前田 祐助
AGAメディカルケアクリニック 統括院長
【経歴】
- 慶應義塾大学医学部医学研究科卒業
- 慶應義塾大学病院 初期臨床研修課程終了
- 大手AGAクリニック(院長)を経て、薄毛・AGA治療の2018年AGAメディカルケアクリニック新宿院を開設
- 2020年に2院目となるAGAメディカルケアクリニック横浜院を開設
- 2023年に3院目となるAGAメディカルケアクリニック東京八重洲院を開設
【資格】
- 医師免許
- ⽇本医師会認定産業医
- 医学博士
【所属学会】
- 日本内科学会
- 日本美容皮膚科学会
- 日本臨床毛髪学会
【症例数】
- 3万人以上※
- ※2018年5月~2022年12月AGAメディカルケアクリニック全店舗の延べ患者数
薄毛で悩む方の中には、人と会うときや雨が降ったときなど、さまざまな場面でストレスを感じているのではないでしょうか。
今回は薄毛に悩む方が「あるある!」と共感できるシチュエーションを紹介します。薄毛治療の方法なども解説するため、薄毛を改善したいと考えている方はぜひ読んでみてください。
薄毛に悩む人あるある
AGAメディカルケアクリニックが実施したアンケートでは、下記のような悩みが寄せられています。
【同窓会に参加するときに薄毛が気になる】
はい:81%
いいえ:19%
【プールにいくときに薄毛が気になる】
はい:77.5%
いいえ:22.5%
【鏡を見る回数が増えた】
はい:68%
いいえ:32%
【人の目線が薄毛にいっている感じがする】
はい:79%
いいえ:21%
【抜け毛の本数を数えるようになった】
はい:58%
いいえ:42%
【帽子を被るようになった】
はい:57%
いいえ:43%
【美容室に行きづらくなった】
はい:51%
いいえ:49%
【薄毛に関する情報収集をするようになった】
はい:78.5%
いいえ:21.5
とくに、人の目が気になるといった悩みが多いようです。
薄毛に悩む人の割合は?
薄毛に悩む人の割合を、男性と女性に分けて紹介します。
男性
薄毛に悩む男性のほとんどはAGA(男性型脱毛症)だといわれていますが、AGAを発症している男性は全年齢で約30%いると言われています。
年代別の罹患率は下記の通りです。
年代 | 罹患率 |
---|---|
20代 | 約10% |
30代 | 約20% |
40代 | 約30% |
50代以降 | 40〜50% |
※参考:日本皮膚科学会「男性型および女性形脱毛症診療ガイドライン2017年版」
年齢が上がるほど罹患率が高くなっていきますが、なかには20〜30代で発症する人もいます。40代を超えると薄毛は珍しい悩みではないでしょう。
またAGAの他にも脂漏性脱毛症や円形脱毛症で悩む方もいるため、実際にはもっと割合が高いと考えられます。
女性
女性の薄毛は原因が多岐にわたるため、何割の人が薄毛を発症するかといった信頼性の高い統計はありません。
しかし閉経や出産の後は女性ホルモンが減少する関係で、薄毛になる女性が多いようです。
北米閉経学会によると、閉経後の女性(50歳〜65歳)のうち52.2%は脱毛症を発症しているというデータもあります。
また産後は個人によって程度の差ありますが、5割〜6割の女性が薄毛を発症するといわれています。
薄毛は自分では治せない?
薄毛を治せるかどうかは、発症の原因にもよります。男性の多くが発症するAGAは進行性の脱毛症なので、治療をしなければ抜け毛は止まりません。
生活習慣の乱れやストレスが原因の薄毛なら、根本的な原因を取り除くことで自然治癒する可能性はあります。
ただし薄毛の原因を個人で特定することは難しいため、自分で解決しようとする前に一度受診して医師の診断を受けるのがよいでしょう。
クリニックでの診察は、生活習慣や既往歴、家族に薄毛の人がいるかといった問診、頭皮の視診を行い診断します。
薄毛・抜け毛に悩んだら何科の病院に行くべき?
薄毛や抜け毛で悩んだら皮膚科を受診しましょう。しかし男性で生え際の後退や頭頂部の抜け毛が気になる場合はAGAの可能性が高いため、AGA専門クリニックの受診を推奨します。
専門クリニックではAGAのみを診ているため症例数も多く、経験豊富です。
また、内服薬が中心の皮膚科とは異なり、AGAクリニックではメソセラピーやHARG療法といったより効果の高い治療を導入しているケースが多いのです。
なお、薄毛に加えてストレスからくる心身の不調があれば、ストレスが原因かもしれません。ご自身で手に負えない場合は心療内科の受診も検討しましょう。
薄毛の治療方法と費用相場
薄毛治療には下記の方法があります。
- 内服薬治療
- 外用薬治療
- 注入治療
- 自毛植毛
治療内容とあわせて、費用相場も解説します。
内服薬治療
薄毛治療では内服治療が第一選択となる場合が多いです。主な治療薬と費用相場を下記にまとめました。
<男性の薄毛治療>
<女性の薄毛治療>
薬の名称 | 効果 | 費用相場 |
---|---|---|
パントガール | ・髪の健康を保つ ・抜け毛を予防する | 5,000〜10,000円 |
スピロノラクトン | ・抜け毛を予防する ・発毛を促進する | 5,000〜7,000円 |
ミノキシジル | 発毛を促進する | 13,000〜20,000円 |
効果・リスクの観点から男女で推奨される薬は異なります。とくにAGA治療に使用されるフィナステリド・デュタステリドは、基本的には女性の使用(とくに妊婦)は禁止されています。
また、高血圧や肝障害などの持病がある場合や、妊娠・授乳中の方は内服できない可能性があります。受診の際は持病や内服中の薬を医師に伝え、適切に服用しましょう。
外用薬治療
薄毛治療では内服薬とミノキシジル外用薬を併用するケースが多くあります。
ミノキシジルには血行を促進し発毛を促す作用があるため、内服薬のみの治療よりも発毛効果が高まります。
ミノキシジルの濃度や含まれる成分によって値段が異なりますが、費用相場は5,000円〜20,000円です。
市販の発毛剤ではミノキシジル濃度の上限は5%までと決まっていますが、医療機関であれば医師の判断により15%まで処方してもらえます。また、男女でミノキシジルの推奨濃度は異なります。
AGA治療の内服薬はドラッグストアでは購入できないため、効果・手間を考えるといずれにしてもクリニックで処方してもらう方が良いでしょう。
注入治療
薄毛治療では頭皮に直接薬剤を注射する注入治療が行われることもあります。内服薬・外用薬では効果が乏しい方、副作用により服用できない方、より短期間で発毛させたい方に推奨される治療法です。
注入治療は主に発毛メソセラピーとHARG療法の2種類があり、それぞれの特徴や費用相場は下記の通りです。
発毛メソセラピー | HARG療法 | |
---|---|---|
費用相場 | 50,000円〜100,000円/回 | 100,000円〜200,000円/回 |
薬液 | ・ミノキシジル ・成長因子 ・コエンザイムQ10 ・ヒアルロン酸 ・複合ビタミン ・銅ペプチド など | ・HARGカクテル |
注入方法 | ・注射 ・針付きのローラー(ダーマローラ) ・炭酸ガス ・レーザー など | ・注射 |
発毛メソセラピーに使う薬剤はクリニックのオリジナルブレンドなので、クリニックによって配合が異なります。
一方で、HARG療法では日本医療毛髪再生研究会が定めたHARGカクテルを使用することになっており、認定を受けたクリニックでしか治療を受けられません。
自毛植毛
内服治療や注入治療などで期待する発毛効果を得られない場合は、自毛植毛を行う方もいます。
自毛植毛では主に後頭部(AGAの影響を受けない部位)の髪を採取し、薄毛部分に移植する治療です。施術後は他の髪と同じように成長するため、自然な仕上がりになります。
また植毛は自分が生やしたい部分に髪を生やせるため、希望通りのデザインができるのもメリットです。
しかし、手術のためダウンタイムがある、医師・看護師の技術により仕上がりや定着率が異なる、手術費用が高い、術後に内服薬が必要になるというデメリットもあります。
※参考:日本皮膚科学会「男性型および女性形脱毛症診療ガイドライン2017年版」
薄毛の悩みに関するよくある質問
薄毛の悩みに関するよくある質問をまとめました。
薄毛治療は皮膚科と専門クリニックで費用が変わりますか?
専門クリニックではより発毛効果を高めるために、内服薬・外用薬治療だけでなく注入治療やLEDや低出力レーザーなどを並行して行うこともあり、費用が皮膚科よりも高くなる傾向にあります。
ただし、内服治療や外用薬のみを行う場合は専門クリニックのほうが安くなるケースもあります。専門クリニックでは初診料・再診料が無料というところも多いためです。
基本的に薄毛治療は保険適用されず、皮膚科でも専門クリニックでも保険適用の条件は変わりません。
女性の薄毛治療は保険適用になりますか?
女性の薄毛は保険適応にはなりません。薄毛は深刻な問題ではありますが、生命に影響する病気ではないためです。
ただし円形脱毛症や脂漏性脱毛症では、保険適用となる場合があります。円形脱毛症は自己免疫疾患だと考えられており、ステロイド外用薬や一部内服薬は保険適用となっています。
脂漏性脱毛症も頭皮の炎症に対する治療は保険適用です。
薄毛治療をすれば確実に髪の毛は生えますか?
確実に髪の毛が生えるわけではなく、進行度合いによってはなかなか効果を実感できないケースもあります。毛根には寿命があるため、寿命を終えてツルツルになってしまうと、薬でAGA治療をしても毛は生えてきません。
しかし薄毛を治したいのであれば、薄毛治療がもっとも有効な方法です。
薄毛はホルモンバランスの乱れや自己免疫疾患などが原因であるため、放置していると現在生えている毛も生えてこなくなる恐れがあります。
症状を進行させないためにも、薄毛で悩んだときは受診して必要な治療を受けましょう。
確実に髪の毛が生える方法はありますか?
確実に髪を生やす方法はありません。しかし自毛植毛は髪が薄くなった部分に髪を移植するため、元の髪型と近い状態にできる可能性が高いです。
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年度版によると、自毛植毛の定着率は82.5%とあり、高い確率で定着しています。
まとめ
今回紹介した薄毛あるあるに、共感した方も多いのではないでしょうか。男性の約30%の方が薄毛で悩んでいることから、薄毛は決して珍しい病気ではありません。
薄毛は適切な治療を受ければ十分に治る可能性がある病気です。
「薄毛をどうにかしたい」「コンプレックス解消したい」という方は、薄毛治療を検討してみてはいかがでしょうか。