抗真菌剤として用いられ、抜け毛や薄毛予防の効果も期待できるケトコナゾール。
頭皮環境を改善するにはケトコナゾールシャンプーでのケアも有効であり、薄毛でお悩みの方にとって強い味方となる存在です。
この記事では、ケトコナゾールの効果や使い方をわかりやすく解説していきます。起こりうる副作用や禁忌事項もお伝えするので、ご使用時の参考にしてください。
目次
ケトコナゾールは、以下の皮膚真菌症の治療に使われる外用薬です。
ケトコナゾールにはクリームタイプとローションタイプがあり、症状や部位によって使い分けます。
皮膚真菌症になよる症状には以下のものがあります。
皮膚真菌症はカビの発生によって引き起こされるものです。
ケトコナゾールがもつ強い抗真菌作用によって真菌の成長を阻止(殺菌)でき、上記のような皮膚症状が改善されます。
AGAの治療法や効果についてまとめられた日本皮膚科学会のガイドラインでは、ケトコナゾールでの治療について以下の記述があります。
ケトコナゾールの外用は有用か?
日本皮膚科学会:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版
推奨度:C1
推奨文:ケトコナゾールの外用を行ってもよい
AGA発症者に対して行われた臨床試験では、ケトコナゾールローションを用いた6名の被験者のうち、2例で明らかな発毛が認められています。また17名の被験者を対象とした臨床試験では、16例でAGAの改善が認められました。
このように、ケトコナゾールは皮膚疾患だけでなく男性の薄毛治療にも有用であることがわかっています。
ケトコナゾールは市販のシャンプーに混ぜてお使いいただくことも可能です。
シャンプーに混ぜて使うとケトコナゾールが頭皮にまんべんなく行き渡ります。これにより頭部全体の頭皮環境が改善でき、薄毛予防の効果が期待できます。
混ぜる量はシャンプー100mlに対し、ケトコナゾールローション1本が目安です。お薬を入れたらボトルをしっかり振って、よく混ぜてからお使いください。
1つ注意すべきなのが、一部のシャンプーにはケトコナゾールを混ぜて使うのに適さないものがあるという点です。シャンプーに混ぜて使うよう指示を受けた方は、どんなシャンプーが適しているかを医師や薬剤師にご確認ください。
ケトコナゾールの使い方はクリーム(ローション)とシャンプーによって異なります。
ここからはケトコナゾールの使い方をお薬のタイプ別にご紹介していきます。
1日1回患部に塗布します。
脂漏性皮膚炎に対する用法用量は1日2回です。
適量を手にとり、頭皮を揉みこむようにして洗髪します。
成分を浸透させるまで、洗い流す前に3〜5分ほど時間を置きます。ケトコナゾールシャンプーは洗浄力が非常に高いので、通常のシャンプー以上に時間をかけてしっかりとすすいでください。
使いはじめの2週間は毎日、それ以降は2〜3日に1度のペースで使います。髪のきしみが気になる時はトリートメントを使ってもOKです。
市販のシャンプーにケトコナゾールを混ぜる方法はこちらをお読みください。
ケトコナゾールのおもな副作用には以下のものがあります。
ケトコナゾールは副作用が比較的少ないお薬として知られていますが、お肌が弱い方は上記の症状が認められることがあります。
副作用かも?と思ったら、まずは担当の医師や薬剤師までご相談ください。
過去にケトコナゾールの使用によって過敏症(アレルギー反応)が出た方は、ケトコナゾールを使用できません。
過敏症の既往歴があると、ふたたび症状が出る可能性が高いのでご注意ください。
ケトコナゾールは、妊娠中や授乳中の方への安全性は確認されていません。
妊娠中についてはケトコナゾールに限らず、どのお薬を使用するにも慎重になるべきです。治療による効果がリスクを上回ると判断された時のみ、使用をおすすめします。
ここからはケトコナゾール(シャンプー)について、患者様からよくいただくご質問にお答えしていきます。
できません。
ケトコナゾールやニラゾールは医師の処方のもとで購入可能です。ただし、ケトコナゾールと同じイミダゾール系に分類される抗真菌薬には市販のお薬もあります。
ケトコナゾールは真菌の成長を阻止して頭皮環境を整えるためのお薬であり、それ自体に発毛効果はありません。
塗り薬での発毛を希望される方にはミノキシジル外用薬をおすすめします。
2020.11.27
ミノキシジルの効果と副作用のリスク|効き目を実感できるまでの期間や副作用が起きる確率を解説
お薬の効果を実感できるまでの期間は、疾患と症状の程度によって異なります。
まずは1ヶ月間使い続け、まったく症状が改善しない場合は医師にご相談ください。
以下のお薬はケトコナゾールとの併用が禁止されています。
また、以下のお薬も併用に注意が必要です。
該当するお薬を服用している方は、ケトコナゾールとの併用について必ず担当の医師にご相談ください。
ヘルペスはヘルペスウイルス(HSV)が原因で発症する感染症なので、抗真菌薬であるケトコナゾールは使用できません。
ケトコナゾールには皮膚真菌症の治療のほか、薄毛改善の効果も期待できます。
AGA治療中の患者さまの中には、飲み薬や塗り薬と合わせてケトコナゾールシャンプーを併用されている方も多いです。相乗効果により薄毛のお悩みを効率的に改善でき、副作用も少ない点はケトコナゾールの大きなメリットといえるでしょう。
当院でもケトコナゾールシャンプーを取り扱いがあるので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。
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