらかくなっていきます。髪質は年齢とともに変化しますが、規則正しい生活とストレス対策で改善できる場合もあります。

びまん性脱毛症は内服薬や外用薬での治療が可能です。治療を希望する場合、皮膚科や女性の薄毛治療を専門とするクリニックを受診しましょう。

5.分娩後(産後)脱毛症

原因妊娠や出産によるホルモンバランスの変化
発症年齢経産婦であれば年齢を問わず起こりうる
性別女性
治療法基本的に治療は行わない

経産婦の大半が経験すると言われている分娩後脱毛症。

いわゆる「産後はげ」のことで、産後3ヶ月頃から急激に抜け毛が増加します。産後半年頃までに落ち着くケースがほとんどですが、まれに1年近く続く方もいるようです。

分娩後脱毛症は、妊娠中と出産後でホルモンバランスが大きく変化することで起こります。抜け毛の量や期間に差はありますが、避けられないものであり、基本的には治療も行いません。

対策としては、できる範囲で栄養バランスのいい食事を心がけること。そして、ぐっすり眠れるよう睡眠環境を整えるのがいいでしょう。

6.脂漏性脱毛症

原因皮脂の過剰分泌
発症年齢乳児、10〜40代
性別やや男性が多い
治療法内服薬・外用薬など

皮脂の過剰分泌により、頭皮環境が悪化することで起こる脂漏性脱毛症。

皮脂分泌が活発な思春期以降に起こりやすいと言われ、頭皮のベタつきや炎症、湿疹などをともなう場合があります。重症化するとベタベタとしたフケが出たり、顔や背中に炎症が広がることもあります。

ステロイドや抗真菌薬で治療できますが、生活習慣の見直しやストレス解消も症状の改善に有効です。

7.牽引性脱毛症

原因物理的なダメージ
発症年齢年齢を問わず起こりうる
性別女性に多い
治療法基本的に治療は行わない

髪を強く引っ張ることで頭皮がダメージを受け、力が加わる部分のみ薄毛になるのが牽引脱毛症です。

髪を結ぶ習慣のある女性に多く見られますが、帽子やヘルメットなどでも起こりうるため男性も無関係ではありません。物理的なダメージを軽減すれば抜け毛が減るため、ヘアスタイルを変えるのがもっとも効果的な改善策です。

8.甲状腺の疾患

原因バセドウ病・橋本病など
発症年齢20代〜
性別女性に多い
治療法内服薬・外用薬など

甲状腺疾患は、甲状腺ホルモンの分泌が活発になる・または減少する病気です。

甲状腺ホルモンには細胞の代謝を正常に保つはたらきがありますが、バセドウ病や橋本病になると細胞の代謝機能に異常が見られます。おもな症状には、倦怠感や筋力低下、脱毛などがあります。

どちらも20〜40代の女性に多く見られますが、症状に男女差はありません。甲状腺疾患による脱毛は、予防ならびに発毛促進の薬を処方してもらえる場合があります。

9.膠原病

原因全身性エリテマトーデス・全身性強皮症など
発症年齢20〜50代に多い
性別女性に多い
治療法内服薬・外用薬など

膠原病は皮膚や内臓、血管が炎症を起こす病気の総称です。

髪が抜ける代表的な病気には、全身性エリテマトーデスや全身性強皮症などがあります。部分的な脱毛や髪全体のボリュームダウンなど、髪の抜け方は人によってさまざまです。

膠原病の治療が最優先となりますが、医師に相談の上で抜け毛治療も並行して行える場合があります。

10.梅毒

原因細菌(梅毒トレポネーマ)への感染
発症年齢20〜50代に多い
性別性別を問わず起こりうる
治療法内服薬・筋肉注射など

梅毒のおもな感染経路は性交渉です。

血液や粘膜を介して感染するもので、発症するとまず発熱やのどの痛みなど風邪に似た症状が見られます。時間の経過とともに症状は変化し、脱毛症状が見られるのは感染から2〜3ヶ月経つ頃です。

梅毒による脱毛症状は、梅毒の治療が順調に進めば徐々に快方へと向かいます。

11.鉄欠乏性貧血

原因血液中の鉄不足
発症年齢思春期〜閉経前
性別女性に多い
治療法内服薬・注射など

鉄欠乏性貧血の原因には次のものがあります。

  • 過度なダイエット
  • 妊娠や出産、授乳
  • 月経出血
  • 消化器系(胃・小腸・大腸など)の病気
  • 出血をきたす病気

女性に多く見られる病気ですが、胃がんや大腸がんで出血が増えると性別に関係なく貧血症状が現れることがあります。

髪は血液が運搬する酸素や栄養をもとに成長しますから、血液をつくる鉄が不足すれば育毛の妨げとなり、その結果抜け毛が増加するのです。

鉄欠乏症貧血は、鉄剤の内服薬で改善を目指します。鉄剤で副作用が見られた場合は、鉄剤注射による治療も可能です。

12.薬剤性脱毛症

原因薬の服用
発症年齢年齢を問わず起こりうる
性別性別を問わず起こりうる
治療法基本的に治療は行わない

内服薬の作用で髪が抜けることを薬剤性脱毛症といいます。

薬剤による脱毛は、細胞分裂を抑制する抗がん剤治療薬を服用した場合に多く見られます。髪以外に眉毛やまつ毛も抜け落ちることがあり、薬の作用による脱毛を予防する方法はありません。(投与を中止すると生えてくる)

抗がん剤治療薬以外で脱毛する薬には、

  • カルバナゼピン、バルプロ酸(抗てんかん薬)
  • インターフェロンα(抗ウイルス薬、抗がん剤)
  • エトレチナート(乾癬の治療薬)
  • シンバスタチン(高コレステロール血症治療薬)
  • ワーファリン(抗凝固剤)

などがあります。

上記以外にも脱毛の可能性がある薬は数多く存在します。服用中の薬があり、脱毛の不安がある方はかかりつけ医または薬剤師に相談するのがいいでしょう。

コロナになると急に髪が抜ける?

新型コロナウイルス感染症の後遺症に、抜け毛の増加があります。

傾向としては20〜30代の女性に多く、コロナ発症後2〜3ヶ月頃に抜け毛が急激に増加するようです。

コロナに限らずですが、病気にかかり免疫力が低下すると、頭皮に十分な栄養が行き渡らなくなります。その結果抜け毛が増加することがあるので、コロナで抜け毛が増えるのも同じ理由と考えられるでしょう。

また、コロナに感染しなくても抜け毛が増えたと感じる男性も多いようです。当院が2021年に行ったアンケート調では、コロナ自粛によって薄毛が進行したと感じる男性が半数以上にのぼるという結果となりました。

自粛によるストレスや生活の変化などが影響し、抜け毛が増えたものと考えられます。

抜け毛の本数は1日あたり100本までが正常

抜け毛が付いたくし

抜け毛が増えて「何かの病気では?」と不安を感じる方は、1日でどの程度髪が抜けるか注意深く観察しましょう。

簡単なのが、枕に付着した抜け毛と洗髪中の抜け毛をチェックする方法です。以前と比べてどの程度増えたか、また細く短い髪がないかを確認してみてください。(1本1本正確に数える必要はありません)

1日あたりの抜け毛は、50〜100本までが正常な範囲です。うち、洗髪中の抜け毛は5〜6割を占めると言われています。

季節によって100本以上抜けることもありますが、一時的なものであればそれほど気にしなくてOKです。反対に、日に日に抜け毛が増え、髪全体のボリュームが減っている方は何らかの理由で薄毛が進行している可能性が考えられるでしょう。

抜け毛が増えた時の対処法

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髪が抜けて不安やストレスを感じる方は、以下3つの方法をお試しください。

  1. 医療機関で治療を受ける
  2. 生活習慣を見直す
  3. 髪型を工夫する

1.医療機関で治療を受ける

明らかに薄毛が進行している、また生え際や頭頂部の薄毛が気になる方には、医療機関を受診することをおすすめします。

成人男性の場合、3人に1人がAGAを発症すると言われています。AGAは何もせず症状が改善することはありませんが適切な治療で予防と発毛が可能です。

FAGAやFPHLも治療できるので、薄毛の進行を防ぎたい方や毛量を増やしたい方は専門のクリニックを受診するのがいいでしょう。

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2.生活習慣を見直す

健康な髪を育てるには、まず日々の生活習慣を見直すことも大切です。

栄養バランスのいい食事や質の高い睡眠、適度な運動など、いわゆる「健康的な生活」は育毛にも役立ちます。ストレスが起因する脱毛症もあるので、不安や悩みは一人で抱え込まず、都度発散できる環境を整えることも必要です。

3.髪型を工夫する

病気が原因の抜け毛は、髪型を変えたりウィッグを使うなどして薄毛を目立たなくする方法があります。

治療中の病気があると、市販の発毛薬やサプリメントは使用を制限されることが多いです。まずは病気を治すことを第一に考え、治療に影響のない方法で薄毛対策をしていきましょう。

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カルテを書く医師

病気によって免疫力が低下すると、抜け毛症状が見られるケースは非常に多いです。

何かの病気かも?と不安を感じるものですが、抜け毛だけで病気を特定するのは困難です。また、セルフチェックのみで不安は解消できないので、気になることがあればできるだけ早く医療機関を受診しましょう。

生え際や頭頂部などAGA特有の薄毛症状が見られる場合は、3万人以上の治療実績がある当院までご相談ください。一人ひとりの症状に合わせた最適な対策をご提案いたします。

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前田 祐助

この記事の監修者
AGAメディカルケアクリニック 統括院長

経歴

  1. 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
  2. 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
  3. 大手AGAクリニック(院長)を経て、2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
前田 祐助

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