ドライヤーで抜け毛が増える？原因や正しい乾かし方について解説

ドライヤーは非常に便利な道具ですが、使い方を誤ると髪が傷んだり、抜け毛が増えたりしてしまうことがあります。

この記事では、ドライヤーによって抜け毛が増えてしまう原因や、それを防ぐための正しい乾かし方について詳しく解説します。

髪の健康を維持するためのヒントをたくさんご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ドライヤーで抜け毛が増える原因｜乾かし過ぎによる乾燥や熱ダメージ

ドライヤーで抜け毛が増えてしまうのは、高温で長時間使用することによる乾燥や熱ダメージが原因です。

高温の風を使って髪を乾かすと、髪の毛の中に含まれるシスチンというタンパク質が酸化分解されます。

シスチンは髪の弾力や強度を保つのに重要な成分であり、これが減ってしまうことで髪の毛がもろくなったり、抜けやすくなったりしてしまうのです。

また、乾かし過ぎによる頭皮の乾燥も抜け毛につながる要因となります。

ドライヤーを使用する際には温度設定だけでなく、風量や使用時間、ドライヤーからの距離も適度に保つことが大切です。

参考：ライオン家庭科学研究所｜ヘアケアの科学

ドライヤー使用時の抜け毛は何本ぐらいが平均？100本以上は要注意

ドライヤー使用時の抜け毛が100本以上ある場合は、通常の自然脱毛の範囲を超えている可能性が高いため注意が必要です。

髪の毛にはヘアサイクルと呼ばれる周期があり、1日に約50～100本の毛が自然に抜け落ちています。通常、ドライヤー使用時に抜ける毛はこの自然脱毛の一部です。

たとえば、普段髪の毛を束ねたり整髪剤でまとめている人は日中は髪の毛が落ちにくいため、1日の終わりのシャワーやドライヤー使用時に抜け毛が目立つことがあります。

とくに女性は髪が長く絡まりやすいため、ブラッシング時に抜け毛が目立ちます。

それでも通常は多くて50～60本程度です。100本以上の抜け毛がある場合は、日常の生活習慣や髪のケアを見直すとともに、医師に相談することをおすすめします。

ドライヤーの正しい使い方｜抜け毛を防ぐためのポイント

ドライヤーによる髪のダメージを最小限に抑え、抜け毛を防ぐためのポイントは以下の4つです。

1. 高温設定は避ける
2. 髪の毛との距離は10～15cmをキープする
3. 髪を乾かす時間は5～10分
4. ヘアオイルやヘアセラムで保湿する

それぞれ、詳しくみていきましょう。

1.高温設定は避ける

抜け毛を防ぐためには、ドライヤーの高温設定は基本的に避けることが望ましいでしょう。

ドライヤーの高温モードは製品によって異なりますが、およそ90～125℃です。高温の風が頭皮に直接当たると、頭皮の乾燥や炎症を引き起こして抜け毛の原因となります。

さらに、80℃以上の風は髪の毛を傷めてしまうという研究結果も報告されています。

頭皮と髪の毛の健康を保つためには、ドライヤーの温度設定は低〜中温度（約60〜80℃）を選択するとよいでしょう。

参考：鈴木加菜子｜毛髪表面の構造変化と 熱ダメージ解析

2.髪の毛との距離は10～15cmをキープする

ドライヤーを使用する際には、髪の毛との距離を10〜15cmにキープすることが重要です。

ドライヤーを髪に近づけすぎると、熱や風の強さによって髪の毛が傷んでしまうだけでなく、乾燥により頭皮の状態を悪化させる可能性があります。

適切な距離を保つことで風が髪の毛全体に均一にあたり、髪全体を均等に乾かすことができます。

3.髪を乾かす時間は5～10分

ドライヤーで髪を乾かす時間は髪の量や長さによって異なりますが、5～10分が適切です。

長時間ドライヤーを使い続けると髪の表面の水分だけでなく、内部の水分も蒸発してしまうため注意しましょう。

男性やショート・ミドルヘアの女性は5分程度、ロングヘアの女性は10分程度が目安です。

4.ヘアオイルやヘアセラムで保湿する

ドライヤーの後には、ヘアオイルやヘアセラムで保湿することをおすすめします。

ドライヤー直後の髪は熱や風により水分が奪われ、非常に乾燥しやすい状態です。乾燥した髪は傷みやすく抜け毛の原因となるため、しっかりと保湿しましょう。

ヘアオイルやヘアセラムは髪の毛をコーティングして水分を閉じ込め、乾燥を防いだり、キューティクルを整えたりする効果が期待できます。

日常的なケアが美しい髪を保つ秘訣です。乾燥やダメージから髪を守り、美しい髪を手に入れましょう。

薄毛になりにくいドライヤーの選び方は？温度調整やイオンに注目

薄毛が気になっている方は、ドライヤーを選ぶ際に以下のポイントに注目しましょう。

選ぶポイント	詳細
マイナスイオンつきを選ぶ	マイナスイオンが静電気を抑え、乾燥によるダメージを軽減できる。
温度調節ができるものを選ぶ	高温の風は髪を傷める原因となるため、80℃以下に設定できるものが望ましい。
風量調節ができるものを選ぶ	頭皮・髪の表面に負担をかけないよう、弱風に設定できるものが望ましい。
軽量・取り扱いやすいものを選ぶ	軽量で気軽に使いやすいものであれば使うのが面倒にならない。

ちょっとしたことが頭皮のストレスになっている可能性があります。

毎日使うものだからこそ、頭皮や髪に良いものを選んでみてはいかがでしょうか。

ドライヤー以外で抜け毛が増える原因

抜け毛はさまざまな原因によって起こる可能性があります。

• AGA（男性型脱毛症）
• 過度のダイエット
• ストレス
• ホルモンバランスの変化

それぞれ、詳しくみていきましょう。

AGA（男性型脱毛症）

AGA（男性型脱毛症）は、主に20代以降の男性が発症する脱毛症で、日本人男性の約3割が発症すると言われています。

いわゆる「M字ハゲ」や「O字ハゲ」のような進行が特徴で、後頭部や側頭部の髪を保ちながら、頭頂部や前頭部の髪が徐々に薄くなります。進行性の脱毛症のため、放置すると髪は抜け続けます。

発症には男性ホルモンが関わっており、遺伝しやすいことが分かっています。

なお、AGAは早期に適切な治療を行うことで、抜け毛の進行を遅らせることが可能です。

簡易的なセルフ診断ができますのでご活用ください。

参考：I. Takashima, M. Iju & M. Sudo｜Alopecia Androgenetica — Its Incidence in Japanese and Associated Conditions

過度のダイエット

過度のダイエットは、抜け毛が増える原因のひとつです。

過度のダイエットにより体内のタンパク質やビタミン・ミネラルが不足すると、髪の成長に必要な栄養が十分に供給されず、髪が細くなったり抜け落ちたりしてしまいます。

とくに髪は生命維持に必要な部位ではないため、栄養不足の影響を受けやすいと考えられています。

健康的な髪を維持するためにはバランスの取れた食事を心掛けるとともに、極端なダイエットを避けることが大切です。

ストレス

ストレスは身体にさまざまな悪影響を与えることが知られており、抜け毛もそのひとつです。

長期間にわたる慢性的なストレスは、ホルモン分泌や免疫系に影響を及ぼし、抜け毛の増加を引き起こす可能性があります。

たとえば、ストレスを感じるとコルチゾールというストレスホルモンが分泌され、正常な発毛が阻害されてしまうことがわかっています。

抜け毛を防ぐにはストレスを軽減する方法を見つけ、心身の健康を保つことが大切です。

参考：Corticosterone inhibits GAS6 to govern hair follicle stem-cell quiescence

ホルモンバランスの変化

抜け毛が増える原因のひとつとして「ホルモンバランスの変化」があります。

とくに女性ホルモンである「エストロゲン」や「プロゲステロン」は髪の成長に深く関わっており、バランスが乱れると髪の健康に影響を及ぼすことが知られています。

ホルモンバランスの変化による抜け毛の例としては、女性の「更年期障害」が有名です。

女性は閉経し更年期に入ると、女性ホルモンであるエストロゲンのレベルが低下します。

これにより髪が細くなったり、抜け毛の量が増えたりすることがあります。

抜け毛についてよくある質問

抜け毛についてよくある質問をまとめました。

ドライヤーを正しく使って抜け毛を予防しよう

ドライヤーを高温で長時間使うと、乾燥や熱ダメージで抜け毛が増えてしまう可能性があります。とくに100本以上の抜け毛が見られる場合は注意が必要です。

抜け毛を防ぐためには高温設定を避け、ドライヤーとの距離を10～15cmに保ちましょう。ヘアオイルやヘアセラムを使用してしっかりとケアすることも有効です。

健やかな髪を保つためには、正しいドライヤーの使い方と適切なケアが欠かせません。日々の生活で抜け毛対策に取り組み、健康で美しい髪をキープしましょう。